右SBは西久保が移籍して、昨年大宮でプレーした岡庭がレンタルで加入。
ただ、昨年後半は本来ボランチの高橋が出場しており岡庭はタイプが異なる印象で、そのままはまるのかはわからない状況です。
昨年後半の右サイドは従来のワイドに開くSBの仕事をSHが担い、SBは中央に絞って中盤の仕事をする形だったからそ、SB経験者の米倉や田中がSHで機能していたのでしょうから、本来SBの岡庭もSHでの計算となる可能性は十分あると思います。
また、昨年SBに移ってからの高橋は途中交代もほぼなく怪我も少ない、タフなところを見せてくれており、控えの重要性もそこまで高くないかもしれません。
それでも出場停止となった第30節山形戦では松田が起用されていますし、右SB第二候補は松田が有力ではないかと思います。
松田もパスが出せるタイプのDFで、高橋に近い仕事が期待出来るのではないでしょうか。
逆に左SBは今年も日高が軸となるでしょうが、昨年は離脱時期も多かったため選手層が心配です。
矢口を控え候補に記載しましたが、本来は右サイドの選手だと思いますし経験も薄い。
ここに昨年左WBでもスタメン経験のある岡庭が、起用される可能性もあるかもしれません。
あるいは、昨年終盤に何度もあったように、日高に何かあれば左CB佐々木を左SBに回して、CBにメンデスを起用するパターンが今年も増えるのか。
しかし、それだと主力CBを移さななければいけないデメリットもあるわけで、やはり左SBは層の薄さを感じるポジションだと思います。
左SBはサッカー界全体で見ても薄いポジションなので、補強が難しかったのかもしれません。
CBも新井一耀が抜けて、新人の久保庭、谷田が加入。
2人の成長にも期待したいですが、客観的に見れば層が薄くなったポジションと言えると思います。
鈴木大輔も昨年はフル稼働できましたが、一昨年は離脱期間の長かった選手で控えが重要となる可能性もあります。
さらに先ほども話した通り、佐々木がSBに移るパターンも考えれば、より第3CBが重要になると思うのですが、メンデスには不安要素も多い印象です。
佐々木自身も守備においてはまだ課題も多いと思いますが、そこは若手ということでさらなる成長を期待したいところ。
J2だからこそ、佐々木の育成が許される部分もあるかもしれません。
GKに関しては、大幅に選手を入れ替えたことからも、足りない部分を感じたポジションという評価なのかもしれません。
特に栃木で活躍した藤田には期待が高まりますが、まだ総合的には粗削りな印象もなくはないと思います。
若手を放出して高木和を補強したのは、藤田が五輪代表で抜ける可能性も考慮したのかなと思います。
五輪本番に選出されなかったとしても、五輪までの合宿で離脱するケースがあり得るのではないでしょうか。
当然、残留した鈴木にも期待したいところで、安定感なら鈴木の方が期待できるとなるかもしれません。
フォーメーション図で、全選手をまとめると。
総じて、FWやGKは層が厚くなりましたが、SHやDFラインは薄くなった印象すらあります。
昨年もちょうど左SH日高と右SH田中が不在だった第39節東京V戦で敗れていたわけで、その2つのポジションを補強できなかったのは残念です。
どうも横山やエドゥアルドや藤田を補強したことから一部では高い評判も受けているようですが、福満、見木、新井章太との入れ替わりですし、新井一耀、西堂とサブ組も抜けて足りなかったポジションは埋まっていないわけですから、決して飛び抜けた補強が出来たわけでもないと思います。
薄いポジションがSHとDFラインということで、注目は岡庭の使い方ではないでしょうか。
岡庭がSHや左SBでもプレー出来れば、ちょうど薄いポジションを埋められることになるし、佐々木をSBに移す必要がなくなれば、結果的にCBの層も保たれる。
今季のカギを握る選手となるかもしれません。
一方、昨年の課題として精度やラストプレーの質があったと思うのですが、そこも考慮した補強だったのかなとも思います。
藤田はキック精度の高いGKですし、エドゥアルドも強く正確なミドルシュートなどを蹴れて、林も決定力が高く、岡庭もクロスの精度が期待できる。
質の部分を狙ったとすれば、意図のハッキリとしたオフだったのかなと思います。
チームとしても昨年後半は好調だったとはいえ、ゴールに向かう確実性や安定感という意味においては、まだまだやるべきことが多かった印象です。
攻守に前への勢いで戦っていった部分も大きかったと思いますし、個々の精度を高めることで、そこを解決しようという点は理解できる狙いではないでしょうか。
また、自動昇格や優勝を目指すということになると新メンバーも加入した中で、いかに連携を素早く構築できるかもポイントとなるのかなと思います。
全体的に見ると楽しみな選手も獲得できましたが、一方でJ2の中でずば抜けた戦力といった感じでもないと思います。
油断せず気を引き締めて、新シーズンに臨みたいところではないでしょうか。
その上で、昨年の良い流れを維持しつつさらに発展させることによって、夢のJ1昇格を果たしてほしいと思います。