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第10節 ジェフ対大分 プレビュー 片野坂知宏監督が復帰した大分にハイプレスを仕掛けられるか

 先週の連勝を、2勝1敗で勝ち越したジェフ。
 連戦初戦の熊本には0-1で敗れ嫌な雰囲気も流れましたが、続く栃木には8-0と驚きの大勝をあげています。
 しかし、連戦最後の徳島戦は最下位相手に1-0の辛勝と、決して良い試合ではなかったと思いますので、まだ調子が上向きなのかなんとも言えない状況だと思います。

 明日対戦する大分は、今季片野坂監督が復帰。
 片野坂監督といえば前回大分で指揮した時には、ビルドアップ時にボランチなどが相手を引き付けるように最終ラインまで下がり、その裏を取って前を向く攻撃を構築。
 後に疑似カウンターなどとも言われましたが、このサッカーでチームをJ3からJ1まで昇格させました。


 しかし、Youtubeでもお話ししましたが、今回の片野坂監督は疑似カウンターを展開せず。
 攻守に4-4-2で、等間隔に戦うスタイルとなっているイメージです。

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 守備時にはその等間隔のポジショニングを活かして、前後左右で挟んで守る。
 攻撃時にも素早いミドルパスで相手を交わし、2列目に前を向かせたり、前線が裏を取るパスワークを作る。
 狙いは明確にあるものの、攻守に比較的オーソドックスなスタイルとなっているのかなと思います。

 昨年のジェフもそこまで明白ではないものの、引き付けたビルドアップを実施していましたし、他のJチームも採用しているところが多いメジャーなスタイルではあると思います。
 それだけに今回片野坂監督が疑似カウンターを実施してこなかったのは意外な印象もありましたが、引き付けるビルドアップだとどうしても全体のラインが下がるし、オーソドックスなサッカーの方が成長できると判断したのでしょうか。
 ただ、今回も狙いとしては前線や2列目に前を向かせるパスサッカーということで手法は違うのかもしれませんが、最終的な目的は同じサッカーとなっているのかもしれません。


 ジェフとしては、その大分の王道なパスワークに対し、ハイプレスを仕掛けられることが出来るのか。
 栃木戦でも8-0での大勝ではありましたが、ハイプレスで打開したといった展開ではなかったですし、ここ最近のジェフはハイプレスがはまり切っていない印象があります。
 相手にプレスをかわされることも増えていますし、まずはそこが注目ではないでしょうか。

 また、守備面の課題としては、そのプレスを交わされた時の対応があげられると思います。
 連戦中は鈴木大輔などを中心に、最終ラインが粘りの守備を見せ失点を減らすことができましたが、DFだけで対応するのも限界があると思います。
 徳島戦も無失点だったとはいえ、相手にPKを与え決定機も作られていますし、最終ラインだけではなく全体でバランスの良く守ることが求められるのではないでしょうか。


 攻撃に関しては、品田が加わったことで縦パスが増えてきたことは好材料なのかもしれません。
 しかし、全体的なビルドアップで言えば、うまく中央を突けずサイドやロングボールに逃げてしまう印象も強いですし、連動したパスワークとまではいっていない印象です。
 前節徳島戦では田口も途中出場で復帰しましたし、品田と田口をいかにうまく起用するかが、ビルドアップ改善のカギとなるでしょうか。

 現在、栃木、徳島と連勝中ではありますが、相手の内容ももう一つだったと思います。
 ジェフとしてはホームゲームということにもなりますし、大分を相手にしっかりとした戦いが出来るか注目ではないかと思います。

椿直起の2試合連続ゴールで1-0で勝利した徳島戦

 連戦最終戦の徳島戦は、1-0でジェフの勝利。
 貴重なゴールを上げたのが、左SHでスタメン出場している椿でした。

 ゴールは中盤の右から、高橋がアーリークロス。
 距離のあるクロスでしたが、これがファーの椿まで届く良いボールでした。
 これを椿がダイレクトで合わせて、見事なシュートを放ち、ゴールを上げています。

 徳島の守備も試合序盤は非常に怪しく、特に右SBエウシーニョ後方にスペースが生まれがちで、そこを突いていくつかチャンスを作っています。

 このシーンでも高橋がアーリークロスを上げた瞬間に、エウシーニョのポジション取りが中途半端でDFラインより前へ出ていたため、後方にスペースが出来ていたことがわかります。
 そこをよく高橋が見ていたとも言えますが、ゴールシーン以外でもエウシーニョの裏を狙う攻撃が多く、チームとしてそこを狙っていたのでしょう。
 だからこそ、高橋も中盤で受けてすぐに、アーリークロスという選択を選んだのではないかと思われます。


 とはいえ、その高橋のクロス精度も良く、椿もシュートを見事に抑えて決めています。
 落下する直後のクロスに合わせて決めたもので、少し戻りながらの体制だったことも含めて、難しいボールだったと思います。
 椿のテクニックが光ったシーンでした。

 水戸時代や北九州時代にも感じましたが、椿は意外とアシストよりもゴールのイメージが強いですね。
 精度の高いクロスや周りを活かすラストパスを出すというよりも、自らゴールに向かってプレーすることが多い印象です。
 今回もそういったゴールに向かうセンスが出たシーンなのかもしれません。


 一方で今季椿の出場が増えているのは、Youtubeでも説明しましたが、攻撃時に2インサイドになって、左右SHはサイドに開いてほしいという意図があるからではないかと思います。
 ドゥドゥだと中央に入りたがるプレーが多く、中央が混線しがちという発想もあったのかもしれません。

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 実際、椿は中盤ではサイドに開いていることが多く、栃木戦でもワイドな位置で裏を取っていきました。
 そこからゴールを狙うプレーも出来ることは心強いですが、一方でワイドなアタッカーということであれば、もう少しチャンスメイクの部分でも数字が欲しいところなのかもしれません。


 また、徳島戦では序盤こそジェフが相手の裏を取ってチャンスを作っていきましたが、前半中盤以降は相手の方が盛り返して、守備の時間が増えていってしまいました。
 そうなると、椿の守備力やサイズの問題も気になってしまう時もありますね。
 ただ、そこはチームとして劣勢に立たされたという問題も大きいでしょう。

 実際、SPORTERIAによると、ゴール期待値は徳島が1.29でジェフが0.65と、ほぼ倍の差が開いています。

sporteria.jp

 徳島の決定力に救われ、逆にジェフは椿の決定力で勝てた試合という捉え方も出来ると思います。
 椿自身、調子も良いのではないかと思いますし、よりプレーのバリエーションを増やして成長していってほしいですね。