ブログの休止にあわせて、たくさんのありがたい言葉をいただきました。
あれほど多くの反応をいただけるとはまったく考えていませんでしたので、本当に嬉しかったです。
改めて、ありがとうございました。
正直まだお休みをいただきたい気持ちもあるのですが、もうすぐシーズンも開幕してしまいます。
開幕前に話しておきたいこともありますので、リハビリも兼ねて復帰したいと思います。
改めて今シーズンも、よろしくお願い致します。
さて、私がお休み中に外国人選手の動きがありました。
まず、東京Vのアラン・ピニェイロを獲得しています。
意外な補強でしたが、確かに良い選手ではあると思います。
今年で27歳になるブラジル人FWのアランは、2013年に風間監督体制の川崎に加入しますが、10試合しか出場できず。
その時は1年でブラジルに戻ります。
そして、2015年から東京Vに移籍し、2度目のJリーグ挑戦となりました。
15年、16年は試合に出場していたものの目立った活躍はありませんでしたが、ブレイクしたのが2017年。
この年だけで39試合に出場し、17ゴールをあげています。
しかし、昨年は27試合出場で6ゴールに終わり、契約満了となっていました。
身長は180cmですが、強さもあってスピードもある選手だと思います。
特に前を向いた時の突進力が魅力で、シュートもうまいイメージです。
また、守備においても、真面目にこなすタイプだと思います。
17年の印象が強いので期待も高まりますが、その年しか活躍できていないのが気になるところでもあります。
17年の東京Vは1トップが基本だったもののの、左ウイングに入ったアランがゴール前に飛び出し、攻撃時には2トップ気味になる形で戦っていました。
チーム全体として、アランがゴール前に走り込める形を作っていたと言えるのではないでしょうか。
そこにはサイドで持ち上がれてチャンスを作れる安西の存在も大きかったのではないかと思いますが、昨年はその安西が鹿島に移籍。
藤本、佐藤優平、泉澤などの加入もあってか、チームの進歩もあったのか、全体としてよりパスを繋ぐ方向になっていった印象があります。
それもあってアランの立ち位置が難しくなった部分もあったのかもしれませんし、アランが活躍できるような"型"を作ってあげないと活躍できないタイプなのかもしれません。
さらに昨年のアランは、コンディショニングにも問題があったように思います。
また、ブラジル人の気質なのかどこかむらっ気があるようにも感じ、前年のような勢いも欠けていた印象です。
そのあたりが、昨年活躍しきれなかった要因ではないでしょうか。
本人の能力以上に気になるのは、エスナイデル監督はウイングにゴールを取らせるようなサッカーをしていないということ。
ウイングはなるべくサイドに張らせてチャンスメイクを任せてきた監督ですから、現状だとアランがハマるイメージはつかないところがあります。
清武などもゴール前に飛び込めたでしょうから、そういったタイプがいなかったというわけではなく、単純にサイドにはチャンスメイカーを置きたい監督ではないかと思います。
ウイングに置いておけば自分で点を取ってくれるというようなタイプではないと思いますし、アランをどのように使いこなすのか。
2トップにしてセカンドストライカー的に置くのが手っ取り早いのかもしれませんが、昨年を思い返すとエスナイデル監督は2トップにしないというよりも、できないのではないかという印象もあります。
単純に中盤が1枚欠けることによって構成力に問題が出る印象がありますし、それでも前線に放り込む形で2トップをやる可能性はあるかもしれませんが、長続きはしないのではないかとも思います。
また、2列目の選手がさらに増えたことも気になるところで、足りないところを補うのがコストパフォーマンスの良い補強だと言えると思うのですが、ここ数年のジェフはポジションによって選手がダブつくことが多いように思います。
さらにこれで外国籍選手は5人となり1人は確実に出場できなくなるわけですが、一方で高橋GMは昨年末のインタビューで「年俸が高い選手の出場率の高さこそ、自分たちの仕事」とまで言っています。
しかし、実際には効果的で確実な補強よりもともかく物量で勝負しているように見えるのが気になるところで、その結果、清武などがうまく使い切れずに退団することになったのではないでしょうか。
全体的に見てバランスの良い選手構成とは思えず、結果的に監督によるマネジメントも難しくなってしまっているように思わなくもありません。
続いてポルトガル1部のエストリルから、クレーベというブラジル人選手を補強しています。
身長188cmの長身FWで、今年で29歳になるようです。
経歴をWikipediaや、こちらのサイトで見ていきたいと思います。
クレーベは2009年にアトレチコ・ミネイロのユースから昇格すると、その夏にポルトガル1部のマリティモにレンタル移籍。
当初はBチームでプレーしていたようですが、トップに昇格すると09-10シーズンに8ゴール。
翌シーズンも7ゴールとまずまずの結果を残します。
それが認められたのか、FCポルトに移籍して11-12シーズンには21試合に出場し9ゴールの活躍。
11年末には、親善試合を戦うブラジル代表にも選出されています。
代表ではその際に2試合出場し、ノーゴールで終っているようです。
