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9人先発入れ替えのジェフ、セルジーニョを止めて3-0の勝利

 町田戦で勝利したジェフですが、今回はスタメン9人を入れ替え。
 金沢戦で大幅入れ替えをした時は、前線の敗戦を踏まえての入れ替えかと思っていましたが、今回は町田戦の勝利後に入れ替え。
 連戦中でもメンバーを固定化したこともありましたし、その時その時でメンバーを決めていくということなのでしょうか。

 また、相手チームの状態を見て、このチームならメンバーを落としても行けるという判断もしているのかもしれません。
 この日は田口、山下などを外しで、主力組ではない構成になったと思うのですが、それでも今の松本の状態なら勝てると踏んだのか。
 実際、松本は元気がなく、プレーにも凄く迷っている印象を感じました。


 それほどまでに、松本の出来が酷い内容だったと思います。
 やっている内容に問題があるという以上に、自信を失っている印象。
 試合前に「今は何よりも一度悪い流れを断ち切ることが大事」ではないかと話しましたが、連敗が続いてよりその傾向が強くなっていったのかもしれません。

 やっていることはそれなりなのに、自信がなく結果が出せないというのが、一番よくない状況だと思います。
 これで松本は5連敗で、相手の方が心配になるような試合でした。
 一方のジェフはこれで今季初の2連勝となります。

■寿人と増嶋のゴールで2点を先制

 前節町田に勝利したですが、CBは増嶋と岡野、左SBに下平、ボランチは小島と高橋、SHに矢田と為田、FWに寿人とソロモンと、ゲリアとGK新井以外が入れ変わりました。
 ベンチには工藤も入っています。
 増嶋は布監督との師弟対決になりました。
 
 4連敗中の松本もメンバーを一部変えて、キャプテン田中隼磨がメンバー外で鈴木雄斗が右WBに移りました。
 3バックに常田、前が入り、ボランチ米原、久保田がシャドーに上がり、左WBに元ジェフの高木利弥。
 シャドーのセルジーニョが復帰、控えにも塚川が復帰しました。


 松本がボールを持つ展開で始まりましたが、7分にジェフが先制。
 矢田からのアーリークロスに対して、森下とGK村山がお見合いのような状態になり、寿人がスライディングで飛び出してゴール。
 寿人らしいピンポイントで合わせるシュートでした。


 9分、松本のチャンス。
 左サイドからのCKをセルジーニョが蹴ります。
 ニアで森下が競り勝ちますが、ヘディングシュートはバーの上。


 その後も松本がボールを持ちますが、イージーパスミスが目立っていました。
 18分、松本の攻撃。
 鈴木のドリブルでの侵入からクロスを上げると、高木がファーで頭で合わせますが、枠を捉えきれず。

 21分、ジェフが追加点。
 右サイドから、ゲリアがロングスロー。
 これをニアで松本の選手が触ると、ファーの増嶋がフリーで合わせてヘディングでゴール。


 24分にもジェフのチャンス。
 矢田からのパスを受けたゲリアが、グラウンダーのクロス。
 ソロモンが飛び込みますが、合わせきれず。

 その後も松本が攻め込みますが、チャンスが作れない展開に。
 セルジーニョがボールを触ることが多いものの後ろ向きなことが多く、無理に長いボールを蹴って失敗する場面も目立っていました。
 ボールを持っても迷っている時間が長く、2点を追う状況にもかかわらず、攻撃の勢いを加速させていくことが出来ない状態でした。


 ジェフは2点をリードして守備でも無理をせず、カウンターを狙う展開。
 41分には松本のチャンス。
 セルジーニョ、藤田とつないで、高木のクロスからファーの鈴木がフリーで合わせますが、ゴールネットの外。

 前半終盤は徐々に松本の動きが改善されていき、ジェフの運動量も落ちていった印象でした。
 しかし、シュート2本で2点を決めたジェフが、リードして折り返します。

■セットプレーから追加点をあげ3-0で勝利

 HTを挟んで、ジェフは寿人を下げて工藤を投入し、そのまま前線に。
 松本は藤田、高木を下げて、塚川、高橋を投入。
 後半に入って、オープンな展開が増えていきました。

 53分、ジェフの攻撃。
 中盤右サイドからのFK。
 矢田が短くつないで小島が放り込むと、増嶋が飛びますが枠の外。


 その直後、松本の攻撃。
 左サイドからのロングスロー。
 高橋が投げると、こぼれたところを塚川が拾ってミドルシュートを放ちますが、枠を捉えきれず。

 57分にも松本の攻撃。
 塚川からの縦パスを、セルジーニョがボックスの間で受けます。
 そのまま持ち上がってミドルシュートを放ちますが、枠を捉えきれず。


 61分、ジェフの攻撃。
 工藤が左サイド前方でボールを奪い、ソロモンにパス。
 ソロモンが早いタイミングでミドルシュートを放ちますが、枠には飛ばせず。

 67分、ジェフが追加点。
 左サイドで得たFK。
 矢田が蹴ると、ファーでフリーになった増嶋が合わせて3-0。
 

 70分、松本の攻撃。
 左サイドで受けたセルジーニョが切り込んでミドルシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。
 その直後、松本はセルジーニョ、阪野、鈴木が外れ、イズマ、アダイウトン、中美が入り、4-4-2に変更となりました。

 74分、ジェフは4枚替え。
 ソロモン、為田、矢田、ゲリアを下げて、山下、米倉、見木、チャンが入りました。
 右WBに米倉、左WBに下平が入り、小島、見木、高橋のトリプルボランチによる5-3-2になりました。


