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尹監督「サイドの選手たちには突破を望んだ」

 昨年の最終節に続いて、ホームで栃木に0-1で敗れてしまったジェフですが、すぐに次の試合がやってきます。
 連戦の中日はアウェイで金沢との対戦です。
 ジェフは開幕戦もホームでしたし、今年初めて関東圏外で試合を行うことになりすね。


 一部主力メンバーが抜けた金沢ですが、今年も攻守において組織的に戦い、しっかりとしたサッカーをしている印象です。
 スタイルとしては栃木にも近いイメージで、ハードワークがベースのチームですが、マンマーク気味で粘り強く守ってくる。
 2トップからプレスを、しっかりとかけてくるのも特徴だと思います。

 ビルドアップにおいては、前線をめがけたロングボールも多い攻撃。
 しかし、遅攻時などには、ショートパスも繋いでくるチームだと思います。
 そこはこのチームの軸とも言える、大橋と藤村のダブルのランチコンビの存在が大きいと思います。


 また、開幕戦でも取り上げた、前線のルカオは再開後も活躍。
 球際で戦えるタイプで、守備面でも健闘し攻撃面でもターゲットとして貢献しています。

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 また、大卒新人でここまで全試合にスタメン出場しているFW加藤陸次樹、昨年は愛媛でプレーしたSB下川などの仕掛けも武器となっている印象です。

 しかし、ここまでのところ、金沢の成績は1勝1分2敗と決して芳しいものではありません。
 前節甲府戦も前半に2点を取られて、1-2で敗れています。
 良い形で攻め込む展開は作れているものの、アタッキングサードで崩しきる、チャンスをモノにするといった部分で、物足りなさがあるのかなと感じます。

 その一方で前々節新潟戦は、アウェイで5-3と派手な打ち合いを制しています。
 金沢の特徴の1つに若い選手の抜擢と活躍があるので、勢いに乗れば強いということでしょうか。
 新潟の守備組織にも問題があった印象ではありますが。


 前節・前々節は中央大から加入したFW加藤、大阪体育大学から加入したSH西田、興國高校から加入した右SB高安と、3人ものルーキーがスタメン出場。
 また、CB石尾も20歳、MF大橋が24歳、ルカオと下川も25歳と、レギュラーの平均年齢が低い印象です。
 さらに、前節途中出場で活躍した島津や山根は21歳、杉井は20歳、窪田は19歳、杉浦力斗に至っては興國高校からの特別指定でまだ17歳と、控えにも若い選手が並んでいます。

 この若い力が、連戦の中で良い方向に作用するのか。
 メンタル的に前節の敗戦を引きずってしまえば問題ですが、体力面では優位に働く可能性もあるかもしれない。
 また、多くの若手選手が切磋琢磨する中で、スタメンも変わってくるかもしれませんが、試合の中で一気にブレイクする選手が出てくるかもしれません。


 それが若い選手が多くプレーするチームの強みだと思いますし、若い選手が勢いに乗ればチーム全体も波に乗って成長していく可能性がある
 一方のジェフはチャン、高橋、山下など、一部の若手選手がスタメン出場しているのは好材料ですが、それ以外は20代後半から30代の選手がほとんど。
 ジェフ対金沢戦は、ベテランチームが若いチームと対戦する構図とも言えるのではないでしょうか。

 ジェフは前節栃木戦でも攻撃面での課題が浮き彫りになったので、金沢戦でもそこがポイントとなるかもしれません。
 尹監督は試合直後のDAZNでのインタビューで、「サイドの選手たちには突破を望んだがうまくいかなかった」と話しています。
 確かに山下のシュートや船山のヘディングシュートなどはサイドからの攻撃でしたし、今年はやはりサイドアタックが攻撃のテーマとなるのでしょうか。


 ただ、個人突破という意味では、米倉もそこまで得意なわけではない。
 左足でのキックの精度が高い堀米もスピードはないので、サイドを一人で駆け上がって崩せるタイプとは言えないでしょう。
 個人突破だけで考えれば前節怪我から復帰した為田が一番なのでしょうが、それ以外のプレーには課題が多く、クロスの精度も低いので突破しても得点に結びつきにくいという課題があります。

 また、SBの攻撃参加を控えているジェフだからこそ、SHには縦への突破だけでなくさまざまなタスクが要求されると思います。
 そういった意味で考えると個人での打開もチャンスメイクもゴール前への飛び込みも期待できる船山が、意外と尹監督の望むSHに近いのかもしれませんね。
 だから、ちばぎん杯ではFWでしたが、再開後はSHで途中投入されているのかもしれません。


 ただ、その船山もサイズや守備面では若干の不安もあると思いますし、SH選びには今後も悩むの可能性があるのではないでしょうか。
 尹監督がSHへ期待するタスクが多いからこそ、難しい状況となっているように思わなくもありません。
 いずれにせよ、サイド攻撃がメインとなるのであれば、SHのプレーが重要となってくるでしょうし、SHの選手にさらなる奮起を期待したいところです。

 ジェフとしては敗戦後の連戦ということで、微調整が難しくなる展開とも考えられます。
 しかし、そもそも攻撃の基本コンセプトが朧げなのであれば、微調整では状況は改善されないということになると思います。
 まずはどういった攻撃を狙うのか明確にしていかなければいけないと思いますし、その上でSHのチョイスも決まってくるはずではないでしょうか。
 攻撃面での手応えが欲しいところですね。