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2023シーズンを振り返る 前線からチェイスを続けチームを引っ張った呉屋大翔

 呉屋は2023年に、大分からジェフへ移籍。
 ジェフ1年目は35試合に出場し、スタメンは15試合で、5ゴール2アシストという成績でした。
 5ゴールという結果は前年の7ゴールを下回っていますし、ゴール数においては物足りない印象も受けました。

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 しかし、個人的には大分時代も攻撃面ではまりきっていないイメージはありましたし、ジェフでも苦労する可能性はあるのではないかと思っていました。
 一方でジェフでの呉屋は、ゴールという結果以上に多くのものをチームにもたらしてくれた印象もあります。


 呉屋は加入直後のキックオフミーティングでも、「ジェフは若い選手が多いのでピッチ内外で貢献していきたい」と話していました。

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 外部から見てきた呉屋は周囲を引っ張るイメージはなかったので、こういったコメント自体が驚きでもあったのですが、加入当初ということでリップサービス的なものなのかなとも思っていました。

 しかし、シーズンが始まってからも、呉屋は前線からハードワークを続け、周りを鼓舞する姿勢を見せ続けていきました。
 移籍当初は気合を入れてくる選手や出場機会を得ていれば頑張れる選手もいるかもしれませんが、スタメンでも途中出場でも変わらぬ姿勢を見せ続けていたと思います。
 直接的に周りを鼓舞する選手ではないかもしれませんが、背中で周りを引っ張る選手といった印象で、そういった選手がキャプテン以外でも在籍するというのは、チームのモチベーションという観点でも、若手の成長においても貴重なのではないでしょうか。


 改めて、2023年の呉屋を振り返ると、開幕前のちばぎんカップからスタメン出場を果たし、柏相手に2ゴールを決めて3‐2の勝利に貢献しています。
 そのまま開幕戦でもスタメン出場を果たし、シーズン当初は小森と2トップを形成していきました。
 しかし、大卒ルーキーの小森が開幕戦から3試合連続ゴールという華々しい結果を見せた一方、呉屋は決定機を外してしまうことも多く、リーグ戦初ゴールが遠い状況に。

 さらにチームとしても、開幕戦は1‐0で勝利したものの、その後の勝ち星は続かず。
 2トップだと中盤が薄くなる問題もあって、第6節岡山戦では風間を起用した1トップに変更していきます。
 その試合でスタメンから外れた呉屋はベンチに入るも出場機会がなく、そこからは長らく途中出場中心の起用となってしまいました。


 それでも呉屋が途中出場で入ると盛り上がって、ゴールを期待する声も多かったと思います。
 それもやはり呉屋のように経験豊富で一見クールな選手が、頑張って前線からボールを追い続け、チームに貢献しようという姿勢を見せ続けたからではないでしょうか。
 また、小林監督が就任した昨年のジェフはハイプレスが戦術の土台となっていましたから、呉屋の献身的なチェイスはチームとしても重要な要素だったと思います。

 小森もしっかりと追う姿勢を見せてくれる選手ですが、呉屋はより球際でも激しく潰しにいくプレーを見せていたと思います。
 ただコースを限定するのではなく奪い切るプレスを狙うチェイスで、それによって相手もプレスを怖がってよりビルドアップを阻害することが出来ていた。
 球際で戦うことは小林監督も重要視していたポイントですから、チームの理念にも沿った動きを見せてくれていたことになります。


 このようなプレーが実った部分もあって、シーズン終盤は小森に代わってレギュラーFWとして活躍しました
 呉屋の方がより高い位置で戦えたり、プレスで効いていたという部分もあったのでしょう。
 周囲との連携も含めて、最後は呉屋の方がレギュラーとしてはまっていたと言えると思います。

 今季は呉屋と小森のポジション争いに加えて、金沢から林も加入したことになります。
 林も2人と同じように動きながらボールを受けられるFWですから、小林監督の好むタイプの選手と言えるでしょう。
 さらに、決定力の高いFWということで、強力なライバルが加わったことになると思います。

 控えにCFを2人も入れるのかといった問題もあるでしょうから、レギュラーから一気にベンチ外ということもあり得るかもしれません。
 それでも呉屋はめげない選手だと思いますが、努力を結びつけるためにも、より多くの得点を期待したくなりますね。
 2019年に長崎で22ゴールを決めた得点感覚を、どこまで戻せるかがテーマということになるでしょうか。