当ブログはプロモーションを含みます

フクアリ継続も命名権料は4000万円ダウン


サッカーJリーグ2部(J2)に降格したジェフ千葉のホームスタジアム「フクダ電子アリーナ」(中央区)の命名権ネーミングライツ)料について、新年度は現状の1億円から6千万円に減額されることが8日、明らかになった。降格により観客数減少やメディアへの露出度低下が懸念されることから、スタジアムを所有する市とフクダ電子との間で協議が整った。近く協定書を変更する。
ネーミングライツとは、スポーツ施設などの名称にスポンサー企業の社名やブランド名を呼称として付与する権利。
医療電子機器を開発製造するフクダ電子(東京都文京区)は、2005年10月に市蘇我球技場命名権を取得。08〜10年度は年間1億円ずつを市に支払うことになっていた。
ただ、スタジアムの露出度が著しく低下するなどの事態が起きた場合は「別途、協議により変更が可能」ともしており、試合中継が激減するJ2降格の決定後、両者の協議が行われてきた。
新年度予算案を編成中の市にとっては追い打ちをかける減収だが、ジェフのJ1復帰が遠のけば、今後はスタジアム広告の占用・使用許可料への影響も懸念されるという。(千葉日報
 フクダ電子が契約を延長してくれたことは、素直にうれしい話しではあります。
 しかし、ジェフのファンにとっては名前が継続されたことが大きなトピックスではありますが、クラブ規模で考えるとむしろ注目すべきは命名権料が下がったことでしょう。


 千葉市の深刻な財政難は周知の通り。
 先日もマリンスタジアムの芝の張り替えの問題がニュースになっていましたが(費用は約5億円前後とか)、今の千葉市にはそれを支払えるだけの余裕もないということなのでしょう。



 ジェフの場合もこういった話しが出てくれば、千葉市への影響が出てくるはずです。
 現在の千葉市は支援に前向きであったとしても現在の情勢を考えれば市民や関係者の中に反対派もいるはずですし、その上にこういった話しが出てきてしまえばジェフ支援への向い風も強くなってくる可能性があります。
 こういったことは当然フクダ電子の社内、あるいは株主にも同じことが言えるのではないかと思いますが。


 言うまでもなく、だからといってフクダ電子の決定を批判するつもりはありません。
 現在の経済状況などを含めて考えれば仕方のないことだと思いますし、むしろ反省すべきはJ2にクラブを落としてしまったこと。
 その自覚をジェフ自身がしっかりと持たなければいけないんじゃないかと思います。


 こういったケースは少しずつ増えていくかもしれません。
 スポンサーの数はあまり変わらなくても、1つ1つの広告料は下がる可能性も十分にある。
 シーズンシートの販売も芳しくないようですし、“J2規模では金持ちクラブ”と言われているジェフですが、今年の予算は楽な物ではないでしょう。
 昨年の収入から下がることがあっても上がることはないと思いますから、むしろ09年規模の予算を本気で組んでいたとしたら、危惧すべき問題なのかもしれません。
(焦っていろんな特典をつけたりサポーターへの電話作戦をしているところを見ると、もしかしたらそこまでシーズンシートの売り上げが減るとは思っていなかったのかもしれませんね。)
 残った複数年契約の選手達の年俸は大きく変わらないのではないかとも思いますし、練習場移転の費用の問題などもあるわけですから。



 そう考えると、どれだけ有効に資金を活用できるか。
 例として出すのも心苦しいですが、大分さんのようなケースもあるわけですから、ピッチ上のことだけでなく資金の運用方法などに関してもしっかりと見ていかなければいけないのではないかと思います。
 そして、今まで以上にサポートしてくれる多くの人々を大切に思えるかどうか。
 サポーターだけでなく多くの人に支えられて今のジェフがあるわけですから、そのあたりのことも考えて自分達の価値を高めていかなければいけないはずです。



 なお、フクダ電子千葉市の当初の契約は、以下の通り。


2005年 3000万円
2006年 7000万円
2007年 7000万円〜9000万円
2008年 8000万円〜1億円
2009年 1億円〜1億2000万円
2010年 1億円〜1億2000万円
 千葉市公式サイトのキャッシュを見やすくしたものです。
 ちなみに、フクアリは05年途中に完成したので10月〜12月のものですね。


