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琉球戦でアシストした下平の活躍と乾の欠場

 8月の初戦となった鹿児島戦では敗れてしまいましたが、7月は好調で2勝1分2敗で終えたジェフ。
 それもチーム全体のコンディションが良好なことが大きいのではないかと話していましたが、その中でも下平は特に状態が良かったように見えていました。

 今シーズンも序盤は、左SBのレギュラーとして出場していた下平。
 ジェフはたった4試合でエスナイデル監督解任を決めますが、江尻監督就任当初も左WBとしてプレーしていました。
 しかし、途中から為田が左WBとして出場するようになり、下平は出場機会を失っていきます。


 転機となったのは、6月22日の柏戦で敗れた流れもあって、システムを変えた翌々戦の徳島戦。
 この試合から4バックに変更したことで、SBとして経験が豊富な下平が選ばれることになりました。
 4バックにかえた初戦の徳島戦こそ乾が左SBでスタメン出場していますが、続く岐阜戦からは下平がレギュラーとして定着しました。

 今シーズン序盤の下平は、かなりコンディションが悪かったと思います。
 運動量も少なく動きにキレがなくて、スピードも足りていなかった。
 そのため守備でも簡単にかわされてしまうことが多く相手に狙われていた印象もあり、攻撃面でも効果的な動きはあまり見られなかったと思います。


 あの状態を見ていることもあって、今の下平が余計に良く見えるというところもあるのかもしれません。
 多少距離があっても高質なクロスを連発している印象で、クレーベも下平の調子が上がっているからこそ、ゴール前での存在感が高まってきたところがあるのではないでしょうか。
 縦へ抜けるスピードも改善されている印象で、ここ最近は為田よりもチャンスを作れているようにも思います。

 左サイドに密集する攻撃がうまくいっているというよりも、下平のコンディションが上がっていることで、左サイドからの攻撃が武器になっているのではないかとすら感じていました。
 4バックになって成績が向上したのも、下平の存在が大きいのかもしれません。
 コンディションに関して言えば、ジェフに加入して今が一番状態が良いのではないでしょうか。 


 先日の琉球戦ではクレーベの先制ゴールもアシスト。
 琉球の選手たちの足の止まった時間帯でフリーな状況でクロスを上げられたとはいえ、船山からのパスをダイレクトでゴール前に供給したことによって、相手CBの守備が半歩遅れたのではないかと思います。
 ニアのスペースを見つけてワンバウンドするボールを上げ、クレーベが足先で触って決めた展開でしたが、あそこにボールを供給した下平の視野の広さはさすがだったと思います。

 ただ、気になるのは、この調子がいつまで続くのかという問題ですね。
 この1年だけを見てもコンディションにむらがある印象ですし、ベテランということもあってやはり体の調整は難しいところもあるのかもしれません。
 琉球戦でも80分に交代していますし、鹿児島戦も連戦ということもあってかここ最近よりは動けていなかった印象もあるわけで、今後の状態が気になるところではないでしょうか。


 一方で4バックに変更したということもあって、結果的にポジションがなくなったのが乾ということになりますね。
 乾は5月19日の岐阜戦から、3バックの左CBとしてプレーしていました。
 しかし、現在はベンチにも入れなくなっています。

 慣れないCBとしてのプレーだったはずですが、思ったよりも悪くはなかったと思います。
 SBの時のように簡単に裏を取られるようなプレーは少なかったですし、ビルドアップにおいても意外と鋭いボールを味方につけることもありました。
 また、高さに関しても、十分に強さを見せていたと思います。


 もちろん課題もあって、素早くパスを繋ぐことが苦手だったり、ポジショニングが怪しい場面もある上、そこから交わされることもありました。
 ただ、ビルドアップはチーム全体として課題があるだけに、個々の能力だけを指摘することは難しいですし、守備においてもCBばかりを責められない状況だったと思います。
 乾は若い選手でもあるだけに、もう少し見守ってあげたい気持ちもありました。

 それだけに4バックへの変更は仕方ないとはいえ…というか、むしろなぜ3バックにこだわっていたのかという印象もありますが、いずれにせよ乾がチャンスを失ったのは残念なところもあると思います。
 江尻監督は前回監督時にも就任当初に怪我人が多かったこともあって、まだ若い益山をSBにコンバートして失敗し、J2に降格した翌年も開幕戦で益山に慣れないCBで起用しておきながら、その後はチャンスすら与えず移籍したということがありました。
 若手をコンバートするのもいいですが、それをするのであればある程度の責任をもって、ケアもしっかりとしてほしいところではないかと思います。


 2018年初頭に湘南の曺貴裁監督が、J2ベストイレブン乾を選んでくれていましたし、乾本人のことを考えると他から良いオファーがあれば移籍も検討すべきなのかもしれませんね…。
 この時は町田も選ばれていますが、乾も含めて曺貴裁監督らしいチョイスともいえるでしょう。
 武器をしっかりと持っている選手ですから、起用方法によっては一気にブレイクする可能性もあると思います。

 本来若手に関しては、ノビノビとプレーできる環境を周りが作ってあげるのが理想的な形であるはずです。
 しかし、乾のCB起用は本人にとって勉強にはなるとも思いましたが、本来は乾が活きるポジションではないようにも思いますし、その状況で評価されて次の出番がないというのはさすがにかわいそうな印象もあります。
 CBでもチーム状況が良いのであれば本人もプレーしやすいかもしれませんが、何かとCBが苦労する状況でもあったはずです。

 移籍はともかくとしても、まだ8月ですからシーズン後半に挽回するチャンスが巡ってくるといいですね。
 乾も23歳ということで、若手が少ないジェフとしては貴重な存在ですが、そろそろ中堅年代にも入りつつあると言えるのでしょう。
 自前で選手を育てきれずに苦戦している印象もあるジェフですから、本来は大事に育てていきたいところなのではないでしょうか。