先日のコートジボワール戦では、大久保と玉田、松井や長谷部、駒野まで含めてドリブラータイプの選手が多数出場。
昨日のパラグアイ戦では、俊輔、憲剛、阿部、巻(ポストプレーヤー)とパサータイプが多く起用されました。
パサーとしてもドリブラーとしてもプレーできる山瀬も、パラグアイ戦ではパス出しの役目が多かったと思います(岡田監督としてはドリブラー、あるいはアタッカーとして期待していたのかもしれないけど…)。
ドリブラータイプばかりだとボールが落ち着かないし、パサータイプばかりだと仕掛ける選手がいなくて攻撃に手詰まり感が出てしまう…。
一つの実験としては面白かったですね(笑)
しかし、こうも2試合で起用選手のタイプが違うと、チームビルディングにおいてどういった狙いがあるのか単純にわかりにくいですね。
最終的にはパラグアイ戦後半で見せたようなドリブラータイプとパサータイプの人数を、同じくらいの割合で起用することになるのでしょうか?
けれど、それだとパラグアイ戦の前半などには何の意味があったのだろう?ということになってしまいますが…。
さて、パラグアイ戦でキーになったのは、やはり俊輔の使い方ですね。
一番気になったのは、右サイドバックにアップダウンできる選手を置かなかったこと。
それにより前半は俊輔へのフォローが足らず、俊輔のところで囲まれてしまっていました。
オシム監督が語った“俊輔システム”によれば、俊輔を活かすためには「運動量豊富なボランチ(啓太)」、「エキストラキッカー(遠藤)」、「後ろでパスを出す選手(憲剛)」と「サイドを駆け上がる選手」が必要とのことなのですが、最後の1人だけこの試合では欠けていたと思います。
後半、たぶん岡田監督の指示で阿部が(中央に入っていくのではなく)サイドを積極的にオーバーラップをするようになりましたが、できれば前半からそういった指示を出すか阿部自身が考えてもっと高い位置でフォローすべきではなかったかと思います。
まぁ、でも本職ではないだけにあまり多くは要求できないと思うけど(でもなぁ…「相手が退いたらどのポジションでも前進せよ!」がオシムの指導だったはずなんだけど)。
けど、それならTBSの解説でも言っていたけど、阿部と長友を変えるというのが(あのスタメンなら)一番の良策だと思うんですけどね。
阿部の左サイドバックは浦和なんかでもあったわけだし。
個人的には松井と山瀬のポジション以上に気なってしまいました。
それともう1つのポイントは、相手の守備の素晴らしさ。
これぞパラグアイ代表のサッカー、というものを見せてもらえたと思います。
好き嫌いは別として、勉強になりました。
特に完全にリトリートする形から、こちらのボランチを前に向かせない守備というのは、敵ながら素晴らしいものがありました。
相手の狙い通り、この試合では唯一のビルドアップ役だった憲剛が見事につぶされてしまいました。
これによって、日本はDFラインからのロングフィードでビルドアップをのですが、この精度があまり良くなかった。
寺田は仕方ないにせよ、闘莉王はもう少しいいパスが出せると思ったんですけどね…。
闘莉王のロングキックも波があるように感じます。
まぁ、過密日程をこなしていることは、差し引いて考えてあげなければいけないけれど。
ともかく、テストの意味合いが強かったと思われるこの試合。
一番重要なのは、アジア3次予選に向けて最終的にどのようにチームをまとめるかということになるのでしょう。
幸いにして海外組のコンディションはいいようだし、「駒はいる」といった印象を受けます。
あとはいかにして勝つか、ですね。