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大分の引き出すパスサッカーに敗れ2-4で完敗

 山形には快勝したジェフですが、大分には力の差を見せつけられてしまいました。
 例年この時期は涼しくなってくるものの、陽が出ると暑くなって体力を消耗する試合になることも多いですね。
 それによって前節ほど選手たちが走れなかったというのが、1つの敗因ではないかと思います。


 ただ、それ以上にジェフのプレスが大分のパスサッカーを止められなかったことと、スペースを消された後に崩す術を持っていなかったということが、この試合においてのポイントではないでしょうか。
 特に大分の3得点目などは見事で、試合前にも話した通り、後方で繋いで相手を引き出しておいて、縦に展開し前線のワンタッチを使って崩す…という狙い通りの攻撃だったと思います。
 狙い通りの得点パターンを自発的に作れるチームというのはやはり強いですし、一方でジェフはそれが大きく欠けた試合だったと思います。
 やはり山形戦は相手が前に出てきてくれたことが、大きかったということなのではないでしょうか。
■ミスもあって前半から点の取り合いに
 2連勝中のジェフは前節と同じ11人。
 前節同様に4-1-2-3でのスタートに。
 珍しくベンチも含めて、同じメンバーとなりました。


 大分は前節スタメンだった馬場と小手川がメンバー外で、國分と三平がスタメンでシャドーに。
 伊佐もベンチに回り、藤本が1トップに入りました。
 また、勝ち試合のクローザーとして定着しつつあった岡野は、ジェフからレンタル中で契約のため出場できません。



 キックオフから30秒で、ジェフがミスから失点。
 大分後方からのクリアボールに対して、大野が一度前に出て下がりながら対応しようとしますが、対処が遅れて三平に足を延ばされてゴール。
 大野のイージーミスとはなりますが、コーチングなども足りていたのでしょうか。


 しかし、10分には大分のミス絡みで同点ゴール。
 福森が縦へと繋ごうとしたところを町田が引っかけ、こぼれたところをGK高木が拾おうとしますが、指宿がカットして町田がミドルシュート
 これが前に出ていたGK高木の横を抜けて1-1に。



 16分、今度は大分の勝ち越し点。
 大分後方からのクリアボールに藤本がハーフウェイライン前で競り合うと、近藤が前を取られて藤本が独走状態に。
 藤本はそのまま持ち上がり、前に出ていたGK大野も抜き去って1-2に。


 20分にも大分の決定機。
 大分GK高木からのロングボール一本で、藤本と近藤が1対1に。
 藤本が納めるとカバーもなく、そのままシュートまで持ち込みますが、GK大野がセーブ。



 27分、大分の攻撃。
 GK高木からのフィードを藤本が三平に落とすと、右WBの松本へ展開。
 三平が再び飛び出して裏を取りますが、GK大野が飛び出して対応。


 29分にはジェフの攻撃。
 矢田から前方へのパスを、小島がヒールパス。
 これは精度を欠きますが、指宿が拾い町田に繋いで、最後は矢田が頭で合わせますが、シュートは力なく終わります。



 バタバタした序盤戦でしたが、25分頃から両チーム落ち着いていきます。
 ジェフは前からプレスをかけ、ポゼッションしながらゴールを狙う。
 大分も相手を引き付けながらジェフの間を狙いつつ、DFラインの裏を突く攻撃の形を作っていきました。


 36分、大分らしい攻撃からスコアが動きます。
 大分が左サイド後方でパスを繋ぐとジェフの選手たちがプレスに行きますが、潰し切れず逆サイドに展開されて縦へと展開。
 これを藤本、三平とワンタッチで落として、國分が裏へと供給すると、藤本が裏を取って最後は三平が流し込んで1-3に。



 43分、大分の攻撃。
 GK高木から左サイド裏へのロングボールを蹴られると、GK大野がPA外に出て対応しようとしますが、藤本にボールを奪われます。
 藤本は中央へボールを供給しようとしますが、GK大野がPA外で手を使ってセーブ。


 レッドカードかとも思いましたが、得点機阻止ではなかったということかイエローカードで済みます。
 これで得たFKを國分が蹴り、中央へと供給。
 鋭いボールでしたが、誰も合わせきれずボールは流れて、1-3で折り返します。
■ボールを持たされる展開が続き2-4で敗戦
 ジェフは指宿を下げて為田を投入し、1トップに船山を回します。
 後半開始直後、大分右WB松本からアーリークロス
 中央で國分が拾って左サイドに展開し、星がシュートを放ちますがGK大野の正面。


 その直後には、ジェフの町田が中盤から前線左サイドへと供給。
 為田が落として矢田がミドルシュートを放ちますが、GK高木がセーブ。
 53分、大分は三平を下げて伊佐を投入。



