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2019シーズンを振り返る 鈴木椋大編

 G大阪から今季レンタル移籍で加入したGK鈴木椋大は、ジェフで16試合に出場しました。
 鈴木は昨年G大阪U-23J3の試合に出場していますが、11試合どまり。
 2016年に横浜FMから東京Vへレンタル移籍した際には26試合出場していますので、それに次ぐ出場記録となりました。

 印象としては、GK優也を見慣れていることもあってか、安定感のあるプレーぶりだったと思います。
 昨年はGK大野も9試合に出場していますが、大野よりもプロでの出場やユース代表での経験があるということもあってか、落ち着いていたように見えましたし、プレーに柔らかさを感じた印象です。
 ちなみに、今シーズン出場のなかった大野は26歳、鈴木は25歳ということで、二人は同年代のライバルだったということになります。


 鈴木は192cmではありますが、足元の基礎技術も安定していたと思います。
 ただし、優也やロドリゲスなどのように大きな展開は少なく、視野の広さという点では優也の方が上回っていたのかもしれません。
 GKも技術だけではなく視野の広さからなる展開力が大事だと思いますし、鈴木もそこに関しては今後の課題と言えるのかもしれません。

 ただ、それ以上にセービングやポジショニングでの安定感を感じましたし、やはり本来はそこがGKの本分だと思います。
 そういった意味で可能性を感じる選手だと思いますし、今後に期待できるGKなのではないでしょうか。
 25歳という年齢は、遅咲きな選手や息が長い選手も多いGKとしてはまだまだこれからだと思いますし、今後の成長に期待したいですね。


 今季の鈴木はエスナイデル監督体制の最終戦でスタメン起用された後は、夏場前後にレギュラーの座を優也から奪いました。
 結局、優也が26試合出場、鈴木が16試合出場を果たし、二人でGKのポジションを分け合う形になっています。
 シーズン終盤は優也にポジションを奪い返されましたが、個人的には鈴木のままでもよかったのではないかとも思っていました。

 それでもチームの状況が厳しいということもあって、無難にベテラン選手を選んだということなのでしょうか。
 こうやってチーム状況が悪いと若手選手も使いにくく、ベテラン選手重視になることによってチームの成長も見込めない…と、負のスパイラルに陥りがちなのかもしれませんね。
 とはいえ、鈴木に限らずそこは勇気をもって若手選手を起用してほしいと感じる試合も、幾度となくあったシーズンではないかと思います。


 ただ、鈴木の場合はレンタル加入選手ということで、将来ジェフに残るかどうかはわからないという悩みもあります。
 特に近年のJリーグはやたらとGKの玉突き移籍が多いですから、レンタル元のG大阪に復帰しなくとも他クラブに移籍してしまう可能性も考えられる。
 そうなると、落ち着いてGKを育てられないというジレンマも出てきてしまいますね。

 もっともGKはポジションが1つだし、途中出場もほとんどなく、シーズン中にレギュラー選手が入れ替わることも比較的少ないポジションです。
 だから、移籍という形で出場機会を求めるケースが増えるし、1人でも主力選手が移籍するとクラブは穴埋めをしなければいけなくなるので、それにつられて他の選手も動く傾向があるのかもしれません。
 そう考えていくと、GKの玉突き移籍はクラブの都合もあるのでしょうが、選手側の都合も大きいのかもしれません。


 鈴木としても、オフには難しい判断を求められるのかもしれませんね。
 GKの場合はいくらいいオファーがあったとしても、試合に出場してアピールできなければ、そのまま消えてしまう可能性もある。
 ジェフとしても鈴木は今後に可能性を見せてくれたと思うので、残ってほしい選手の1人だと思うのですが、その他の補強も絡んでくるのかもしれません。

 あるいは、相澤や大野に対して、どこまで期待しているのかも関わってくるのでしょう。
 さらには、クラブとして来季は土台を作る年と見るのか、結果を求める年と考えるのかでも、選手構成が変わってくるはずです。
 やはりまずはチームとしてどういったビジョンを描き、その中で来季をどう捉えるのかが重要だと思うのですが、ファンやサポーターにはそういった説明は必要ないと考えているのでしょうか。
 ともかく、鈴木に関しても読めない部分がありますが、来季どこでプレーしたとしても今年の経験を糧に頑張ってほしいですね。