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藤枝戦で2ゴールを上げた田中和樹が群馬戦でもクロスで3点目の起点に

JEF

　ルヴァンカップによる連戦で取り上げ切れていませんでしたが、3月2日（土）に行われた藤枝戦で田中が2ゴールをマーク。
　4-0での勝利に大きく貢献しました。

　チームの先制ゴールとなった1点目は、前からのプレスで田中がボールを奪い、そのままGKとの1対1を冷静に決めたもの。
　相手の横パスが弱かったところを見逃さずにカットした展開で、田中のスピードが活きたボール奪取でした。
　もはや田中が相手DFへチェイスにいけるかどうかで、プレスの強度が大きく変わっているようにすら感じることもあり、だからこそ現在は相手が3バックになった時の方が、プレスをはめられていると感じられるのかもしれません。

　2ゴール目はハーフスペースでパスを受けた日高のアーリークロスを、大外から斜めに走り込んだ田中がフリーで合わせたもの。
　日高がしっかりと田中を見ていた点も素晴らしく、巻いたクロスの精度も良かったですが、相手DFの背後から飛び込んだ田中の動きも見事でした。
　田中は昨年後半からゴール前に飛び込むプレーが増えている印象もありましたが、今年はいきなりそのプレーが実ったことになりますね。


　そして、田中は先日の群馬戦でも活躍を見せています。
　試合終盤に生まれた貴重な3点目のゴールシーンでは、エドゥアルドのボール奪取からのパスを田中が受けて、右サイドからピンポイントクロス。
　これを呉屋が頭で合わせ、一度はGK櫛引に止められますが、佐々木、小森とシュートを放ちゴールが決まっています。

　田中には相手DFがスライディングに来ていますが、走りながら精度の高いクロスを上げています。
　田中はこの試合の口火となった20分にも、エドゥアルドのヘディングシュートに繋がるクロスを上げていました。


　昨年レンタル移籍でジェフに加入した田中は、初年度からスピードと運動量でチームに大きく貢献してくれました。
　特に相手の裏を取るスプリントはチームの中でも重要な武器となっていましたし、プレスにおいても欠かせない存在となっていたと思います。
　運動量豊富に走って泥臭くプレーするスタイルは、ジェフの文化にもフィットしていたと思います。

　ただ、ボールを受けた後のプレーに関しては、課題も大きかった印象でした。
　パスワークに関してはそつなく絡んでいたし、クロスも大きく外れることなどはあまりなかったとは思いますから、基本技術はあるタイプだとも思います。
　しかし、クロスがターゲットにぴったりと合うことも少なかったですね。


　今年も最後の精度で悩むことになるのかなと思っていたのですが、ここまでのところクロスでもシュートでも活躍していることになります。
　開幕戦となった山形戦でも惜しいミドルシュートなどがありましたし、第2節藤枝戦でも2ゴール。
　オフを挟んだことによって、一度コンディション面もメンタル面もリフレッシュしたところもあるのでしょうか。

　また、顔つきも変わっているようにも見えますし、1シーズン活躍したことで自信も芽生えたのかなとも思います。
　今年の田中は我武者羅にプレーするだけでなく、冷静に状況を捉えられている印象もあります。
　さらに、岡庭という同年代のライバルも、良い刺激になっているのかもしれません。

　ともかく、昨年の走力に加えてクロスやシュートなどでも貢献できていますし、素晴らしいスタートを切れたのではないかと思います。　
　例え縦に突破できたとしてもそこからチャンスに結び付けられなければ魅力は半減してしまうし、相手チームも蹴らせておけばOKとなってしまうかもしれません。
　安定してゴールに繋がるプレーが出来れば、ワンランク上のサイドアタッカーに成長できると思いますので、この調子を維持して頑張ってほしいですね。