開幕戦琉球戦で、右SHとして起用された米倉が今季のジェフ初ゴールをあげました。
米倉は昨年ジェフに加入してほぼ半年レギュラーとしてプレーしていましたが、昨年のゴールは1つのみ。
9月7日の新潟戦以来ですから、約半年ぶりのゴールとなりました。
琉球戦でのゴールは、試合開始1分も経たないうちに決まったもので、ジェフの勢いが勝った流れとも言えると思います。
琉球側としては開幕戦の立ち上りで、試合への入りがまずかったところもあったでしょうか。
若干バタバタしていた印象もありました。
まず、右サイドに流れたクレーベがクロス。
このボールは精度を欠きますが、相手のクリアが短いものとなり、中盤中央で田口が拾うとダイレクトで堀米へ展開。
そのまま堀米がクロスを上げると、米倉がヘディングで合わせて先制ゴールをあげています。
堀米のクロスも見事で、ニアの相手選手や川又を超えて、ピンポイントで米倉の頭に合わせています。
そして、図のように、ジェフはゴール前の選手数も足りていたことになります。
ニアでは川又が動き出すことで対面の選手を押し込み、ファーにはクレーベが待っていた。
それによって、米倉の前がぽっかりと空いて、フリーで合わせることが出来た。
黄色い四角のある通り、クレーベと米倉に対して相手DFは1人ということで、2対1の数的優位が生まれていたことになります。
これがゴールの生まれた勝因の1つでしょう。
前年までのエスナイデル監督体制でのジェフは、両サイドに純粋なサイドアタッカータイプを配置していることが多かった。
そのサイドアタッカーが縦に仕掛けることで相手を押し込み、CKなども数多く得ることが出来ていました。
しかし、サイドアタッカータイプの選手は、トップ下やインサイドも含めて小柄な選手が多く、クロスを上げてもターゲットはクレーベなど1トップだけとなることが多かった。
それによって、サイド攻撃も迫力不足に陥ることが多かったですし、クレーベにマークが集中して苦戦することもあった。
これは今年のちばぎんカップも同じ傾向があって、クレーベがサイドに流れてゴール前にターゲットがいない問題も見受けられましたが、琉球戦でのゴールはクレーベに加えて、川又、米倉もいたことで、マークも分散してフリーな選手が生まれた。
これによって堀米のクロスの精度を活かせるというのも、非常に大きなポイントではないでしょうか。
ただ、残念ながら、琉球戦ではゴール後のチャンスは相手GKのミス絡み程度。
ゴールシーン以外では、ほとんどその3人を活かすことはできなかったといった印象です。
それだけにこの形で攻めればより多くのチャンスを作れるのか、逆にクロスばかりになって単調な攻撃になってしまわないのか…などは、まだ何とも言えない段階ですね。
また、ちばぎんカップでは琉球戦よりも、田坂などを中心にサイドで細かくパスワークを展開していた印象でした。
SHにボランチやSBも後方から絡んで、FWやSHがサイドを縦に走り込んでいく。
思ったよりもパスワークを繋ぐ意志が強いのかなとも感じ、それが田坂や船山、堀米などの起用にも出ていたのかなとも思っていました。
しかし、琉球戦ではほとんどパスワークからの展開が見られなかった。
これは早々にジェフが先制したことも大きかったのでしょうが、もしそうではない状況だったらもっとサイドでパスを繋いで攻め込む展開も必要になったのか。
その時にあのメンバーで可能だったのか、あるいはちばぎんカップや琉球対策なども踏まえてパスサッカーは諦めて、どんどん放り込むサッカーを狙っていくつもりだったのか。
また、結果的にちばぎんカップから川又、ゲリアと大柄な選手が増えたことによって、セットプレーでの高さも増したように思います。
特に琉球は小柄な選手も多いので、あれだけ押し込まれたことでセットプレーでの守備機会も増えましたが、そこで高さで勝てていたことは大きかったと思います。
一度CKからタヴァレスにバー直撃の決定機も作られましたが、あれもゾーンの間を取られたものであり、高さというよりポジショニングや動きでの面でミスがあったシーンと言えるでしょう。
一方で守備においては、課題も多い状況だったと思います。
川又よりも船山の方が広範囲を守れていたし、田坂の方が米倉よりもプレスにいけた印象もあった。
これも先にリードした影響もあったのかもしれませんし、それによって全体のラインが下がったからプレスをかけにくかった…あるいは、リードしてあえてプレスをかけなかったという部分もあったのかもしれません。
またはちばぎんカップで前に出て裏を取られたため、琉球戦では無理をせずに下がる方針だったのか。
この辺りでは、初戦だけではわかりにくいところもあるでしょう。
特に琉球戦は開始早々にゴールが生まれるという若干特殊な試合展開でしたから、まだ判断しにくいところもあると思います。
ただ、それでも守りに入るとああいう戦い方になるんだということはわかったし、その中でも見えてきたところはあった。
結果だけを見るのではなく、しっかりと1試合1試合を抑えた上で、次に進みたいところではないでしょうか。
それが試合を追求するということにも繋がると思いますし、次の試合を見る上での貴重な情報にもなるはずです。
開始早々に先制するという展開ばかりにはならないはずですし、相手の特徴などが違えばまた試合内容も変わってくるはず。
その時にどう戦うのか注目ですね。