前節は8-0で栃木を下したジェフですが、今回は徳島相手に1-0で勝利。
徳島が攻め込む時間が非常に長く試合展開も含めて、栃木戦とは大きく異なる試合となりました。
全く違う展開の2試合を、共に勝利でまとめられたことは、非常に良かったと思います。
ただ、ジェフとしては思い通りの試合内容には、ならなかったと言えるかもしれません。
基本的には積極的に仕掛けてゴールを狙うチームでしょうから、あまりチャンスも作れず前への勢いも出せなかったことは、反省材料ではないかと思います。
藤田のPKストップもあっての勝利ですし、試合を通して苦しい展開だったと思います。
特に相手のパスワークに苦しみ、プレスに行けなかったことが、苦戦の要因ではないでしょうか。
徳島はパスワークの作り方が巧みで、うまくジェフのプレスをかわして、チャンスを作っていきました。
ジェフは連戦でのアウェイということで、運動量も落ちていたのかもしれませんが、今後気温が上がってくればさらにその点で苦しむ可能性もあるでしょう。
それでも鈴木大輔を中心に、最後のところでやられなかったのは見事だと思います。
しかし、徳島も監督交代直後の最下位ということで、やはりどこか最後のところで勢いや自信がなく、そこに救われたところもあるのではないでしょうか。
勝利出来たとはいえ、課題も感じた試合だったかもしれません。
■早々にジェフが先制もPK失敗もあった徳島ペースに
ジェフはメンデスに代わって、久保庭がスタメン。控えで田口が復帰し、矢口が外れました。
徳島は前節途中出場で活躍した渡がスタメンで、柿谷が控えに。
永木が試合直前に急遽欠場が決まり、杉本が入りました。
サブには高田などが入っています。
9分、早々にジェフが先制。
右サイドから高橋のアーリークロス。
椿がダイレクトで合わせて、ゴール。
試合序盤のジェフは、ハイプレスと裏を狙う攻撃をついていきました。
徳島も中央からのパスワークで、何度か良い形を作っていきます。
しかし、早々の失点もあり、勢いが落ちていきます。
12分にもジェフの攻撃。
左サイドを追い越していった日高が、パスを受けてクロス。
こぼれ球をミドルで狙いますが、相手選手にもあたってゴールならず。
23分、ジェフの攻撃。
GK藤田のロングキックに田中が競り勝ったところから、小森が繋いで横山が前進。
走り込んできた高橋が受けて、左足でシュートに行きますが枠の外。
その後は徳島が盛り返してペースを握っていき、25分には徳島の攻撃。
チアゴ・アウベスが自らの仕掛けで得たCKを蹴ると、石尾がファーで合わせます。
しかし、ジェフの選手にもあたってGK藤田がセーブ。
33分にも徳島の攻撃。
カウンターから渡とパス交換をしたチアゴ・アウベスが前進。
久保庭もいなしてシュートに行きますが、GK藤田がセーブ。
36分、徳島の決定機。
中央の児玉からパスを受けたチアゴ・アウベスが右サイドから仕掛けると、日高が足をかけてPK。
これをチアゴ・アウベスが蹴りますが、GK藤田がビッグセーブ。
その後も徳島がパスワークでチャンスを伺うシーンが目立ちますが、決定機までは生まれず。
1-0でジェフが折り返します。
■守備で耐える展開が続くも何とか凌いで1-0の勝利
後半開始と同時に徳島は西野を下げて、高田を起用。後半に入っても徳島ペースは変わらず、50分、徳島のチャンス。
中盤右で得たFKをチアゴ・アウベスが直接狙いますが、GK藤田がはじき出します。
52分、徳島の決定機。
右サイドで、高田が日高をかわして持ち上がり中央へパス。
杉森がシュートを放つとGK藤田が弾いて、渡がフリーで合わせますが、大きく吹かしてしまいます。
58分、徳島は渡、杉森に代えて、柿谷、棚橋を投入。
