早くも2007年度の日本代表の活動は、この試合で終了となるそうです。
今年は色々と観ている方も悩まさせる1年でした。
アジアカップでエキストラキッカーを3人並べた戦術は、未だに私には解りません。
わからないといっても、その戦術の狙いがどこにあるのか理解できないとかいうはなしではありません。
なぜ、オシム監督がその戦術を選んだのかが解らないということです。
アジアカップでの戦い方は、明らかに今までのオシム監督のサッカーとは違うものだったと思います。
岡田監督も「あのメンバーなら2列目から選手が飛び出さないのは当たり前で、オシム監督もそれはわかった上でやったはず(だから飛び出す動きがないことを叩くのはおかしい)」と言ってましたが、その通りだと思います。
けれど、それを理解した上でなぜその飛び出すプレイが少ないサッカーを選択したのかが、わからないわけです。
周囲からのプレッシャーのせいで、まずは結果が欲しかったのか。
(先日も海外のメディアに、「いつもジャーナリストがつきまとっている」と嘆いていたし。)
課題である「退いた相手に対しての得点」を目的に、一発の期待できるスペシャルな選手を増やしたのか。
(解決には繋がらなかったけど。)
暑さ対策として、まずはポゼッションを目差したのか。
(でも、ジェフでも夏場の試合に“走るサッカー”では苦戦したけど、そんなこと一切しなかったんだけどな…。)
もしかしたら1つの理由でもないかもしれませんし、他にも色んな考え方があると思います。
しかし、個人的にはどうにも疑問符の付く選択でした。
これでいいのかな…と。
しかし、アジアカップ後のオシム監督の選択は、変わってきています。
あまり話題にはなっていませんが、アジア杯後、オシム監督はエキストラキッカーを2枚に戻してきました。
欧州遠征では稲本と啓太をボランチにして、俊輔と遠藤を起用し憲剛はベンチに。
スイス戦での松井はエキストラキッカーというより、アタッカーとして起用したのではないかと思いますし。
カメルーン戦でもボランチに阿部と啓太を起用して、遠藤と大久保をその前に並べました。
この試合では、エキストラキッカーは遠藤だったと考えていいはずです。
(ただしコンディションなどの問題でフルメンバーを呼べず、テストの意味合いが大きい試合でしたが)。
阿部や稲本をボランチとして啓太と併用することによって、エキストラキッカーを3枚並べる際の一番の不安材料である中盤での守備と運動量は、だいぶ解消されることになると思います。
これは今後の日本代表を占なう上でも、非常に大きなポイントだと思います。
しかし、その分中盤でのゲームメイカーやパスを供給する選手はいなくなってしまいます。
このあたりが戦術的に見る日本代表の課題になってくるのかもしれませんね。
結局は、どれかを取ればどれかを失う状況なのかもしれません。
それこそが、オシム監督が良く言っている「個の能力の問題」なのかもしれませんが。
そういった場合にどこに落とし所をもっていくのか。
それを判断する中でもっとも重要になるのが、チームの方向性ということでしょう。
今回のエジプト戦でもチームの方向性がどこに進んでいるのかを、しっかり見ていきたいと思います。
海外組はいませんし、相手もどれだけ動けるのかわかりません。
そんな状況ですから、結果よりも今後に繋がる試合を見せて欲しいと思います。