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スタンダードな戦術と現在のジェフの課題と

 西部謙司さんがW杯出場国の映像を見直し、現在のサッカーのスタンダードをこちらのコラムで分析されています。
 まとめると、
1、4-4-2か4-5-1でフラットかダイヤ
2、長身FWを起用(アルゼンチンなどは例外)
3、サイドには1人突破力のある選手を使う
 これはW杯出場国だけでなく、クラブでも同じ傾向にあるとのことです。



 もちろん世界のスタンダードが正解とは限りませんし、そのチームにあったサッカーをすることが一番だとは思います。
 とはいえ、スタンダードな形にもそれなりに理由はあるのでしょうし、そう考えるとジェフが今オフにサイドアタッカーを獲得した理由もわからなくもないのかなと思います。
 実際問題として昨年のジェフもサイドハーフを2人ともパサータイプにすると、確かに攻撃が行き詰ってしまった感があったことも事実ですし。
 米倉がサイドライン際で相手と対峙すると、ちょっとどうしようもなくなっていましたしね。


 江尻監督の初陣となった磐田戦で行った左SHのアレックスを絞らせてタメて、右SHに深井を置いてサイドライン際でアップダウンさせる形には可能性を感じていました。
 ただ、それをしてしまうと中盤の構成力が足りずロングボールが増え、一番の目的であるパスサッカーが出来なくなる傾向にもあったのかな…とも思います。
 かといって4-5-1にするとポストプレーヤーが1人になる影響などもあって、ボランチから縦にスパッとくさびのパスが入る形が作りづらくなるという考えだったのではないでしょうか。
 トップ下に選手がいることで、そこにスペースがなくなるという問題もあったのではないかと思います。



 いろいろと考えていくと、どれも一長一短ではあると思います。
 しかし、重要なのはどの戦法も問題解決は簡単ではないかもしれないけれど、1つのスタイルを貫くことだと思います。
 昨年終盤の4-4-2ももっとSBを有効に使えれば打開策を作れたかもしれませんし、磐田戦などで見せた形ももう少し粘って継続すれば解決の糸口が見つかったかもしれません。
(例えば運動量を上げることで中盤の構成力をカバーするとか。だから当初は中後より下村ではないか…と私は思っていたのですが。)
 昨年の江尻監督は時間がなかったことなどもあって、明確な1つのスタイルを貫き通した感はなかったですし(江尻監督以前もでしたけど)、我慢してチームのスタイルを確立することが重要なのではないかと思います。


 今オフ、アタッカータイプの選手を積極的に補強したことを考えれば、まずは昨年は活かしきれなかったアタッカーを活かす形を作れるかどうかがポイントになると思います。
 その分、新居などを放出したということなのでしょうし。
(ただ、アレックスのSBで使うなら前にはサイドアタッカーなど置かず空けておいた方がいいような気もするのですけど。個人技で勝てるレベルの相手やスペースがある状況なら、あまり関係はないかもしれませんが。)
 昨年の江尻監督のコメントなどから具体的に推測すると、中央のパスワークで相手を引き付けて置いて、サイドアタッカーで仕掛ける展開が理想なのかなぁと。
 この形を貫いてしっかりと1つのスタイルを作ることが、開幕までに求められる最優先課題なのではないかと思います。