 62分、ジェフは小島を下げて茶島を投入。
 その後は、ジェフがボールを持たされる状態が続きます。
 大分はジェフの後方ではボールを持たせるものの、5-4-1でしっかりとスペースを消してきました。


 ジェフは相手が引いて守ってくる上に、指宿も下げてしまって、地上戦からも空中戦からも攻撃が作れない状況に。
 70分には町田を下げて、ラリベイを投入しました。
 しかし、運動量も落ちて、シュートまで持ち込むことすら出来ない展開が続きます。



 79分には大分の追加点。
 右サイドで大分がボールを奪ったところから、松本が岩田を走らせるボールを展開すると、伊佐がインナーラップで受けて鋭いクロスボールを供給。
 これを逆サイドで星が決めて1-4。


 83分、大分は藤本を下げて後藤を投入し、伊佐が1トップに移りました。
 87分にも大分のチャンス。
 後藤が粘って、伊佐、松本と繋ぎ、最後は後藤がシュートを放ちますが、ゲリアに当たってゴールならず。


 90分、大分は國分を下げて清本を投入。
 その直後、ジェフは左サイドでのFKをクイックリスタートで始め、矢田が抜け出してセンタリング。
 ラリベイが合わせて一矢報いますが、2-4で完敗となりました。
■大分との力の差を感じた試合
 ジェフ戦では前から積極的なプレスをかけてくるチームも多いですが、大分は普段通りのサッカーをしてきた印象でした。
 ジェフの2CBと1ボランチにはある程度ボールを持たせて、前にボールがでてきたら対応する。
 ジェフはボールを持つと前に人数をかけていくため、大分の対応方法だと味方陣内でのプレーが増えて押し込まれる時間も長くなります。


 しかし、大分のサッカーは相手を引き出して裏を取るパスサッカーですから、無理に相手を押し返す必要はないということなのかもしれません。
 相手に押し込まれるということは、相手を引き出すことにも繋げやすいわけで、あえて攻撃を受けてカウンターを狙っていたということなのかなとも思います。
 それができたのは、ジェフの攻撃はスペースさえ消していれば怖くないという判断があったからこそなのではないでしょうか。



 その点で前節の山形はやはり不用意で前への勢いが強すぎて、特にサイドの裏を消せていない状況だったと思います。
 しかし、大分はしっかりと5-4-1でシャドーも下げて、サイドのスペースを消したところから、前へと鋭く前に出てきた。
 ジェフの攻撃はサイドに偏っていますから、そこで苦戦していたように思います。


 結局、ジェフは裏を取る攻撃が基本なだけに、相手にスペースがある状況だと戦いやすいけれど、相手にスペースを消されると苦戦してしまうというところがあるのだと思います。
 特に後半は相手がリードしたこともあって無理をしなくなり、ジェフの遅攻の質の低さが改めて露呈した展開だったのではないでしょうか。
 あれだけビルドアップは自由にやらせてもらっていたにもかかわらず、相手を揺さぶれずシュートまで持ち込めなかったというのは、ショックが大きかったように思います。



 Twitterでもつぶやきましたが、大分は相手を引き付けて縦を狙うパスサッカーをしている。
 それに対して、ジェフはともかく前に人数をかけるけれど、シュートまで持ち込めないサッカーになっているわけで、大分からすればジェフは"飛んで火にいる夏の虫"だったのではないかと思います。
 これが前回も0-4で敗れて、今回も2-4で敗れた要因の1つでしょう。


 また守備面においても、大分のパスワークを止められなかった。
 前半はプレスで潰そうとするも掻い潜られると、一箇所に人数をかけるプレスなので、中盤や後方にスペースが出来てやられてしまいました。
 また、後半は足も止まって、切り替えも遅れて自由にカウンターを作られていた印象です。



 いずれにせよ、チーム力として大きな力の差を感じた試合だったと思います。
 では、何が大きく違ったのかというと、しっかりと大分はチームとしての哲学を攻守に持って戦えていた。
 そして、それを実行できる細かな約束事も作れていた印象です。


 ジェフもハイプレスハイラインという理想はあったもののプレスで奪い切れず、ポゼッションの意識も高いのに相手を崩す術を持っていなかった。
 理想はあったとしてもそれを実現できるノウハウがなければ、逆に弱点が生まれてあだとなってしまいます。
 それがハッキリと出てしまった試合だったと言えるのではないでしょうか。


 大分も一時は苦戦し、J3まで落ちて苦労してきたチームです。
 それでも確固たる方針と実行力があれば、ここまで挽回できるということ。
 それを感じながら、来季以降の方針を考えなければいけないのではないでしょうか。