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W杯本番でチームをまとめあげることが出来るのか

 なんとも形容しがたい試合になってしまいました。
 0-2でコートジボワールに敗戦。
 なにはともあれ結果は残念。
 W杯直前の3戦で勝ちなしというのは、メンタルの部分でもチームの勢いなどを考えてもあまりよくない流れだと思います。



 前半は気温の問題もあるのか調整の関係か(試合直前に移動してきたという話もあるし)、日本代表選手は体が重そうに見えました。
 それもあって、イージーパスミスなども目立つ展開に。
 けれども、前半途中からは少しずつ体も動けるようになってきたのか、少しずつミスも少なくなっていったように思います。


 しかし、やはり攻撃があと一歩足りない。
 イングランド戦では4-1-4-1が相手との組み合わせもあって攻守に機能していた状況だったと思います。
 遠藤と長谷部が相手のボランチ2人を見てビルドアップを遅らせ、そのまま攻撃でも高い位置でプレーすることにより、そこから前へのパスを出せるシーンも作れていた。
 けれど、この試合では相手が1ボランチ気味でスタートしらこともあってか、日本は4-2-3-1に。
 しかし、それによって、カメルーンDFラインからトップ下、あるいはFWへの長いくさびのパスが通るようになってしまい、そこからチャンスを作られてしまったように感じました。
(阿部あたりはそのくさびが出た瞬間に激しく行こうとしていましたが、反転されてスッとかわされるシーンが多買ったと思います。このあたりの反転のスピードだとか足の長さなどはアフリカ人選手独特の特徴だと思うし、それを体感できたことは1つ有意義だったのかなと。ただ、出来れば試合中に対策を考えてほしかったところですが…。)


 それが攻撃の面でもうまく行かなかった理由の1つではないかと思います。
 前半オウンゴールから失点し、相手はボックスを作ってカウンター狙いという展開に。
 その結果、日本がボールを持つ時間帯は増えましたが、中盤で前を向いてもゴール前に1トップの岡崎だけ。
 あるいは岡崎と長谷部の2人だけという状況で、人数的にもサイズの面でも不足がちだったと思います。



 森本を入れた直後、玉田をウイングに1列下げたときに(その後終盤に2トップにしましたが)「なぜ?」と思ったのですが、もしかしたらなるべくフォーメーションを変えずに、ウイングからゴール前に飛びこませるテストをしたかったのかなぁ…と。
 前半に1度あった岡崎が落として本田がシュートを放つというシーンから見ても、あるいはイングランド戦の相手MFとDFの隙間にウイングが入っていく形を見ても、ウイングが中に入っていくことで1トップの薄さを補おうとしているのかなと感じます。
 だから岡田監督自身はイングランド戦のシステムを4-1-4-1ではなく、4-1-2-3と表現したのかもしれませんね。
 ただ、実際には相手SBの攻め上がりが怖いのか(大久保は守備で頑張っているからあれ以上望むのは可哀想だとも思うのですが)、ウイングが仲に入ってくる形は少なく。
 それをやるのなら、元ジェフのあの選手がいるじゃないとか思ったのは内緒ですけれども…(笑)



 それとサイドを深くえぐる形が、試合終盤しか作れていなかったですね。
 後半頭から出場した俊輔が(ゴール前ではな)中盤に絞ることによって、SBの上がるスペースを作る。
 そして中盤に人数が増えてパスがつなげる。
 そのあたりの周りを活かそうという動きはさすがで、可能性を感じた部分もあるのだけれど、SBとの連携はもう1一歩だったかなと。
 それとやはり俊輔の一番の武器であるクロスを活かすのであれば、高さのあるFWがほしかったのかなぁと。
 その第一候補だと思われる選手がJ2でくすぶっているわけですから、仕方のないことなのでしょうけど…(いや、彼本人のコンディションは別に変っていないと思うのですけどね)。


 思ったよりもコンディションは良いように見えた俊輔ですけど、試合勘などはもう1つなのかもしれませんね。
 練習試合には出ていたそうですが、公式戦のスピードはまた別物ですし。
 後半から多くの選手を試したのも、試合勘を取り戻すという理由があったのではないでしょうか。




 試合を総じて見ると、収穫が全くなかったわけではないと思います。
 森本は途中出場から期待できそうだし、俊輔、稲本なども試すことが出来た。
 俊輔は憲剛との相性が良さそうという点も再確認できたのではないでしょうか。


 多くの選手を起用した点からも、テスト的な意味合いの強い試合だったのではないかと思います。
 だから3本目も実施したのではないかと思いますし。
 今さらテストかよと思いますが、一方でここで全てを出し切るというのもまた違うのかなと。
 岡田監督は横浜FM時代を思い返しても、どちらかと言えばいろんな策を仕掛けていくタイプではないか思いますし(それが成功するかどうかは別として)、隠しておきたい部分もあるのかもしれません。



 ただ、それにしても、そのテストとなった試合で攻撃がもう一歩だったことが非常に残念ですね。
 前半はボールを持てても攻撃が単調で変化を付けられない時間帯が多かったと思うのですが、俊輔の入った後半はその点で向上した部分があったと思います。
 俊輔自身は弊害も多い選手かもしれないけれど、他で変化を期待できない限りは(遠藤はビルドアップの仕事があるし)俊輔に期待するしかないのかなと。
 あとは、俊輔が中央に絞って作るスペースに内田が入って、縦にしかける。
 これによって俊輔の不足部分であるスピードと縦への突破を補う形。
 これが岡田監督が当初思い描いていた形だと思いますし、そこが理想形なのかなと思うのですが。


 これまでにそれ以外の確固たる攻撃パターンを作れなかったことは、本当に残念ですけどね。
 やはり攻撃の組み合わせも中盤の形も、もう少し昨年までの間にいろんなものを試してほしかったかなと。
 例えばアンカーだって「長谷部と遠藤で守備は大丈夫なの?」という疑問はやり始めた当初からあったわけで、どうしても今さら感を感じてしまいます。
 そして、俊輔がいない状況での攻撃もここまであまり試さずやってきたわけで…。
(まぁ、まさか俊輔がここまでコンディションを落とすとは、思ってもみなかったのかもしれませんが。)



 まぁ、とはいえそのあたりは今言っても仕方のないこと。
 俊輔と内田の攻撃に期待するとなれば、次に心配なのは内田のコンディションですね。
 3本目には出場したそうですが、はたしてどこまで調子を上げてきているのか。
 ここまであまり話題にも出てきていなかっただけに、非常に気になるポイントだと思います。


 もしかしたら、あえて隠している…なんてこともありえるのでしょうか?
 だとしたら、まだ期待できる部分もあるのかななんて思ったりもします。
 コートジボワール戦でも終盤にサイドをえぐった展開からは、チャンスになっていたわけですし。



 俊輔にしろ、内田にしろ、あるいは森本にしろスタメンで出場するかどうかはわかりませんけれども、コンディションさえよければ良さはしっかりと持っているはずで。
 あとはそれらをうまくまとめ上げられるのかどうか。
 コートジボワール戦でチームをまとめる意識はほとんど感じられませんでしたし、この試合が良い試合だったと言えるかどうかは、W杯本番となるカメルーン戦で上手くチームをまとめあげられるかどうかにかかっているのではないでしょうか。