さて、明日から日本代表はキリンカップが始まります。
このまま6月17日のW杯予選オーストラリア戦まで、長期にわたって活動できることになります。
その間に期待したいのが、タイトル通り「ペナルティエリア脇のその先」です。
岡田監督は代表に就任してから、オシム監督のコピーに取り組むも諦め、接近・展開・連続も止め、逆カウンター狙いの意識も以前よりは弱くなり、現在はサイドの深い位置をえぐり相手SBとCBの間にあたるPA脇に選手を飛び込ませ、そこにグラウンダーのクロスをいれる狙いをやっているんだと思います。
しかし、そこにボールを入れられたとしても、その後にどうするかがまだ見えてこない。
PA脇はゴールへの角度がないエリアだし、相手もそこを研究してきて必ずマークが付くようになっています。
だからボールは受けられても、つぶされることの方が今のところは多いように感じます。
前を向けて初めて活きる選手達を非常に多く使っていますから、これだけではそこを狙うメリットはあまり見えてきません。
だから、そこをおとりにして中にクロスを上げるのか。
しかし、ゴール前には背の低い選手ばかり…。
ならば、いったんPA脇からどこかに戻してそこから展開するのか…。
そのあたりが重要ではないかと思います。
これが上手くいかなければ、ちびっ子だらけのFWの優位性も難しくなってくるんじゃないでしょうか。
身長が足りないから重箱の隅を狙うような作戦をとっているのでしょうが、その策が上手くいかなかったら次はどうするのかというのはまだ見えてきていないように思います。
セットプレーもいいキッカーはいるのですが今のところターゲット不足ですし、カウンターだけでどれだけやれるのか…というところで、PA脇狙いをやっているんでしょうし。
確かに日本が世界のサッカーをそのままコピーしても、勝てるとは思えません。
ただし、それがイコール「何でも良いから変わったことをやれば良いんだ」という単純な話しでもないはずです。
そこを勘違いしてはいけないでしょう。
「岡田監督が何か変わったことをやっている」からといって、手放しでそれを評価するわけにはいかないはずです。
重要なのは中身です。
私は今のところちびっ子FWを大量起用する優位性は、そこまで見えてきていないように思います。
もちろん、かといってすぐに岡田監督の手腕を疑問視するつもりでもありません。
しっかりとビルドアップの形は出来ているし、守備も安定している。
後方のベースは出来つつあると思っています。
ただ、それとちびっこFW陣が成功するかどうかは、また別問題じゃないでしょうか。
(ところで、ちびっこFW陣だけで来年まではやっていくとしてそれ以降は大丈夫なんですかね。身長の高いFWは国際舞台を踏めずに終わる可能性があるわけですが。五輪も年齢制限が下がるとなるとそこでレベルの高い国際舞台を踏ませるというのは難しそうですし…。)
というわけで、そのあたりの解をこの5試合で見れたらなぁと思うのです。
結果だとか明確な形ではなくても、最終的な目差すべき攻撃のパターンを。
W杯出場も決まっていないうちにそういうものを求めるのは酷だという考えもあるかもしれませんが、基本的には比較的楽なグループだったと思いますし、本番までも後1年しかないわけですからね…。
それにしても田中達也が不在で玉田が不調の状況で、寿人が呼ばれなかったのは意外でした。
ちびっこFWにこだわる理由は、足元の技術の正確さと機動力によってパスサッカーをするためだとおっしゃっていたはずですが、それなら1トップでポストもこなしている寿人はピッタリなんじゃないかと思ったのですが。
でも、メンバーを見ると実際にはドリブルの部分を期待している部分が大きいのかなぁ…。