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ユン・ジョンファン監督就任の噂と監督選び

 鳥栖C大阪などを指揮したユン・ジョンファン監督が、ジェフの監督に就任すると12日、韓国メディアが報じました
 2年契約という具体的な話もあり、近日中にも契約し、発表となる予定があるとのことでした。
 しかし、それから数日たっても発表はおろか、これを追随するメディアもないですし、「日本のサッカー関係者によると」と書かれているにも関わらず日本メディアからの報道もない状況ですから、話半分で聞いておいた方がよさそうです。

 実現の可能性は低いのかもしれませんが、個人的にはC大阪を退任した後に「ジェフの監督にどうだろう」とジェフサポ仲間に話していたほどでした。
 ユン監督は厳しい指導者で、しっかりと守備を構築できるタイプではないかと思います。
 ジェフは昔から真面目でおとなしい選手が多い印象ですから、厳しく叱ることが出来る監督が良いのではないかとJ2降格前後から話していました。


 そのジェフも今では状況が変わって、選手のキャラクターも以前とは異なるのかもしれません。
 しかし、攻守において細部に甘さが残るところがありますし、ビシッとチームを引き締められる監督が良いのではないかという印象には変わりありません。
 江尻監督はその点でもう一つ物足りないのかもしれないし、エスナイデル監督は選手には厳しい部分もあったのかもしれませんが、細部への甘さが露呈してそのままピッチに出てしまったようにも思います。

 クラブとして目指すべきは攻撃的なサッカーなのか守備的なサッカーなのかという問題もありますが、それよりも今はまず規律をしっかり構築できるかどうかが大事ではないでしょうか。
 そこがチームのベースとなるべきところではないかと思うのですが、ここ数年のジェフは基礎部分が構築できない監督が多かった。
 それによって不安定なシーズンを過ごし、そこからの積み重ねもできていない状況ではないかと思います。


 ただ、ユン監督も決して不安がないわけではないでしょう。
 今年4月には元広島のティーラシンなどが所属するタイの強豪ムアントンの監督に就任しますが、たった2カ月で解任されています
 監督就任時点で16チーム中15位の状態で引き受けたようですが、そこから再建できなかったということなのでしょう。

 また、そもそもタイで低迷するチームに就任したということは、他に良いオファーがなかったという可能性もあるのではないでしょうか。
 さらに、鳥栖C大阪でも守備は構築できたものの、攻撃面では物足りなさもあったようにも思います。
 そのため、短期的には結果を残せても、それが続かない印象も受けていました。


 そういった傾向も影響があるのかもしれませんが、ムアントンでは2カ月、蔚山現代C大阪では2年間と比較的短期間で退団しています。
 さらに2014年の鳥栖ではクラブにも問題があったのかもしれませんが、J1首位の状況でシーズン途中に監督解任という不可解な出来事もありました。
 原因はともかくとして、もしかしたらクラブと揉めることが多い傾向にあるのかなとも思わなくもありません。

 ただ、ジェフはJ2でも下位チームなわけですから、選りすぐりはできません。
 しかし、かといって、それを言い訳にして、妥協していい問題ではないでしょう。
 選手に関しては何だかんだ言って人件費(年俸)を使って補強しているわけですし、監督選定に関して妥協するというのはチーム全体を諦めるのと同じことだと思います。


 それほど監督選びというのは大事だと思うわけですが、一方でジェフの現状を考えると選び放題という状況ではないこともまた事実。
 だからこそ、工夫して今のクラブに何が必要で、何が足りないのかをしっかりと把握した上で、本当に適した人材を招聘しなければいけない。
 そのためにも、やはりまずはクラブとして何がしたいのか、将来に向けてのビジョンを明確にしなければいけないのでしょう。

 その上で監督を選び、万全の状態で迎える準備をする。
 実際、ユン監督の監督デビューとなった鳥栖でも、コーチ時代から将来の監督であることを明確にし、ユン監督のS級ライセンス取得を待って監督に昇格させた。
 オシム監督と同い年の松本監督が念入りに下準備をした上で、ユン監督を昇格させてJ1昇格を果たしたわけですから、やはりビジョンと準備というものは非常に重要だと思います。


 もちろん、その後の活躍はユン監督の手腕も大きいのでしょうが、ジェフに関してはどの監督を招聘するにしても、あるいは監督を継続するにしてもその辺りが欠けている印象です。
 もしユン監督のようなタイプの指導者を探しているのであれば、現戦力はエスナイデル監督の下、攻撃的な選手を多く集めてきたわけで、大幅に入れ替えなければいけないでしょう。
 そうでなくてもエスナイデル監督時代も江尻監督時代も守備に不安感を感じることの多い選手構成だったわけで、そこへの変化は必須だろうと思います。

 いずれにしても、ここ数年でジェフはますますクラブとしてのベースが弱くなってしまった印象もあります。
 高橋GMエスナイデル監督の当たって砕けろな方針で、砕けた方に進んでしまった結果、何も残らないどころか失ったものが大きい数年となってしまったのかもしれません。
 ここから脱するには行き当たりばったりな運営をしてもさらにクラブが先細る可能性があるわけで、小手先の対処ではなく綿密なプランを立てて打開しなければいけないのではないでしょうか。