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千葉ダービーを終え消化試合5試合に問われるもの

 千葉ダービーでもあり、首位との一戦でもあった柏戦で、0-3の完敗を喫したジェフ。
 これで1つけじめがついたというか、現在のジェフの立ち位置がはっきりとしたのではないでしょうか。
 あとは消化試合となる残りの5試合を、どう戦うかですね。

 まずは残留を決めるべきという見方もできるのかもしれませんが、現実的に考えれば降格はまずないでしょう。
 降格圏内の岐阜、栃木も頑張ってはいますが、勝点では鹿児島も含めた下位3チームが他チームと少し離れてきています。
 残留争いに巻き込まれたとしても、その上の町田までではないでしょうか。

 また、引退する勇人のために…という意見もあるでしょうが、現在の選手たちはここ数年の入れ替えによってジェフに加入した選手が多いため、そこまで勇人に思い入れがなくても不思議ではないと思います。
 もちろんクラブやサポーターにとっては大事な選手の1人ではあるのでしょうが、その思いを他の選手に押し付けるのも少し違和感がある気がします。
 ストーリーメイクという意味では残留争い・勇人の引退といった方が盛り上げやすいとは思いますが、選手たちには自分自身のために、あるいはチームのために頑張ってほしいところではないかと私は思います。


 次のジェフの対戦カードは、アウェイでの山口戦ということになります。
 山口は12勝8分17敗で、勝点44の14位。
 ジェフは9勝12分16敗の勝点39位で17位ということで、まだ二桁勝利にも届いていないことになります。

 昨年霜田監督が就任し、昨シーズン序盤には快進撃を遂げた山口。
 ちょうど縦に速い攻撃とインテンシティがやたらと持ち上げられていた時期で、そのサッカーを展開し当初は結果も残しました。
 しかし、あの頃は一時的にコンディションが非常に良かった印象があり、それが落ち着くと結果も出なくなり、チーム作りにおいても細部が作れず苦しんでいった印象です。


 細部にこだわりが作れなければ、縦に速い攻撃と球際に強い守備は、いわゆる"縦ポン"サッカーと同じことになってしまいます。
 昨年7月からは14試合勝ち星なしと低迷し、今年に入っても大きく浮上することなく現在14位。
 ちなみに、前回ジェフと対戦した時はエスナイデル監督退任前の3月で、5-2で山口が勝っているのですが、山口は開幕戦を含むその前後7試合で勝ち星をあげられていませんでした。

 細かなビルドアップが作れず、攻撃はサイド攻撃がメインで、守備もプレスがハマれば強いけれど、堅守とは言い難い状況というのは、ジェフにも似たところがある印象です。
 ここ4試合は無敗となっている山口ですが、気温が落ち着いたことで球際で粘れるようになって成績が回復したところも、ジェフと同じような印象があるのではないでしょうか。
 ただ、GK吉満の奮闘も目立っていましたし、福岡、岐阜、京都、鹿児島と京都以外は下位チームとの日程が続いていたことも大きかったように思います。


 また、プレス時には4-2-3-1で2列目が横一列に並んで、パスコースを消しながら追いかけていくのも山口の特徴ではないかと思います。
 これは西野監督が率いたロシアW杯での日本代表にも似たところを感じ、あの時はFWまで2列目に下がって4-2-4にも見える時間帯がありました。
 そこまで山口は極端ではないですが、霜田監督も務めていた前後のJFAで検討されていた手法なのかもしれません。

 結果的に似たサッカーになりつつあっても、山口の方がジェフより上位にいるのは、山口は狙ってこのサッカーをやっているのに対し、ジェフは結果的にこうなっている面が大きいからではないかとも思います。
 山口は縦への意識がもともと強いため、攻撃時の縦への長いボールや大外からのクロスに関しても、しっかりと前で受ける準備ができている印象です。
 ビルドアップやセット時の守備なども、ある種アバウトでもOKという発想がどこかにあるのかもしれません。


 江尻監督が就任したジェフは、結局最後までやりたいサッカーがはっきりせずに終わってしまうのかなと感じます。
 サイドからのクロス展開を狙っている割には、ゴール前の動きが鈍いし、人選面でもクロスを受けるような選手が少ない。
 守備においてもプレスを整備しきれているとは言えませんし、セット状態での甘さはひどくなっているようにすら感じます。

 柏戦では個々の選手の動きにも問題を感じましたし、そういった状況下で改めて消化試合をどうこなしていくのか。
 将来に向けて若手を使うのか、それとも最後まで結果を重視するのか。
 今週も話した通り、江尻監督のスタンスも曖昧ですし、ラスト5試合の戦いをチーム内で明確にしていかなければいけないのではないでしょうか。


 個々の選手も来年へのアピールに向けて、しっかり戦わなければいけない時期なのではないかと思います。
 もしかしたら来季の去就がすでに決まっている選手もいるのかもしれませんが、それでも多くのサッカー関係者はその姿勢を見ていると思いますし、チームの目標がなくなってもプロとしてやり切ることが大事だと思います。
 それが自身の将来にも、つながるのではないでしょうか。

 また、一方でもしモチベーションを下げている選手がいるのであれば、監督の求心力などに問題があったとしても、きっぱりと起用しないという姿勢を見せることも大事ではないかと思います。
 いくら消化試合であっても、お金を払って見に来る観客がいる以上は、やる気のないプレーを見せるのは良くないこと。
 その選手にとっても、クラブとしてもマイナスとなる部分が大きいでしょうから、厳しい対応が求められるのではないかと思います。


 メンタルというか気持ちの話というのはスポーツには付き物ですが、こういった時でも戦える選手こそ、実は本当にメンタルの強い選手なのではないかとも思います。
 昇格も降格もなく、だらけがち状況でこそ問われる部分も大きいのではないでしょうか。
 もちろんプレッシャーのかかる場面でのメンタルも重要だとは思うのですが、それとは逆に気持ちの乗らない時に奮い立たすことのできるメンタルといったものもプロの選手としては大事なのではないかと思います。

 その辺りを周囲もしっかりと見て、プロとしてどんな状況でも頑張れるんだという姿勢が見せられる選手を評価してあげたいところですね。
 波に乗っている時にだけ頑張れる選手では、ジェフの課題である一喜一憂してしまうチーム状況からは抜け出せないと思います。
 現状に陥ってしまった一因は選手たちにも当然あるわけですから、そこから少しでも挽回しようという姿勢を見せられるか。
 選手たちには最後まで問われているんだということを忘れずに、頑張ってほしいと思います。