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ミラー監督に対するスポーツ紙の傍若無人ぶり


千葉は今季公式戦6戦未勝利と出口が見えない。前節の川崎F戦から先発3人を入れ替える“カメレオン布陣”はピッチ上でも明らかに戸惑いが見られ、昇格組の山形にホーム初勝利を献上した。後半28分、ダイビングボレーを放ったFW巻は「メンバーが変わるのは、監督のスタイルなので僕らはプロだしやるしかない」と唇をかみしめた。布陣変更について問われたミラー監督は「戦術を話すつもりはない」と突っぱねる傍若無人ぶり。(スポニチ
 酷い言い方ですね。
 スポーツ紙とはいえ、こんな書き方をしていいとは思えない。
 昨年まではミラー監督を持ち上げる記事が多かったと思うのですが、ブーイングが出たから批判していいという傾向に変わったんですかね。
 日刊も「取材陣に八つ当たり」とか書いてますけどね。

ぼうじゃく‐ぶじん【傍若無人/旁若無人
《「傍(かたわ)らに人無きが若(ごと)し」の意》人のことなどまるで気にかけず、自分勝手に振る舞うこと。また、そのさま。「―な態度に腹が立つ」


 ミラー監督は自分勝手に戦術の話しをしなかったわけではない。
 何度も言っていますが、細かな戦術を明らかにしてしまうことで、ライバルに優位になってしまうことを嫌う。
 逆に言えば、チームのために少しでも不利になることを拒んだだけのこと。
 それを「傍若無人」と言うのは、違うでしょう。



 ちなみに、その会見でのコメントは以下の通り。


リーグ3節の川崎フロンターレ戦は中後選手と下村選手のダブルボランチでしたが、今日は組み合わせを変えました。その理由は?
「ダブルボランチというわけではない。アレックスが前にチャレンジにいって、ボールを取れるという形にしていた。試合のなかでしっかりとボールが取れていたと思う。申し訳ないが、あまり戦術の話をするつもりはない。今日は両チームともに4−4−2だった。
 もちろん、試合によって戦術が違う。相手もうちも4−4−2のシステムだった。今日、山形がやりたかったことは、サイドバックの裏のスペースを使ってクロスボールを入れるころ、その部分はしっかりと止めることができていた。うちは4−4−2にすることで、相手のサイドの攻撃と、クロスを上げるという攻撃を止めたていた。」(ジェフ公式サイト
 「あまり戦術の話しをするつもりはない」といっているけれど、実はしっかりと応えてくれている。
 それを戦術の話しが理解できるのかどうか、ジェフの戦術に興味があるのかどうかも怪しく、そもそも細かな戦術の話しなんてしても一切取り上げるつもりはないであろうスポニチさんに言われたくはないよ。
 むしろ自分勝手にそこだけ取り上げた記事を書くスポニチの方が、「傍若無人」なんじゃないでしょうか。


 たぶんサッカーの勉強をしていない記者からすれば、戦術は監督に教えてもらえて当たり前という認識があるんでしょう。
 確かに日本ではまだサッカーの戦術にかんする知識は一般的ではないところがある。
 だから、特に日本人監督などはフランクに話してくれる。
 それによって、サッカーを広めたい、記者に教えてあげたいというところがあるんじゃないでしょうか。
 けれど、欧州…特に西欧では戦術なんてある程度試合を見れば誰もがわかるものだと思っているなじゃないでしょうか。
 戦術の評価や試合分析は、マスコミの仕事でしょうと。
 だからミラー監督はもちろんだけど、フィンケ監督だってそういった話しになると記者とやりあっていることが多い。
 オシム監督とマスコミのやりあいを騒ぎ立てた人たちも多かったけど、こちらの方が普通なのでしょう。
 日本のマスコミはいつまで経っても成長せず、プロになりきれていないということではないでしょうか。




 ともかく、サポーターとしては、こんな質の低い記事に乗せられないことが重要だと思います。
 どちらに考えるにしても、冷静に現状を分析しなくてはいけないでしょう。
 確かに結果は出ていないのだから、チームの状況が良いとは言えないかも知れない。
 その一因に監督があるかないかといったら、もしかしたら一部はあるのかもしれません。 


 だけど、だからと言って、例えば監督に限らず特定の人物の人格批判の方向にまで行ったら、それは明らかに行き過ぎです。
 いくらチームを支えているサポーターだからと言っても、何でもかんでもやっていいというわけではない。
 批判をするにしても、限度を守った行動をしていかなければいけないでしょう。


 07年の失敗をきちんと反省できているのであれば、こんなこと今さら言うことでもないと思いますけどね。
 フロントにしろ、サポーターにしろ、重要なのは失敗を繰り返さないこと(誰かも言っていた気がしますね)。
 そのためにもときには過去を振り替えって、しっかりと反省し、その中から現状を分析していかなければならない。
 逆に言えばそれが出来ていないからこそ、同じ過ちを繰り返してしまうんじゃないでしょうか。