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WBとCBが外に開いてシャドーとボランチが中を取る展開

 ジェフが3バックに変更して約3か月が経ち、攻守に馴染んできた印象も受けます。
 基本的には4バックのチームの方が多いので、攻撃ではいかにギャップを使い、守備ではいかにギャップを埋めるか。
 ギャップが生まれるのは当然なわけですから、そこでどう工夫して優位に立つかが重要ですね。

 攻撃時のジェフは、WBが大外に開いてボールを受ける。
 3バックでは王道の形ですが、そこへさらにCBも外でサポートするのが特徴ですね。
 ここで相手守備陣を引き付けて中央を空ける。


 そこへシャドーやボランチが寄って、サイドの中寄り…いわゆるハーフレーンでポイントを作る。
 特に最近目立っているのが、シャドーが中から外寄りに流れて動く流れ。
 船山がこの動きで、うまくボールを引き出していますね。

 1トップ2シャドーが前線に位置すれば3トップとなるわけですが、相手が4バックならCBは2枚。
 WBやCBがサイドに流れれば相手SBは外に出なければいけないわけで、そこのギャップでシャドーが受けるということですね。
 そして、シャドーにボールが入れられなければ、ひとつ前のボランチが受けるという形が増えているように思います。


 以下は、金沢戦での9分のシーン。

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 中盤でのセカンドボールの拾い合いから、ジェフが左サイドへ展開。
 小田が少し持ち上がって、ボランチの田口、小林へとつなぎます。

 このあと小林は船山に預けると、自ら走り込んでいってボールを受け直します。
 小林がサウダーニャへと繋いでさらに飛び出していきますが、サウダーニャのラストパスは合わず。
 結果的には、シュートまで持ち込めませんでした。


 しかし、この場面でもWBとCBが大外に張ることによって、金沢の守備陣がサイドに釣られています。
 さらに前線を見ると、1トップ2シャドーの3枚が高い位置を取ったことで、ボランチの藤村が最終ラインまで下がっています。
 それによって、ボランチの小林がぽっかりと開いて、ゴール方向に攻め込むことが出来ました。

 金沢はマンマーク主体の守備ということで、藤村が船山についていったのでしょう。
 しかし、マンマークなら小林にも誰かがつかなければいけなかったはずで、そのあたりの甘さがここ5試合で10失点という金沢の問題につながっているのでしょう。
 この場面でいえば、ジェフから言えばうまくできすぎだった印象もあります。


 とはいえ、動きでいえば、これに近い形が増えているのではないでしょうか。
 中盤でサイドチェンジをして、大外でWBなどが一度受けるか囮になっておいて、シャドーやボランチがハーフスペースを取る。
 サイドだけだと窮屈になりかねないし、いきなり中央寄りのスペースは取りにくいわけですから、そこの2レーンでうまく形を作るということですね。

 これによって相手を押し込るし、ボールを動かすことも一時期よりは出来ていると思います。
 ただ、サイドやハーフスペースでボールを動かせたとして、そこからどうゴール前に入っていくのか。
 そこの大きな壁は、まだ克服できていない印象があります。


 このシーンでも良い形で小林が縦パスを出せたものの、最終的には小林1人がゴール前に飛び出す形で、確率は高くなかったように思います。
 あるいはサイドチェンジの流れから、船山が斜め外に出て受ける展開は作れていますが、完全に船山がマークをはがせていることは少ない。
 そこで船山が相手を背負いつつ起点になったとして、そこからどう攻撃を作っていくのか。

 今年の序盤は右SHに入った福満が左に流れて、見木、岩崎、小田などとパスワークを展開していました。
 そこまでは作れていたけれども、そこからゴールに結びつけるといった点が克服できず、諦めてシステムも変えたのではないかと思います。
 今回もミドルエリアまではある程度形が出来ていることには変わらず、そこからアタッキングエリアにどう侵入していくかが大きな壁となるのかもしれませんね。