当ブログはプロモーションを含みます

2023シーズンを振り返る 泥臭く思い切りのよいプレーでゴールも決めた新明龍太

 ジェフU-18出身の新明は、2022年に二種登録でトップチームに帯同し、天皇杯にも出場。
 そして、2023年にトップチームに昇格しました。

 2023年シーズン序盤のジェフは、主にベテラン勢に離脱者が多かったと思われ、若手選手の出番が目立つチーム状況でした。
 新明も開幕戦からベンチ入りを果たし、第2節山形戦では途中出場を果たしリーグ戦デビュー。
 この時は末吉に変わって、右サイドで出場しました。


 そして、第19節町田戦で右SHとして、プロ入り後初スタメン出場を果たします。
 それまでのジェフは末吉、田中などが右サイドを縦に仕掛けることが多かったジェフですが、新明は右サイドの位置からゴール前へも侵入。
 シーズン途中から1トップに変更していたジェフは、前線の人数が薄くなりがちでしたが、ゴール前の厚みを埋める動きに可能性を示しました。

 しかし、新明の出場は続かず、次に出場したのは第22節大分戦。
 続く第23節甲府戦でも途中出場を続けると、この試合の後半アディショナルタイムに劇的なゴールを決め、2‐1での勝利に貢献しました。

 カウンターから見事なトラップで相手選手3人の逆を取り、左足を振り切ってゴールを決めています。
 技術力もさることながら、迷いなくシュートまで持ち込む思い切りの良さを感じるシーンでした。

 この結果が評価され、水曜日開催の第24節大宮戦ではスタメン出場。
 この3試合は右SHではなく、左SHで出場でしています。
 この頃のジェフも再び離脱者が多くなっており、選手のやりくりに苦労していた印象もありました。


 次の第25節金沢戦でもスタメン出場。
 今度は2トップの一角として、呉屋と前線のコンビを組みました。
 この試合では新明が少し下がった位置でポストプレーをして、呉屋が高い位置でボールを待つ関係性を見せていきます。

 この試合でも、体を張った粘りのプレーで可能性を見せていたと思います。
 しかし、国立で行われた第26節清水戦、第28節山口戦と試合途中からの出場を続けますが、それ以降は出場がなく主力選手が返ってきたシーズン終盤はベンチ入りする機会も減っていきました。
 結局プロ1年目の新明は8試合出場、うちスタメンが3試合、1ゴールという結果で終わっています。


 それでも第19節町田戦での新明のパフォーマンスは、その後のチームを発展させるヒントを与えてくれたのではないかと思います。
 何度も話しているように、調子を上げていったシーズン後半のジェフは、一方のSHが縦に飛び出し、もう一方のSHがゴール前に飛び出す関係性を見せて攻撃を成立させていった印象です。
 そのゴール前に飛び出す動きを初めて見せたのは、町田戦での新明だったとも言えると思います。
 
 さらにプレースタイルにおいても、古くからのジェフらしい特徴を持った選手で、古くからのサポーターにも好感の持てる選手ではないでしょうか。
 泥臭くハードワーク出来るのは田中にも近いとも言えるかもしれませんが、田中は上下動がウリなのに対して、新明はより広範囲に我武者羅に走るタイプではないかと思います。
 さらに左右のサイドだけではなく、前線でもプレーできるうえ、体を張ったポストプレーをこなせるというのも、どこか古き良きジェフ選手といったイメージを与えてくれます。


 ただ、プレーに関してはまだまだ粗削りで、コンスタントに試合に出場するためには、全体的なレベルアップが必要なのではないかと思います。
 ゴールシーンを振り返っても、技術力もしっかりある選手だとは思いますが、丁寧なパスワークへの関与など、基礎的な部分のレベルをもっと上げなければいけないかもしれません。
 体力面やフィジカル面も、まだまだ発展途上ではないかと思います。

 ハードワーク出来るタイプとはいえ、サイドを縦に鋭く仕掛ける選手とは違う印象です。
 そうなると、SHの位置からゴールに飛び出す役割を期待したいところですが、178cmと決して身長が高いタイプでもない。
 かといって、前線は呉屋、小森、林とタレントも多いですから、選手層からするとベテランが多い2列目勝負したいところではないかとも思うのですが、本来はより広いエリアでプレーできる中央の方があっているタイプではないかなといった印象もあります。
 ポジションに関しては悩みどころもありますが、まだまだ先の長い選手ですし全体的なレベルアップを目指して、ポジションに関係なくチャンスを狙い続けて欲しいですね。