当ブログはプロモーションを含みます

2023シーズンを振り返る 開幕スタメンを果たした矢口駿太郎と1試合出場の久保庭良太

 矢口は2023年にジェフU-18から、トップチームに昇格。
 コロナ禍の影響もあって、2種登録で2022年も6試合に出場してはいましたが、そのすべてが途中出場でした。

 しかし、2023年には高卒新人ながら、開幕戦からスタメン出場を果たしています。
 ジェフU-18出身で開幕スタメン出場を果たしたのは、あの阿部勇樹以来。
 実に23年ぶりとなったそうです。


 矢口のスタメン起用は、左SB日高が怪我で離脱していた影響が大きいでしょう。
 開幕前のちばぎんカップでは緊張で硬さも出て動きが重かった記憶もありましたが、開幕戦ではしっかりと動けていたように思います。
 ちばぎんカップの経験が生きたところもあったと思いますし、改めてちばぎんカップはありがたい存在ですね。

 矢口は本来右サイドの選手だと思うのですが、左足でもボールを扱えるということで、左SBでの起用となったのでしょう。
 前年から感じていましたが、パワー系の西久保に比べると、矢口の方が細かで柔軟な動きが出来るタイプではないかという印象があります。
 運動量も豊富で、ハードワーク出来るタイプと言えるのかもしれません。


 特に今季開幕時のジェフは、左SH見木が攻撃時にインサイドに絞って、中盤のパスワークに参加する。
 そうして生まれた左サイドのスペースに左SBが走り込んでいく狙いがあったのではないかと思われるだけに、矢口は重要なポジションでした。
 見木がインサイドでうまくボールを受けられなかったこともあってこの計画は頓挫しますが、イメージとしては仙台で同僚だった渡邉監督と似たスタイルを目指していたのではないでしょうか。

 ただ、ちばぎんカップではマテウス・サヴィオ、第2節山形戦ではイサカと個人での突破力がある攻撃のキーマンと対面。
 守備に翻弄された矢口は攻撃面での良さが出せず、苦労した印象が強い展開となっていってしまいました。
 さらに、後方から長い距離を駆け上がらなければいけなかった上、見木が中に絞ることで被カウンター時には広範囲をケアしなければいけない難しい状況でした。


 今考えても新人にはなかなか厳しい境遇に思えますが、当時のジェフはベテラン勢に離脱者が多く、矢口の出場も自然な流れでした。
 米倉、福満、高木などが不在で、新明、矢口、小森、田中など若手が頑張らざるを得ない状況だったのだと思います。
 もちろん若手が出場機会を得ることは良いことでもあるとは思いますが、出来れば若手には良さを出しやすい環境を作ってあげたいところですし、当時の苦悩を思い返すとやはり今オフの補強は若干薄いところもあるのではないかと思ってしまいます。

 結局、矢口は日高が復帰したこともあり、第3節以降はスタメン出場なし。
 その後、途中出場の5試合で終わり、シーズン途中からは日高が負傷しても、松田、佐々木などがポジションを埋める状況となっていきました。
 ベテランが復帰してきたこともあって、途中出場を果たした第19節町田戦以降は控えにも入れずに終わっています。


 DFとして、取り上げる最後の選手は久保庭。
 ただし、2023年の久保庭は立教大から特別指定選手で加入していた形で、今年からがプロとしての本番になります。
 久保庭もジェフアカデミー出身の選手で、ソロモンと同期になります。

 昨年は特別指定の久保庭でしたが、第36節仙台戦で途中出場を果たしています。
 この試合では鈴木大輔が出場停止で、佐々木とメンデスが2CBのコンビを組んでいました。
 メンデスに疲れも見えたところで、試合終盤に久保庭が投入されたのだと思います。


 記録でいうと1分しか出場していませんので詳しいことは言えませんが、ラインをしっかりと合わせる能力は感じられました。
 メンデスがスピードに課題があって、ラインを深く守りがちだっただけに、そこが強調されて見えたところがあったのでしょう。
 久保庭は今年初めの新体制発表会でも自身の特徴に関して、「カバーリングとスピード」と答えているだけに、やはり速さには自信があるCBなのではないでしょうか。

jefunited.co.jp

 現代のCBは球際の強さは当たり前で、その上でスピードや足元の技術も求められる印象です。
 オシム監督の未来予測が当たったとも言えるでしょうし、CBにも総合力が必要になっていると思います。
 
 ただ跳ね返すだけでいい時代ではないと思いますし、そういった意味で久保庭は現代サッカーに適したタイプの選手なのかもしれません。
 昨年の出場は1試合のみでしたが、ベンチに入ることは多かっただけに、小林監督も高く評価しているのではないでしょうか。 
 ジェフU-18出身で今年昇格した谷田も、2022年のコロナ禍で1試合出場しており短い出場時間でしたが足を運べるタイプなのかなと思いますので、2人の新人CBの成長に期待したいところではないでしょうか。


 というのも、今季のジェフは新井一耀が抜けて、他チームからの補強はなし。
 新人の久保庭、谷田を除くと、鈴木大輔、佐々木、メンデスしかCBがいないことになります。
 佐々木は日高に何かあれば左SBでもプレーしなければいけない可能性もありますから、DFラインはかなり手薄。

 そうなってくると、久保庭、谷田に加えて、矢口も含めて、若いDFの存在に注目が集まる状況になってくると思います。
 まだそれぞれ線が細い印象もありますが、ピッチ上では年齢も関係なですし、しっかりと準備をして開幕を迎えて欲しいですね。