見木の投入直後にウタカがゴール

 大宮戦、甲府戦と、特別指定選手である見木がスタメン出場を果たしました。
 大宮戦では切れのある動き見せ、可能性を感じました。
 ただ、甲府戦では縦パスのミスも目立ち、そこからあわや増嶋のハンドでPKかというシーンも生まれてしまいましたし、連戦に対応できる体力という意味ではまだ課題もあるのかもしれません。

 ただ、基本的には、他の選手よりもコンディションが良いように見えます。
 大宮戦で途中出場した安田も動けていましたし、初めからチームに帯同していない選手は、コンディショニングのリズムが少し違うのかもしれませんね。
 あるいは、単純に2人は途中出場だったから、周りよりフレッシュに動けていたところがあったのかもしれません。


 7月は全体的に選手の動きが良かったように見えたジェフですが、8月に入ってまた調子が落ちているようにも思います。
 江尻監督は走れるようにしていきたいという趣旨の話をしていましたが、堀米、工藤、為田、矢田、小島などは元々そこまでタフなタイプではないでしょうし、ハードワーク出来る選手が少ないという問題も抱えているように思います。
 もっとも甲府戦は相手も走れていなかったように見えますし、どのチームも波はあると思いますから、コンディショニングだけで勝ついうのは難しいと思います。

 見木は若い選手ということもあって、アグレッシブな姿勢を見せてくれていると思います。
 ただ、その分ミスパスも多い印象ですからそういったミスを重ねた後に、どういった判断ができるようになるかが重要ではないでしょうか。
 プロになれば相手の寄せも厳しくなるし、小さなミスから大きなピンチが生まれることも増えていくでしょうから、若い頃は積極的でもミスなどを経験して委縮してしまうケースも少なくないと思います。


 加えて、現在のジェフは連敗中ということもあって、全体的に動きが重いようにも見えます。
 それもあって、結果的に見木の動きが良く見えるし、若い選手ということもあって期待の声が増えているようにも思います。
 ただ、主力としてプレーしているわけでもないですし、負担も少なく思い切ってやれる状況だから活躍しているところもあると思うので、変に持ち上げすぎるのも良くないのではないでしょうか。

 見木などとは対照的に、主力選手たちの覇気のなさが気になるところもあります。
 連敗中で悩みを抱えているところも、様々な怖さも知ってしまってアグレッシブにぷれーできないところもあるのかもしれません。
 しかし、中堅からベテランで構成されているチームなわけですし、こういった状況だからこそ奮起を期待したいところではないでしょうか。

 ただ、考えてみれば、現在の選手たちは主軸として長年チームを引っ張ってきたような存在は少ない。
 だから、こういった状況で周りを鼓舞したり、気持ちを見せたりといった姿勢で戦える選手がいないのかもしれません。
 プレースタイルからしても激しく戦うよりもきれいに戦う選手たちが多い印象ですし、メンタル的に強い選手が少ないということなのでしょうか。


 甲府戦に関して言うと、64分に見木が投入され、74分にウタカがチーム2点目のゴールを上げています。
 試合展開からしても、この2点目は非常に大きな失点だったと思います。
 簡単に与えてはいけないゴールでした。

 しかし、このシーンでは小島と見木がかなり高い位置を取って、中盤がぽっかりと空いていました。
 その状況で甲府が後方でボールを奪い、エデル・リマがワンタッチで素早く縦パスを展開し、ウタカが受けて前身。
 そのままCBの前でミドルシュートを放ち、0-2となってしまいました。


 確かに解説の秋田が話すように、DFラインの押し上げが遅れていました。
 さらに増嶋が前に潰しに行けず、ウタカにシュートを放たれてしまいました。
 ウタカのシュートも見事ではありますが、CBの対応にも問題があったようにも思います。

 しかし、一方でダブルボランチが、2人とも高い位置を取ってしまっていたことも大きな問題だったと思います。
 だから、エベル・リマからウタカへのパスコースを消せなかったし、ウタカに対してもCBだけで対応せざるを得なくなってしまった。
 1点を失って焦っていたところもあったのでしょうが、安易な動きだったと思います。


 見木はやはり守備に対しては、課題が多いと思います。
 大宮戦でもそうでしたが、相手の縦パスに対しての反応が遅く、どこか守備を周りに任せてしまっているところがあるように見えます。
 また、アラーノへの対応などを見ても、対人守備にも弱さが感じられる印象です。

 見木は守備に不安があると見て、途中から左SHに回されたのではないでしょうか。
 初スタメンとなった徳島戦でもボランチではなくSHで起用されたのも、守備の課題が原因だったのかなと思います。
 確かに現状では、スタメンのボランチで使うのは怖いところがあるのではないでしょうか。


 ただ、大宮戦、甲府戦ではボランチで途中出場しています。
 しかも、工藤や小島といった、決して守備を得意としていない、サイズの小さな選手とボランチを組むことになりました。
 そこから失点もしているわけで、江尻監督の選手起用の問題といったものも大きいように思います。

 しかし、一方で見木も今後より上を目指すのであれば、守備の改善は必須ではないでしょうか。
 SHでもプレーできる印象を受けますが、タイプ的には広いエリアで自由に動いた方がいいようにも思いますし、本人もボランチでやりたいところがあるのではないでしょうか。
 けれども、ボランチとしてプレーするためには、より賢く守備対応をして、身体的にも強くならなければいけないと思います。


 現状の日本サッカーを見渡すと、攻撃的な2列目のアタッカーが多くなっているように思います。
 海外でプレーする選手も2列目のアタッカーがかなり増えていますし、ジェフもその中であふれたアタッカー陣を集めている印象も受けます。
 ようするに、現状だとアタッカーは補強しやすい状況であるわけで、ジェフはそのアタッカーばかりを安易に補強した結果、いびつな選手構成になってしまったのではないかと思います。

 見木も確かに縦への鋭い動きなどは見せていますが、単なるアタッカーの1人で終わってしまう可能性もあると思います。
 それにとどまらないためには、仕掛けやチャンスメイクだけでなく他の強みも作っていかなければいけないのではないでしょうか。
 それがゲームメイク能力なのか、中盤での守備なのか、ゴールを狙う動きなのかはまだわかりませんが、仕掛けだけでは現在のJリーグでは高く評価されにくいのではないかと思います。

 もちろんセンスは十分に見せてくれていますが、低調なジェフの中で可能性を見せたところで、残念ながらJリーグ全体ではまだまだな存在だと思います。
 これからの選手だと思いますし、周囲も無駄に期待を煽るのではなく、今は静かに見守ってあげるべきではないでしょうか。
 ジェフにとっては貴重な若手選手だからこそ、大事にしていきたいですね。