 3人を替えた松本ですが、逆に流れが悪くなっていきます。
 3点取られてモチベーションが落ちたのか、交代選手の動きも少なく、停滞状態に。
 逆にジェフが前に持ち込める回数が増えていきます。

 後半AT、小島からボールを奪った、久保田がミドルシュート
 しかし、これも決まらず、3-0でジェフの勝利となりました。

■前半のセルジーニョを止める

 松本は試合序盤の内容が悪く、そこがすべてだったと思います。
 前半終盤からは運動量も増していき、良い攻撃を作りかけた場面もあったので、あれが初めからできていれば、ここまで一方的な展開にはならなかったかもしれません。

 ただ、松本はこれまでの試合でも前半の出来が悪いことが多い印象があり、そこも含めて大きな問題を抱えているということかもしれませんが。
 逆に言えばジェフは、前半は上手く戦えたと思います。
 前節のように十分にリードすれば安定して戦えるジェフですから、前半良くないことが多い松本とは相性が良かったとも言えるのではないでしょうか。


 特にうまくいったのは、守備でセルジーニョを止められたこと。
 この日のジェフは前線に山下がいなかったこともあって、前からのプレスはより期待しづらい状況だったと思います。
 そのため、セルジーニョへのパスは通されてしまい、ボールを触られることが多かった。

 しかし、セルジーニョにはしっかりとDFがついていって、パスが入っても前を向かせない。
 そうして相手の動きを遅らせるうちに、MFと囲んでボールを奪う。
 あるいは、バックパスをさせて、攻撃をストップするという展開が作れていたと思います。


 セルジーニョは元々ボールを触りたがるタイプだし、下がって受ける動きを今年の松本は許している印象がある。
 そのため、高い位置で前の向けないセルジーニョは、徐々に低い位置でボールを受ける回数が増えた。
 ジェフからすればチャンスメーカーがゴールから遠ざかったことで、怖さが薄れていったように思います。

 これがジェフの守備の理想の1つと言えるのでしょうか。
 相手の後方ではボールを持たせて、縦パスを出させることはある程度許容する。
 そこからMFとMFのゲートを閉めるのではなく、パスが出たらDFなどが前に付いていって、MFと囲んで奪うと。


 また、前半に関しては、単純に松本の動きが悪すぎたことも大きいでしょう。
 ボールを持っても悩む選手が多く、縦パスが入ってもその他の選手が連動して動かないから、ボールも選手も止まっていた。
 選手の動きが少ないからパスの距離も長くなり、そこで無理に長いボールを蹴るからボールを失い、ボールを失うからさらに萎縮して動けなくなり…と、悪循環に陥っていた印象でした。

 それが前半終盤から後半に入ってから、ようやく選手たちが動けるようになった。
 前線の裏への動きも出てきたし、後方の選手が前に出ていくプレーも増えた。
 そうやって選手の動きが増えれば、ジェフの守備も的が絞れなくなり、スペースもできてくる。


 実際、そこから良い攻撃を作れていたし、セルジーニョも前を向く機会が増えた。
 逆にジェフとしては徐々にラインも下がり、間で受けるセルジーニョも捉えきれなくなった。
 前半終盤から後半途中までのジェフの守備は、決して完璧ではなかったと思います。

 ただ、セットプレーから3点目を取って松本が選手を交代すると、また松本の動きが停滞してしまった。
 ここが自信のないチームの問題でもあるのでしょうね。
 自信が持てないからリードが広がると、どこかで諦めてしまうところがあるということかもしれません。


 松本はともかくとして、ジェフとしては前半のような守備が続けられるかどうか。
 前半途中までは高かったラインも、相手の動きが活性化すると下がりがちになってしまったし、マークも捉えきれなくなった。
 それを助けるためにも、やはりもう少し前線からの守備を改善した方がいいのではないかと私は思うのですが…。

 この試合では、セットプレーから2ゴールを上げられたことも大きかったと思います。
 やはり増嶋はセットプレーに強く、それは布監督時代の市船の頃から武器でしたね。
 その布監督への引導を、増嶋が渡すことになるのか…。


 冒頭でも言ったように、松本はやることは大きく間違っていないのではないと思うけれど、結果が出ないから自信が生まれてこないのではないかと思います。
 そして、それが一番嫌なスパイラルなのではないでしょうか。
 やることにどこか問題があればまだ修正できるけれど、問題がないから修正も出来ず、大きくチームに変化を加えにくい状況となってしまう…。

 そうなると監督交代をせざるを得ないとなりがちではないかと思うのですが、今年は降格がないから様子を見ようとなるのか。
 しかし、松本はJ2降格直後だし、サポーターなどの不満もあるでしょうから、果たして…。
 現在のサッカーに自信が持てないのは、反町監督時代の栄光などもあるのかもしれませんから、やはり成功直後・長期政権直後の監督交代は難しいですね。


 それはオシム監督直後のジェフも、同じだったのかもしれません。
 しかし、ジェフの場合はあれからの低迷が長すぎるし、選手もすぐに大きく入れ替わっただけに、その後に関してはそれだけではなかったようにも思いますが…。
 少なくとも今のジェフにとっては、言い訳にはならないことではありますね。

 松本の話が長引いてしまいましたが、相手のことがあるのもサッカーですから、そこは無視できないところだと思います。
 ジェフに関しては、次もすぐに待っていますので、この勢いを止めないことがまずは大事ですね。
 ここからは上位チームとの対戦が控えていますので、そこで真価が問われるのではないでしょうか。