金沢戦で久々のスタメン出場となった船山が、ゴールを決めました。
船山のスタメンは9月7日の新潟戦以来ということで、実に8試合ぶりとなります。
さらに船山のゴールは8月19日の愛媛戦以来となるため、約3か月ぶりということに。
これで船山は今季12ゴール目をあげ、17ゴールのクレーベに続いてチーム2番目の成績となります。
3番目はアラン、為田、増嶋、寿人の2ゴールですから、船山の12ゴールはチームにとって大きな貢献ということになります。
ただし、そのゴールの大半はシーズン前半によるもので、シーズン後半からは出場機会が減っていたこともあり、ゴールも減っていました。
スタメンから外れた頃の船山は、確かに状態もあまり良くなかったと思います。
単純に運動量も減っていて、守備などでの貢献も少なくなっていた。
攻撃面でも左サイドからの攻撃に絡むことはあっても、大きくは目立たなくなっていた印象です。
船山は基本的にはプレーが安定しているように思うのですが、状態が悪いと運動量が落ちる傾向がある気がします。
2016年終盤の長谷部監督代行時代もあまり走れず、チームとしてプレス面で苦労していた部分があったように思います。
メンタル面の問題なのかコンディション面の問題なのかはわかりませんが、船山にとっては走れるかどうかが1つのパロメーターなのかなと感じます。
特に現在のジェフはクレーベが走れないこともあって、セカンドトップの走力は重要な状況となっていた。
そのため9月14日の水戸戦から走れる工藤が船山に代わってレギュラーとして起用され、プレスのファーストディフェンダーになって貢献していきました。
工藤は相手の間で受けてボールを触る動きでも、効いていたところがありますね。
ただ、船山も本来は走って守備のできる選手だし、ゲームメイクもできる選手だと思います。
久々にスタメンに復帰した金沢戦ではリフレッシュしたのか、また状態が戻ってきていたように見えました。
しっかりと走れて、攻守に貢献できていたのではないでしょうか。
69分には後方からのボールを受けて素早く左サイドに展開し、為田のクロスからクレーベが2人をなぎ倒してゴールに迫る展開も作ることが出来ました。
工藤のように細かくボールを触って散らす、動きで周りをサポートするという動きは少ないかもしれません。
しかし、大きく左右に展開する視野なども持っていますし、ゲームメイカーとしても機能する選手なのではないでしょうか。
ただ、船山の場合は何でも出来てしまうセンスがあるからこそ、結果的に悩んでしまうところもあるのかなと思わなくもありません。
船山の性格からすると、本来はアタッキングサードに専念したい。
あるいはゴールに集中した方が、得点数は稼げるのかもしれない。
しかし、ビルドアップもできるし、守備もできるし、チャンスメイクもできるし…となると、どうしても他の仕事も回ってきてしまう。
そうなると船山自身が消耗してしまうところがあるし、フラストレーションがたまってしまうところもあるのではないかと思います。
そこで状態を悪くして、運動量が落ちてしまう時期があるということなのでしょうか。
チーム状態が良ければそういった悩みも減るのかもしれませんが、チームが苦戦するとやらなければいけない仕事も増えてしまい、船山への負担も多くなってしまうところがあるように思います。
昨年終盤に0トップで起用されたのも船山が何でもできる選手だからこそだと思うのですが、守備もポストプレーもゴールも期待され船山に頼るところが大きいサッカーになっていた印象です。
今シーズン中盤も船山への負担が大きくなった結果、船山の状態が悪くなりゴールからもスタメンからも遠ざかってしまったのでしょうか。
現在のジェフは攻撃特化の選手が多いので、船山のような存在は貴重だと思います。
ただ、船山頼りを続けてしまえば、チームとしての成長は難しいかもしれない。
来季のチームをどう考えていくのかで、船山の去就も決まってくるのでしょうか。
ただ、本人も一度は川崎で挑戦したものの、大きな成果を残せずジェフに移籍してきた経緯がある。
それだけにJ2で昇格を目指すチームのほうが良いと考えるのか、それとも年齢を考えてJ1挑戦を目指すのか。
当然、良いオファーがあるかどうかで話は違ってくるでしょうが、来季の動向が気になる選手の1人ではないでしょうか。
今季のジェフ選手のプレー内容を見ると、あまりJ1からの良いオファーは多くないのではないかとも思います。
全体的に年齢層も高いし、安定して戦えている選手が少ない。
ただ、個人的にはいいオファーがあれば行くべきという考えです。
なので、チームとしての目標は失ったものの、個人的に良いオファーを受けるためにも、残り試合頑張ってほしいと思います。
あるいは、移籍という形ではなくても、契約満了となる選手もいるでしょう。
ジェフに残るにしても次の舞台を目指すにしても、最後までこのチームで頑張れるかどうかを見られると思いますし、大事な試合だと思って最後まで戦ってほしいですね。