いつも以上の労力をかけているわりに、どんどんアクセスが下がっているのが気になりますが、ネタもないのでゆっくり開幕戦を振り返っていきたいと思います。
磐田対山形戦では磐田のスピード感のあるパスワークと流動的な動きが目立ちましたが、山形の攻撃にも光るものを感じました。
山形は斜めのパスをうまく使って、攻撃を作っていった印象です。
斜めのパスの有効性は、以前から言われてたこと。
特に現在は4-4-2などによるボックス守備を選択するチームが多いため、守備時に縦と横には強さがある。
しかし、その間を通す斜めのパスに対しては対応しづらいと言われており、それを今年の山形は効果的に使おうという意図が感じられました。
わかりやすいのは、31分のシーン。
右WB三鬼が斜め左へ楔のパスを、左シャドーの位置から逆サイドに流れていた山岸に送ると、山岸も斜め右前方にパスを繋ぎます。
すると、走り込んでいった右シャドーの渡邊が受けて、完全に相手の裏を取りました。
ただ、渡邉は余裕がありすぎたのか若干選択に迷ってしまった印象で、クロスを選んだものの相手DFにブロックされて終わっています。
まず青い四角で表示した三鬼のところで、斜めのパスを選択したわけですが、三鬼と対面していた磐田の大森は背後の渡邊へパスを出されると警戒したのか、縦を切ってしまいます。
これによって斜め前方の山岸へのパスコースが空いて、三鬼に楔のパスを通されてしまいました。
三鬼はこのシーン以外でも斜めの楔のパスを何度も供給し攻撃の起点となっていましたが、三鬼のパスセンスには昨年5月の試合でジェフも苦しんだことがある印象です。
さらに、三鬼からのパスを受けた山岸は、ダイレクトで渡邊に繋いでおり、このプレーも良かったですね。
ここでも山岸と対面した磐田の藤田は縦を切らざるを得ず、渡邊へのパスコースを消すことはできませんでした。
斜めから斜めへとパスを繋ぐことで磐田の守備をうまくかわして相手を崩しており、斜めのパスの有効性が感じられた攻撃だったと思います。
また、別のシーンでも15分に右サイドの三鬼が起点となって、前線から下がってきた左前方のFW大槻へパスを繋ぎ、大槻も左前方のWB山田へと斜めのパスを供給。
横へのサイドチェンジを展開しつつ、前への攻撃も仕掛ける形を作っています。
単純に真横へのサイドチェンジだけでは相手ゴールには迫れないですが、斜めのパスをうまく使えばゴールに近づきながら、サイドへも展開できることになります。
サイドなどで選手が密集し小さなトライアングルを作って、細かく斜めのパスを繋ぐ攻撃はよくあると思います。
しかし、山形は楔のパスなど比較的長めのミドルパスを使うことによって、広くピッチを使いながら、攻撃の展開も速くすることが出来ていた。
これによって守備側の消すコースをかわし、素早くゴールに迫ることができていたのではないかと思います。
木山監督からバトンを受けた石丸監督も、愛媛や京都で指揮を執った際は守備の監督というイメージが強かったのですが、開幕戦では非常に面白い攻撃を作っていたと思います。
ただ、残念ながらゴールには結びつかなかったということで、チームとしてはそこが課題となるのでしょう。
最後の部分では個の能力も重要だと思いますし、磐田戦で途中投入されたアラウージョや開幕戦では不在で鹿島から加入した中村充孝の存在がカギを握ることになってくるのかもしれませんね。