65分、ジェフは椿、田中を下げて、ドゥドゥ、岡庭を投入。
徳島が攻めジェフが守る展開が続きましたが、70分過ぎからは徳島の運動量が落ちていきます。
72分、徳島は杉森を下げて玄を投入。
81分、ジェフは横山を下げて呉屋を投入。
徳島もチアゴ・アウベスを下げて、CBカイオを入れて前線で起用。
85分にはジェフの攻撃。
FKの流れから、セカンドボールを品田がうまく拾って中央へ。
呉屋がミドルシュートで狙いますが、バーの上。
88分、ジェフは品田を変えて田口を投入。
92分にも徳島のチャンス。
中盤左で得たFKをカイケが狙いますが、壁にもかすってゴールの左にそれます。
試合終盤も徳島が攻め込む展開が続きます。
96分にはジェフがカウンターで奥庭がラストパスを送り、小森が裏を取ってゴールを狙いますが決まらず。
1-0でジェフが何とか逃げ切った展開でした。
■徳島のパスワークを止められず劣勢に立たされた試合
立ち上がりの徳島は後方の守備が甘かった印象で、ジェフが裏を狙えばどんどんとチャンスを作れそうな展開でした。特に右SBエウシーニョの後ろ、右CB石尾との間が空くことが多く、そこを積極的にジェフが突いてゴールまで奪いました。
試合前からそこが弱い分析だったのではないかと思いますし、スカウティングの勝利とも言えるのかもしれません。
しかし、そのゴールもあって一度は徳島の勢いが落ちるものの、徐々に徳島が落ち着いていくと前半途中からはずっと徳島ペースだったと思います。
徳島のパスワークの作り方がうまく、ジェフはなかなかプレスをはめることが出来なかった。
むしろジェフのプレスを引き出して、その裏を取られて苦戦していった印象です。
徳島のパスワークは非常に流動的で、後方でパスを繋ぐとジェフの2トップ裏に選手がうまくボランチなどが動いで、パスを引き出す。
ボランチがジェフの2トップ裏で前を向くと、今度はバイタルエリア付近で他の選手が動いて、パスを受けるといった形で、うまく中盤で裏を突いて、パスを繋いでいきました。
この背後で動く動きが怖くて、ジェフの選手たちは思い切ったプレスに行けなくなり、押し込まれていったのだと思います。
中央のパスワークから縦に仕掛ける。
それが駄目なら右サイドへ展開して、中央から流れたチアゴ・アウベスなどが仕掛ける。
後半からはチアゴ・アウベスを中央に置きたくて、右SH高田を投入して縦に仕掛けさせたのでしょうが、正直チアゴ・アウベスが流れる展開の方が怖かった気もしますね。
プレスにいけないジェフは、ビルドアップでもあまり良い形が作れず。
相手のプレスに苦しんでのパスミスや、ロングボールも多い展開となってしまいました。
序盤以降は、チャンスすら作れない状況だったと思います。
こういった試合を見ると、改めてもう少しビルドアップの質を探求すべきなのではないかと思ってしまいますね。
プレスにいけない試合展開になった時に、ビルドアップもうまく出来ないと、押し返すことが出来ない。
押し返せないとさらにプレスにも行きにくくなるので、守備一辺倒になってしまいます。
やはり熊本や清水、徳島などに比べると、今のジェフはビルドアップでの工夫が少ない。
後半からは小林が低い位置に下がって受けるシーンも増えましたが、それもパスが繋げず苦し紛れのように見えてしまいました。
もっと流動的に動いたり、細かい狙いを持ったビルドアップを期待したいところですが、現体制2年目でそこが見られないとなると厳しいのかもしれませんね。
それでも後方の守備に関しては、粘りを見せて無失点。
ビルドアップが厳しいのであれば、プレスと粘りの守備で勝点を目指すという発想も考えられなくはないのでしょう。
うまくいかなくても勝ち点を稼ぐことが大事ですし、今後もDFの頑張りに期待したいと思います。