完敗でしたね。90分通して見てしまうと。
シーズン前半の苦しんでいた時以上に、失望感を感じました。
前半はさほど悪くなかったんですけどね。
しっかりした守備から入り、ボールも支配できていました。
ただし、攻撃は相変わらずサイドチェンジが遅く、ビルドアップが“各駅停車”でしたけどね。
下村や大輔の不在が、そのあたりに大きく影響を及ぼしているようです。
特にボランチですね。
工藤の出来が悪いわけではないのですが、工藤の上がるタイミングが早すぎて、ビルドアップ時のボランチが勇人1人になってしまいます。
工藤がもう少しビルドアップに参加するか、羽生に下がってきて欲しかった。
羽生は「周りを活かすプレーを代表で学んできた」と言っていて、9月15日の神戸戦ではそういったプレーが出来ていたのに、それ以後は逆に活かされるプレーがまた増えてきてしまったんですよね…。
それと、攻守の切り替えが遅いことも気になりましたね。
前半の名古屋はさほど攻めてこなかったのでなんとかなっていましたが、後半その攻守の切り替えでやられてしまいました。
一失点目は、こちらが攻めた後の典型的なカウンターでした。
ジェフがチャンスを作るも得点が決まらずジェフの選手が天を仰いでいるうちに(この時に嫌な予感がしたんだよね…)、GKの楢崎が素早くサイドにボールを出しそこからの流れで綺麗にやられてしまいました。
二失点目も同じようにカウンターで、こちらの人数が足らないうちに失点…。
こちらがやりたいサッカーを名古屋にやられてしまった感じです。
まぁ、それでもこの2失点は水本が負傷してしまったということが大きかったんだと思います。
それよりも問題なのは攻撃面ですね。
前にも言ったようにジェフの攻撃の基本はサイドアタック。
1 山岸のサイドで人数をかけてボールキープ
2 山岸のサイドで突破できなければ素早く逆サイドへ
3 相手の人数が少なくなっている水野のサイドで一対一の突破
これが基本なのですが、最近はなかなかそのサイドアタックが上手くいきません。
1つは先ほども言ったように2の素早いサイドチェンジが出来ないことなのですが、もう1つ単純な理由で上手くいっていないんじゃないかと思います。
(この試合では局面だけだったけども)今期からサイドに2枚敷くチームが増えているので、例えサイドチェンジを上手くやっても逆サイドがさほど薄くなっていないことが多いんですよね。
水野の特徴はなんと言ってもサイドの一対一での仕掛けなのですが、相手が複数人いると困ってしまいます。
山岸みたいにボールを短く繋いで複数の選手でチャンスを作るのは得意ではないのです。
基本的に水野はオフザボールの動きは下手な選手ですから、スペースを作る動きだとか、裏へ飛び出す動きとかは、まだまだ課題が残ります。
加えてレイナウドにせよ新居にせよ(巻もですが)、基本的にはサイドでのチャンスメイクには参加しないで中で待っている選手。
まぁ、確かに2人とも中央でのプレーに持ち味があるのは確かなのですが、でもだからといって中央でいくつもチャンスを作れているわけでもない。
J1の選手達はボランチもDFもフィジカルが強くなってきていますので、2人ともつぶされちゃうことが多いわけです。
まぁ、それでも絶好調の時の水野は相手が2人いてもある程度チャンスメイクができていたのですが、ここ数試合は残念な結果に終っています。
特に昨日はスローインなんかを見ても、気が抜けているのがモチベーションが下がっているのか、試合に集中できていないように感じました。
それでも、最近は悪い時でも悪いなりに守備には戻るようになってきたので、そこは進歩したところなのかもしれませんが…。
ということで、相手がサイドに2枚いるときの対応。
これは守備面でもそうなのですが、来年の大きな課題になりそうですね。
ジェフも4バックにすべきなのか…。でも4バックにするには、センターバックもサイドバックも物足りないような気もするしなぁ…。
注目の2人。レイナウドはよかったですね。
守備にも思ったよりは頑張って戻っていたし、運動量の面でも頑張っていました。
でも、肝心のチャンスが作れてなかったですけど。
守備だけなら意外と新居より上なんじゃないでしょうか。効果的にやれているという意味では。
「危ないな」と思う嗅覚みたいなものはあるようだし、意外と守備センスはあるんじゃないかと感じました。
でも、戻るなら最後まで戻るか、上手く後ろに受け渡してくれ(笑)
ジョレは、もう1つの弱点が見えてしまいましたね。
弱点って程じゃないかもしれませんけど。
予想通りではあったんですけど、もともと右サイドが本職なので右ストッパーしか出来ない(やらない)ようですね。
そのため、ジョレが杉本に水本がヨンセンに、というちょっとちぐはぐしたマークのつき方になっていました。
それでも、水本はヨンセンに何回か勝っていたし、ジョレも頑張っていたからこの試合では大きなもんだになりませんでしたけど。
でも、サイドチェンジの時やDFラインの押し上げの時の連係などは、相変わらずでした。
それでも、何とか来季に向けて目処は立った気がしますが…。
ギリギリ間に合ったといった感じでしょうか。
最期にアマル監督のコメントを。
これはイビチャ・オシム監督もよく言っていましたね…。
前半は何とかもっていましたが、グランパスのほうが体が強いこともあるし、ウチの何人かの選手は体力も落ちました。
現実を見ると、羽生、工藤、勇人が中盤三枚ではつらいということでしょうか。
水野と本田のところもきつそうでしたけどね。
だいぶアマル監督が素直になってきましたね(笑)
一番申し訳ないのは、観客の皆さんに対してです。シーズンを通して全力で応援していただいたのに、本当に申し訳ないと思っています。選手たちも全力で戦いました。ただ、持っているものを出し切っても結果が出ないのには理由があります。そこにはやはり、何人か試合を決定づける選手が足りないのかもしれません。
いや、最終戦だからこそ、素直だったのかな。
とにかく、厳しいシーズンではあったけど、悩めるだけましというか「これくらいでいいや」と思っちゃうのが一番怖いと思うので、前向きに色々妄想を膨らましながら来シーズンを待ちたいですね(笑)
いや、その前にストーブリーグか。
今年はたぶんそこまで厳しいオフにならないと思うんで、出来ればいい補強をしたいですね。
でも、13位だから分配金もないし、資金的な割り増しは少ないかもしれませんが。
割り増しがなければ、補強も出来ませんからねぇ。うーむ。