しかし、それ以降は苦戦しており、翌シーズンはFCポルトで0ゴールに終わり、2013年にはブラジルのパルメイラスにレンタル移籍。
パルメイラスでもまったく結果を残せなかった模様です。
13-14シーズンにポルトに戻りますが、Bチームでのプレーとなり15試合出場の3ゴールに留まっています。
それでも14-15シーズンはポルトガル1部のエストリルに移籍し、26試合に出場して8ゴールをマーク。
そして、15年夏には移籍金6億7000万円で中国の北京国安に移籍しますが、1年目は7試合出場の1ゴール。
2年目も4試合出場で、ノーゴールに終わっています。
16-17シーズンにはエストリルに復帰する形で、23試合に出場し8ゴールをあげます。
しかし、翌シーズンは17試合に出場し6ゴールに終わり、チームも二部に降格。
18-19年はハーフシーズンのみですが、スタメン1試合、途中出場4試合のみで2ゴールとなっています。
キャリアを見返すと、一番目立っているのはセレソンにも選出された11-12シーズンの9ゴールでしょう。
しかし、ブラジル代表は親善試合などでは大きくメンバーを落とすことがありますし、まだ21歳と若くして活躍していたクレーベをテスト的な意味合いで招聘したのではないかと思います。
元セレソンであることには間違いないとはいえ、2桁ゴールもなければ25試合以上に出場した年も1度きりということで、そこまでのビックネームとは言い難いように思いますし、実績だけで言えばラリベイの方が上だったと思います。
成績を見ると伸び悩んでいる選手なのかなと思いますが、それでもポルトガルではまずまずの活躍をしてきた選手ですし、全くの無名というわけでもないのでしょう。
何より今のジェフにとってCFは貴重な存在ですし、重要な補強ということになると思います。
他にCFタイプがいないだけに、もしクレーベが外れたらどうするのか…という状況ではないでしょうか。
動画を見てみると、188cmの長身以上ですが足元でのシュートがうまく、直接FKも蹴るようです。
また、空中戦で競り合うときに身体がぶれない印象があり、体幹も強い選手なのではないでしょうか。
ただ、自分で突破するような動きは見られず、敏捷性に優れた選手ではないようにも見えます。
ラリベイのような柔軟さはないのかもしれませんが、その分パワーがある選手といったところでしょうか。
一昨年、昨年とジェフはサイドアタックが多いもののクロスからの得点は多くないだけに、クロスのターゲットとして期待したいということなのかもしれません。
一方で今年もハイプレスを実行するのであれば守備力やスタミナなども求められると思うのですが、スピードがないのであれば守備面が不安材料になるのかもしれません。
状況を考えればもう1人くらい日本人CFが欲しいところではないかと思うのですが、時期的にもう期待薄でしょうか。
クレーベは日本でのプレー経験がないだけに未知数ですし、同じ東アジアの中国では失敗している選手でもあります。
ここ数年のジェフは開幕前後にも補強があるので、そういった動きにも期待したいということになるのかもしれません。
最後にタイ人のコラウィットが、ジェフにテスト参加しているという情報も出ています。
ユース年代の代表に選出されている、18歳のストライカーとのこと。
近年はタイのクラブで監督を務めている元ジェフTDの神戸清雄氏が、昨年指導していた選手なのだそうです。
ここ数年のJリーグは東南アジアから選手を獲得することも増え、上記の記事にも「ティーラシン二世」と書かれています。
そうなってくるとジェフも東南アジアから選手を…と思わなくもないですが、すでにそちら方面に力を入れているクラブと比べれば遅れを取っているでしょう。
いくら東南アジアのレベルが上がっていると言っても、優秀な選手はそう多くないと思いますので、良い選手を獲るのも簡単ではないと思います。
クラブのリソースも無限にあるわけではないでしょうから、今から東南アジアルートを開拓すべきなのか…という疑問もあります。
むやみやたらに動けばいいというものでもないように思いますが、神戸氏のコネがうまく使えるのであれば、チャンスもあるのかもしれませんね。
神戸氏もジェフからは追い出されるような形でしたから、ジェフに協力していただけるのであればありがたい話だと思います。
ただ、18歳のストライカーということで、ジェフでは飽和状態なアタッカータイプなのではないかと思いますから、そういった選手を獲るのならまずは古川や本田、高橋などを大事に育ててあげるべきでは…とも思わなくもありません。
現状だと若い選手たちをトップで育てられないからこそ、レンタル移籍も増えているのでしょう。
そういったチームが、18歳でタイでは将来有望な選手を補強すべきなのか…という疑問もあります。
青田買いということになっては、本人にとっても良い結果にはならないでしょうし、慎重に決めるべきかと思います。
ジェフとしても昨年は選手数が多すぎて、監督がすべてを管理しきれていないのでは…と思う部分がありましたし、多くの選手を獲ればよいというものでもないと思います。
国に限らず優秀な若手選手は欲しいところではありますが、まずはトップチームをしっかりと運営できるようになることが一番の前提となるのではないでしょうか。