 これが08年からフクダ電子スクウェア込みで1億円となっていました。
 今回の件で2010年は6000万とのこと。
 もともと1億から1億2千万の命名権料を見込んでいた千葉市としては、大きな損失でしょう。
 

 しかし、J2のクラブが所有するスタジアムの命名権は安いことが多いことを考えれば、妥当な額でしょう。
 そもそも小規模なスタジアムとしては高めの契約料だったこともありますし…。


とりぎんバードスタジアム 300万円 3年契約(2008.04.01〜)
どらやきドラマチックパーク米子 315万円 3年5ヶ月契約 (2008.11.01〜)
正田醤油スタジアム 700万円 3年契約 (2008.06.01〜)
Kankoスタジアム 1000万円 5年契約(2009.03.01〜)
NDソフトスタジアム山形 1200万円 3年契約 (2007.04.01〜)
ケーズデンキスタジアム水戸 2100万円 5年半契約(2009.08.21〜)
ニンジニアスタジアム 2128万円 3年契約 (2008.03.01〜)
ナックファイブスタジアム大宮 3000万円 6年契約 (2007.05.14〜)
レベルファイブスタジアム 3150万円 3年契約 (2008.03.01〜)
ベストアメニティスタジアム 3150万円 3年契約 (2008.01.01〜)
ホームズスタジアム神戸 7000万円 3年契約 (2007.03.01〜)
ユアテックスタジアム仙台  7000万円 3年契約 (2006.03.01〜)
→契約条件はそのままで3年間の契約延長
九州石油ドーム     7000万円 3年契約 (2006.03.01〜)
→名称変更せず再契約  7350万円 1年契約 (2008.03.01〜)
ニッパツ三ツ沢球技場     8000万円 5年契約 (2008.03.01〜)
アウトソーシングスタジアム日本平 1年目4500万円 2年目以降9000万円 4年契約(2009.03.01〜)
フクダ電子アリーナ 4億5000万円〜5億3000万円(総額) 5年半契約 (2005.10.16〜)
フクダ電子スクエア込み  1億円(年間) 3年契約 (2008.04.01〜)
東北電力ビッグスワンスタジアム 1億2000万円 3年契約 (2007.03.11〜)
鳴門・大塚スポーツパーク 1億2500万円 5年契約 (2007.05.12〜)
ポカリスエットスタジアム含む)
味の素スタジアム    2億4000万円 5年契約 (2003.03.01〜)
→総額14億円、6年契約で契約更新(2008.03.01〜)
日産スタジアム     4億7000万円 5年契約 (2005.03.01〜)
 なお、日産スタジアムは1億5000万円で再契約の見通しも正式発表はまだないはず。
 九石ドームも今年の2月で命名権の契約が切れることになりますが、新たな契約先は見つかっていない状況です。
 一方でJ1残留に成功した山形は、命名権料800万円増で再募集をかけるとのこと。
 もともと契約料が低めだったこともあるのでしょうが、勝者と敗者の差がくっきりと分かれる展開になりつつあるのかもしれません。
(もちろん現在の不景気もあるし料金を上げて募集しても見つからなかった…なんて結果もあり得るのでしょうが。)



 フクアリの今後に関して一番心配なのは、やはり来年の頭に契約が切れることではないかと思います。
 無論、結果を出すこと、J1に復帰することが一番の近道ではあるのだけれど、世の中願えばかなうほど甘いものではありません。
 失敗した時のリスクマネジメントも含めて、計画を立てていかなければなります。
 今まで以上に関係各所と連携を深めること。
 そして、“魅力あるクラブ作り”に関して、もう一度しっかりと取り組むことが重要ではないかと思います。
 三木社長はサポコミで「強いチームを作ることが“魅力あるクラブ作り”にとって一番である」というような言い方をおっしゃっていましたが、私は一概にそうとは言いきれないのではないかとも思います。
 J2に降格してしまった以上、ピッチの上以外のことに関しても今までよりも難しい状況が待ち構えているのでしょうし、戦う舞台が変わったことによって再検討すべき部分も出てくるのかもしれません。
 しかし、自分達の問題を見直すという意味ではいい機会なのかもしれませんし、頑張ってほしいと思います。