前節の勝利で今季初の連勝を遂げ10位となったジェフですが、勝利の余韻に浸る時間もなく次の試合が待ち受けています。
水曜日に対戦した松本はこの敗戦で5連敗、順位も19位にまで落ち込んでいますが、ここからのジェフは上位チームとの対戦が待ち受けています。
ここからが本当の勝負と言えるのかもしれません。
ジェフの日程と対戦相手の順位を、表にまとめてみました。
現時点での順位ではありますが、ここからの試合で1位長崎、2位徳島、3位北九州、5位京都、6位新潟、7位磐田と対戦することになります。
ちなみに、4位は大宮でジェフは再開直後に対戦し1-0で敗れていますので、それ以外の1位から7位のすべてのチームとこの1カ月で戦うことに。
上位を直接叩くチャンスでもありますが、厳しい試合が待ち受けているかもしれません。
日曜日に対戦する磐田は再開直後に躓いたものの、ここ4戦は負けなしと徐々に調子を上げてきている印象もあります。
サッカーのスタイルは開幕戦から変わらず。
しっかりとボールを繋ぐ、パスサッカーを展開しています。
最終ラインでボールを左右に回し、SBやSHなどが外で受けてポイントを作る。
そこで相手を引き付けておいて相手を広げ、ハーフスペースで他の選手が間を取ったり、裏に走ったりという攻撃の狙いが特徴的です。
SBにもパス出しの部分を要求し、FWやボランチがハーフスペースから走ってサイドに流れることもあり、チーム全体でパスワークを作り上げようという意識のあるチームではないかと思います。
上記リンク先でも書いた開幕戦の印象から変わりませんが、一方で再開後の苦戦の要因はハーフスペースの攻略ばかりを意識し過ぎてしまっている。
あるいは、ミドルスペースまではパスワークの形が作れても、ゴール前までは攻略できないといった点などが課題なのかなと思います。
そんな中でSH大森が調子を上げてきており、大森が多少強引にサイドやハーフスペースからカットインして仕掛ける攻撃がアクセントになっている印象です。
また、本来はボランチである21歳の伊藤洋輝が左CBに入り、鋭い長短のパスを展開するようになったことで、左右に広げた相手を攻略するキーマンとなっているように思います。
前節大宮戦では素晴らしいミドルシュートも決めていますが、ジェフはCBへプレスに行かないだけに、伊藤の左足にどう対処するのかもポイントとなるのではないでしょうか。
ジェフは2連勝を遂げましたが、前節は松本の状態が悪すぎただけに、何とも言えない部分もあると思います。
攻撃は足し算で相手以上に自分たちがどう攻略するかが重要になりますが、守備は引き算で相手の攻撃に対してどう対処するかが求められるはず。
それだけに今季は守備的なサッカーを展開するジェフの試合を見る上では、相手の攻撃力が重要となってくるはずです。
特に後方を固める守備をしていますから、跳ね返す部分は良いものの自分たちの前にスペースが出来がちなので、そこで相手がパスを繋いできた時にどう対処するのか。
そのため相手の技術力やパスワークがポイントとなってくるはずで、例えば東京Vはフィジカル不足でも技術とパスセンスに優れたチームだから、ジェフは劣勢に立たされた。
一方で得点力やパスワークに課題のある山形や町田、松本などには、無失点で終えることが出来た。
要するに単純にこの2連勝は、相手の攻撃力やパスワークのレベルが低かったから優位に戦えたのではないか。
ジェフの戦い方や内容は大きく変わっていない印象ですし、相手の攻撃力が高ければ苦戦する…という可能性も十分あるように思います。
それだけに、改めてここからの上位連戦で、ジェフの真価が問われるのではないかと思います。
攻撃力の高いチーム相手でも、失点を抑えることが出来るのか。
守備で大きく崩れず、安定したサッカーが展開できるのか。
90分間戦えるのかなども含めて、問われる部分は多岐にわたるのではないでしょうか。
また、磐田戦では田口、川又など古巣対決の選手もいるので、そこも話題となるのかもしれません。
ジェフは金沢戦に続いて、大幅に入れ替えたメンバーで松本に勝利しましたが、またメンバーを戻すのでしょうか。
今年の夏は特に暑いですし、過密日程の中で選手起用にも注目が集まります。
連戦の中でも大幅に入れ替えたり、固定化したりとスタメンが読めないジェフですが、その時に応じて選手をやりくりしていくということなのかもしれません。
今後もこのやり方で行くのであれば、細かなチーム作りや熟成などだけでなく、チームの管理・運営能力も問われていくことになるのでしょう。
コンディショニングはもちろん、選手の組み合せ、モチベーションのコントロールなども重要となってくるのではないでしょうか。
連戦中ですからチームの勢いも重要だと思いますし、ジェフは2連勝の波を止めずに戦っていきたいですね。
磐田も調子を上げているとはいえ、前節大宮戦も引き分けに終わっていますし、まだ軌道に乗ったとまでは言い難いと思います。
本来は優勝を争うポテンシャルのあるチームだと思いますし、調子に乗り切る前に叩いておきたい相手なのではないでしょうか。