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溝渕、鳥海のプレーと80分で交代した乾

溝渕雄志「2失点目、3失点目を防ぐために、僕が出ていると理解している。すごく申し訳ないというか、貢献できなかったことは悔いがある。ただ、細かく見れば、対人やカバーリングは良くなっていると感じている。ただもっと精度を上げられるだろうし、ラインコントロールも(DF)4人の問題もあるだろうし、もっとできないといけない。」

 松本戦後の溝渕のコメントです。



 昨日も話した通り、2失点目の石原への対応などは溝渕にも問題があったのではないかと思います。
 ただ、溝渕自身に関してはプロ入りから1年半が経過して身体も逞しくなってきたようにも感じますし、カバーリングなども安定してきている印象があります。
 もともと172cmにしては空中戦に強い印象がありましたが、地上戦に関しても徐々に強さを出せてきているのではないでしょうか。


 また、鳥海もプレー内容は安定していると思います。
 開幕戦で急遽出場した時からクレバーな選手といった印象を受けましたが、公式戦に慣れてきたことによって、より落ち着いてプレーできるようになってきたのではないでしょうか。
 さすがに右SBで出場した讃岐戦などは攻守にうまくいっていなかったですが、CBでは今後に期待できるプレー内容になっていると思います。



 一方で乾に関してはかなり苦労している印象で、松本戦でも何度も裏を取られ、ゴール前で永井にボールを奪われる場面があるなど、集中力を欠いたプレーも見られました。
 DAZNのピッチレポーターによると疲れていたように見えたとのことですが、個人的には精神的に来ているところもあったのではないかとも感じました。
 乾に関しては、今後が心配になるところがありますね。



 乾は長期離脱から復帰して早々に高木も柏に移籍して、左SBで出場機会を得られることになりました。
 しかし、現在の左SBは守備面で、非常に難しい状況に立たされている印象です。
 前方の為田などは守備に戻ってこないため1対2の数的不利になることが多い上に、裏のスペースもケアしなければいけない。


 もともと守備的な選手ではない乾にとっては、守備に翻弄されて持ち味の攻撃面での特徴も出せず、かなり苦しい状況となっているのでしょう。
 守備時に1人で2人を見なければいけないようなタスクを、まだ22歳で大怪我から復帰した直後の選手に任せるのはどうなのか…と見ていて心苦しくすら感じてしまいます。
 やはりここまでは為田などが活躍できたのも、攻守に計算できる高木の存在が大きかった印象です。



 エスナイデル監督も高木が退団して乾が左SBでプレーし始めたためなのか、茶島のSBを止めて鳥海や溝渕、真希などより守備的な右SBを起用して、左右でバランスを取ろうとしているのかもしれません。
 それまでは茶島を前に出ていくと、高木がバランスを考えて低い位置に構えていた印象もありました。
 今度は左右でその逆を考えているということでしょうか。


 ただ、それでも左SHに守備の出来ない選手を置くことには変わりないため、左サイドはSHもSBも守備の不安がある状況に。
 そして、結果的により後方の乾が、割を食う状況となっているように思います。
 言うなれば高木は左右においても上下においてもバランスを取っていたわけで、やはり高木が退団した影響は少なくない印象です。

 

 松本戦のDFラインは溝渕、鳥海、近藤、乾など、近藤以外は経験の浅い選手たちで構成されていたことになります。
 しかし、一方で2列目の選手たちは為田にせよ清武にせよ、守備に戻ることが少ない。
 結果的に中堅選手たちが自由にプレーして若手がその尻拭いをしているわけですから、それではなかなか選手もチームも育っていかないと思います。


 もちろん攻め残ってカウンターという発想もあるでしょうし、チームとしてそういった考えなのかもしれません。
 しかし、松本は前田大然や永井、中美なども後方まで戻って守備をし、そこからカウンターを成功させていたことを考えると、やはり言い訳にはならないと思います。
 失点が多いことがチームとしても大きな問題になっているわけですからそれを改善するつもりがあるのであれば、2列目の守備をどうにかしないことには始まらないのではないかと私は思います。


 その中で後方の若い選手たちは、厳しい状況なりに頑張っているのではないでしょうか。
 なかなか守備の基本を学べるような状況ではないように思いますが、なんとか今は我慢して成長の糧にしてほしいですね。