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2023シーズンを振り返る 大卒新人ながら13ゴールを決めるも終盤に苦戦した小森飛絢

 小森は新潟医療福祉大学から2023年、ジェフに加入。
 前年には特別指定選手としてジェフに登録されており、リーグ戦でも途中出場を果たしています。

 2023年には第1節長崎戦からスタメン出場を果たすと、その試合でいきなりゴールを上げ、1-0での勝利に貢献。
 さらにそこから第2節山形戦、第3節群馬戦でも、連続ゴールを決めています。
 開幕前のちばぎんカップでもゴールを決めているので、それも含めると4試合連続ゴールと華々しいプロデビューを果たします。

 その後は怪我などもあって戦線を離脱した時期もありましたが、基本的には前線のレギュラーとして出場し続けていきました。
 大卒1年目にして33試合に出場し、13ゴール3アシストという見事な結果に。
 13ゴールはジェフ最多得点であることはもちろん、J2でも4位タイの成績となります。

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 小森は運動量豊富に動いて、ボールを引き出せる選手。
 どっしりと構えるCFではなく動けるタイプのFWが小林監督の好みなのでしょうし、チームのスタイルにぴったりとフィットした選手だったと思います。
 守備面での貢献でも高く、その点でも昨年のジェフの意図にあっていたのでしょう。

 時折、小森は「オールマイティな選手」という評価をされていることがありますが、個人的には裏抜けが特筆してうまいストライカーといった印象です。
 ただ単純にスピードで勝負するのではなく、相手DFの動きを見て味方選手のパス出しのタイミングをうまく図って、相手を出し抜ける選手。
 そこからのトラップやシュートも精度が高く、左右両足でゴールを狙えることも大きいですね。


 確かに中盤でのパスワークに絡むことも出来るし、ラストパスの狙いと精度も期待できる選手。 
 さらにシーズン中頃からは課題として感じていたポストプレーも上達していき、相手を背負って踏ん張ることも少しずつ出来るようになっていきました。
 それだけに、オールマイティとも言えなくはないのかもしれません。

 しかし、Youtubeでも話しましたが、逆にそれによってJ1など他チームに移籍すれば、チーム状況次第で中盤などで使われるかもしれないし、便利役として起用されてしまうかもしれません。
 ジェフではチームのスタイルと小森の特徴がぴたりとはまりましたが、チームによっては裏抜けからのシュートセンスがスポイルされる可能性もあるかもしれませんから、将来に関してはしっかり考えなければいけないのではないかと思います。

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 さらに、それまで好調だった小森も、シーズン終盤は苦戦した印象があります。
 きっかけは小森が一度離脱して、呉屋がフィットしたことによるのでしょうが、第36節仙台戦から第40節いわき戦までは、呉屋にスタメン出場の座を勝ち取られ、小森がベンチスタートとなりました。
 呉屋の調子が上がっていたことも大きいとは思いますが、戦術的な問題もあったのではないかと思います。

 シーズン後半のジェフは左SHにドゥドゥを置いて、積極的にドゥドゥがゴール前に侵入していった。
 それによってゴール前のスペースが狭くなっていったことによって、裏を取る小森の良さが出しにくい状況になっていたのではないでしょうか。
 開幕から小森がはまったのも後方で相手を引き付けるビルドアップから、一本のロングパスで裏へ展開する形で、この状況だと前線に大きなスペースが出来る。


 しかし、シーズン後半からはドゥドゥがゴール前に侵入していく上、相手チームもジェフを警戒して簡単にはスペースを与えてくれなかった。
 小森は前線にスペースがないとそこを避けるように中盤に降りていく傾向もありましたし、狭い局面なら呉屋の方がうまくやれていた印象もあります。
 チームとしてもその点で悩んだ結果、昨日も話した通りラスト数戦はドゥドゥがゴール前に入らず、ワイドの位置で起点になる展開にかわっていった印象です。

 実際、ドゥドゥがゴール前に飛び出さない方が小森は伸び伸びとやれる印象もあって、第40節いわき戦でもプレーオフ東京V戦でもゴールを決めています。
 けれども、チームとしては、シーズンラストの5試合で2勝2敗1分。
 プレーオフ東京戦でも1‐2で敗れて、昇格に失敗しています。


 このあたりが、ブログでも何度か話している今季への不安で、シーズン終盤のジェフは決して順風満帆ではなく、悩みも感じながら終えたところがあると思います。
 攻撃面においての前線の整備というか、ドゥドゥと小森の関係性は完璧には作り切れずに終わったと言っていいのかもしれません。
 ドゥドゥが中に入っていけばゴール前の厚みは増すものの小森はやりにくくなるのかもしれないし、ドゥドゥがワイドに張れば小森はスペースを取りやすくなるかもしれませんが、前線に人数が足りなくなるかもしれない。

 ハイプレスからのカウンターならポジションなどはあまり関係ないので良いかもしれませんが、シーズン終盤にはそこも警戒されていたので簡単には狙えなかった。
 だからこそ、やはりハイプレスだけでなく遅攻の質が問われるところだと思うのですが、そこに関してまだ課題の残る印象だったと思います。
 そこにどこまで拘れるかが、チームとしての今年の課題ではないでしょうか。

 小森に関してもスペースがない状況でも、ゴールを狙える選手になれるか。
 そのためにはもっとフィジカル面などを鍛えなければいけないかもしれないし、狭い局面でも戦える選手にならなければいけないと思います。
 小森自身はより上を目指しているのかもしれませんが、まだまだJ2でやれることはあると思いますし、呉屋や林も加わったわけですから油断せずに頑張ってほしいですね。