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山形に完勝した長谷部監督の水戸とホーム開幕戦

 開幕戦で東京Vに1-2で敗れたジェフですが、早々に退場者を出してしまったこともあって、どこか消化不良なところもあったように思います。
 今週末はホーム開幕戦でもありますし、仕切り直しといきたいところ。
 第2節ではジェフでも指揮を執った、長谷部監督率いる水戸と対戦します。


 今年の水戸は、橋本、内田といった中盤のゲームメーカーが退団。
 加えて林、前田の2トップも退団となっただけでなく、湯澤、佐藤和、今瀬、笠原と多くの主力選手が移籍してしまいました。
 一方で補強に関しては、実績の少ない選手が中心といった印象です。



 それだけに今季を不安視する声も少なくなかったのですが、開幕戦となった山形戦では素晴らしい試合内容で完勝を遂げています。
 目立つのは186cmのブラジル人FWジェフェルソン・バイアーノで、胸板が厚くラガーマンのような体格をしています。
 胴回りが太いため相手DFを押し込めるだけでなく、スピードや足元の技術もあって、前を向いて仕掛けられるタイプだと思います。


 まだ22歳とは思えない風格を持った選手で、この選手を中心に2列目の選手たちも飛び出していく。
 後方からのロングボールに対しては、対面した山形CB栗山も徐々に慣れていき競り勝つようになっていきましたが、それでも馬力のあるドリブルで迫力あるプレーを見せていました。
 今季のJ2の中でも、注目選手の1人となっていくのでしょうか。



 しかし、水戸の攻撃はジェファルソンだけでなく、2トップを組んだ岸本にも注目だと思います。
 C大阪からレンタルで加入した20歳の選手で、非常にスピードがあって、細かなタッチでボールを扱える選手。
 パワーのあるジェファルソンとスピードのある岸本のコンビは、バランスも良いように思います。


 2人を目がけたロングボールもありましたが、基本的には中盤から素早くパスを繋いでいくサッカーで、縦にパスを繋ぐと必ず後方やサイドの選手が縦に走り込んでいく。
 そこにワンタッチで繋いでいき相手陣内に侵入していく展開が綺麗に作れており、決して2トップ頼りではない組織的な攻撃が作れていました。
 選手たちも試合前に「攻撃に手ごたえを感じている」と話していたようで、長谷部監督は見事なパスワークを植え付けられたようですね。



 また、守備に関しても、組織的なプレッシングを実施。
 ジェファルソンはあまり守備面で貢献できるタイプではないですが、その分岸本が走り回ってファーストディフェンダーになる。
 攻撃時は4-4-2でしたが、守備時は岸本が下がる4-4-1-1になることが多かったと思います。


 その岸本がパスコースを限定して、相手が縦パスを繋いだところで、中盤の選手たちが一気に囲いに行く。
 この時の囲い込みが非常にスムーズで、連動した守備が印象的でした。
 長谷部監督らしく細かなポジショニングによって組織的に守る形が出来ていた印象で、主力選手が残ったDFラインの選手たちも体を張って守っていました。



 開幕戦では攻守の切り替えも早く、最後まで運動量も落ちずに3-0で勝利。
 試合早々にCKをニアですらしてファーでジェファルソンが押し込み、2点目は裏へ岸本が走り込んで逆サイドの黒川が2点目を決め、55分にはジェファルソンがPKを決めてこの日2点目をゲットしています。
 試合内容で言えばスコア以上に、水戸優勢で試合が進んだ展開だったと思います。


 一報の木山監督率いる山形は、90分を通していいところなしといった内容でした。
 水戸のプレスをかわすビルドアップも作れず、パスミスや連携ミスも目立って、終盤はロングボールを蹴り込むもほぼノーチャンス。
 守備でも前からプレスに行けずに、水戸のパスワークを潰せず、2トップにも手を焼いていました。



 この時期なので、コンディションの差が大きく出た試合だったのかもしれません。
 特に山形の場合は降雪の影響もあり本拠地での練習が出来ず、市原でキャンプを行っていましたので、調整に苦労したということでしょうか。
 ただ、それにしても、水戸に良いようにやられ過ぎていた印象でした。


 ジェフとしては相手のプレスにハマらないように、ジェフェルソンのところからパスを展開して、ボールを回したいところではないでしょうか。
 また、岸本が疲れるとそこから攻め込みやすい状況になりそうなので、そこが狙い目なのかもしれません。
 水戸の選手たちは開幕戦では大きく足を止めずに戦い続けていましたが、アウェイのフクアリでどれだけスタミナが持つのかも注目ではないかと思います。



 開幕戦でジェフと対戦した東京Vは比較的パスを繋いできてくれたので、プレスをかけやすかったところもあったと思います。
 水戸も山形戦ではパスワークから相手を崩してきましたが、ロングボールも織り交ぜていましたので、ジェフ戦ではプレス対策として2トップを目がけたボールが増える可能性もあるでしょう。
 出場が予想される近藤や鳥海などによる、水戸の2トップへの対応も見どころとなるのではないでしょうか。


 公式戦ではないものの、ちばぎんカップも含めてジェフは複数失点が続いていることになります。
 特に簡単にやられてしまう"安い失点"が目立っている印象で、柏戦でも東京V戦でも後半キックオフ直後とジェフ得点直後にやられています。
 ハイプレスハイラインで攻撃的なサッカーをやっているから仕方がない…と失点慣れしてしまっては、上位争いは厳しくなると思いますので、守備への意識を高めていく必要があるのではないかと思います。



 東京V戦では長時間10人での戦いになってしまったため、どうしても苦しいところはあったと思います。
 ただ、それを差し引いても課題はあったと思いますし、それをしっかりと乗り越えられるか。
 審判への意見も多かったようですが、あまり周りが言い訳ばかりを作ってしまうのも、チームにとってどうなのかと思います。


 水戸は元ジェフの長谷部監督が就任したということで、綿密なジェフ対策をしてくるかもしれません。
 ただ、山形戦を見る限り相手など関係なく、確実に良いチームを作ってきているように思いますので、その相手にジェフがどこまで戦えるのか。
 ホーム開幕戦ですし、長谷部監督にとっても古巣フクアリでの試合ということで、お互いに良い試合になるといいですね。