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2023シーズンを振り返る 怪我で苦しみ7試合出場に留まった熊谷アンドリュー

 開幕当初のジェフは、攻撃時に熊谷がアンカーに入り、右インサイドにボランチの田口が移って、左インサイドにSHの見木が絞る形でした。
 右SBが後方に残って3バックになることで3‐1‐4-2のシステムとなり、2トップを維持しながら、中盤の逆三角形も形成できるというのがポイントだったのではないかと思います。
 ただ、3バックだと後方に押し込まれてうまく中盤にショートパスを繋げず、ワイドにビルドアップできないない課題などもあって、シーズン途中から4バックに変更したのではないでしょうか。

 その大事なアンカー役として開幕スタメンを果たした熊谷ですが、第2節山形戦からはベンチにも入れず。
 第5節大分戦ではスタメンに復帰して良いプレーも見せていましたが、第6節岡山戦、第7節金沢戦ではベンチ入りこそ果たすものの出場機会はなし。
 それ以降はまたメンバーから外れていきました。

 復帰した第15節甲府戦から第18節仙台戦までは、4試合連続で途中出場を果たしています。
 しかし、その後は試合出場が途切れると、第29節徳島戦の途中出場を最後に、2023年の熊谷は出場機会もなく終わっています。
 スタメン出場に至っては、第5節大分戦が最後となってしまいました。


 2017年に金沢からジェフへ加入した熊谷は、エスナイデル監督に愛されて3年間主軸選手として活躍。
 しかし、尹監督が就任した2020年からは出場機会が減少し、ボランチの3番手、4番手になる時期もありました。
 エスナイデル監督は後方やボランチからの大きな展開を好みましたが、尹監督は意外と細かなパスワークを望む傾向にあったという点も大きかったのでしょう。

 ただ、それでもジェフに加入してからは、毎年二桁出場はキープし続けていました。
 それが2023年は7試合の出場に留まってしまい、一桁出場は2015年の横浜FM時代以来ということになるそうです。
 昨年のジェフは右肩上がりで勢いを増していった一方、怪我人が多くやりくりには苦労していた面もあったわけですが、そういった状況下でもシーズン後半の熊谷はベンチにすら入れず、正直心配していたところがありました。


 プレー内容に乏しければ仕方がないとも思うのですが、最後に出場した第29節徳島戦も決して悪い内容ではなかったと思います。
 この試合では見木が出場停止だったため、小林がスタメン出場。
 しかし、左ボランチ兼左インサイドを任された小林ですが、インサイドの位置でボールをうまく受けられず、パスワークに絡めない展開となってしまいました。

 そこで58分という早い段階で、小林に代わって熊谷が投入されてます。
 熊谷はフィジカルをうまく活かして、中盤の高い位置でボールを受けるプレーを披露。
 1-3のビハインドから3‐3まで追いついた試合に、貢献したことになります。


 けれども、それ以降の試合では出場機会がなく終わっています。
 徳島戦では悪くなかったとはいえ、シーズン前半に活躍した小林がボランチ3番手に付けることは驚きではなく、評価されていないのかなとも思っていました。
 しかし、オフの契約更新で「怪我で練習もまともに参加できなかった」とコメントしており、それが理由でメンバー入りすらなかったことが明らかになります。

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 ただ、契約更改が発表になったのは、年を越した1月6日。
 移籍の決まった新井章太、新井一耀、西久保、西堂は、それぞれ1月に入ってから発表になっていますし、熊谷も移籍先を探していたのか、残留を迷っていた可能性もあるのかもしれません。
 実際、田口は不動のボランチで、見木は抜けたもののエドゥアルドが加入、小林も残留となっていますから、熊谷の優先順位は決して高くはないようにも思えます。

 怪我で苦しんだシーズンだっただけに、心機一転、他のクラブで頑張るという考えが生まれてもおかしくはないでしょう。
 ただ、上記の通り、小林はインサイド役としては課題がありますし、シーズン後半は活躍しきれなかった。
 また、田口も怪我が多い上に、エドゥアルドも新加入でチームにフィットするかはまだわからない。


 さらに、高橋が右SBにコンバートされた関係で、ボランチも決して層が厚い状況ではないでしょう。
 それらを考えると、熊谷も万全な状況でプレー出来れば、非常に重要な戦力になりえるのではないかと思います。
 インサイドに関しては多くの選手が苦労した1年でしたし、そのインサイドで可能性を見せられた上、アンカーで田口役も期待できるとなれば、ジェフとしても残しておきたい存在なのではないでしょうか。

 しかし、熊谷も近年は怪我が少なくない状況。
 いくら良い選手でも怪我で離脱してしまえば元も子もないですし、チームとしてもベテランは少なくない状況ですから、コンディションに対するサポートが非常に大事な状況となっているように思います。
 熊谷としても怪我から復活をして、レギュラー争いに殴り込んでいってほしいと思います。