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田口のパスミスから群馬がカウンターで決定機を作る

 先日行われた群馬戦の36分、ジェフは相手のカウンターからピンチを迎えました。
 高木のシュートがGK新井の正面だったため失点は免れましたが、群馬の良い攻撃だったと思います。

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 中盤での田口のパスミスから、中山がボールを拾うと、縦に走り込んだ久保田に浮き球のパス。
 フリーになった久保田が少し持ち上がって、前線の高木にスルーパス
 高木はチャンと入れ替わす形で前を取りシュートを放ちますが、GK新井がセーブしています。


 ジェフとしては中盤中央でのパスミスからの展開なので、守備が間に合わず後手を踏む流れとなってしまいました。
 ボールロストまでの展開も振り返ると、左サイドから鈴木大輔がソロモンに縦パスを送りますが、そこを潰されて浮き球のボールになります。
 これを拾った田口がダイレクトでソロモンへと繋ごうとしますが、目の前にいた中山へのプレゼントパスとなってしまいました。

 ちょうど先週もお話ししましたが、田口は本来テクニックがあるだけでなく、パスを回してゲームを作れる選手なだけに、こういったパスミスが逆に目立つ気がします。
 ここではダイレクトでソロモンに送ればチャンスになると見た可能性もありますが、それにしても不用意なパスだったと思いますし、今回に限らずこういったミスが意外と多い。
 集中力などの問題なのかもしれませんし、そこが田口の大きな課題ということでしょうか。

yukkuriikou.hatenablog.com

 一方で、今回のシーンでは、群馬の攻撃の作り方も見事だったと思います。

 久藤監督になってからの群馬は、素早いタイミングで中盤中央の縦パスを送る攻撃を狙っているように思えます。
 それを成立させるためには、早くパスを出す意識を高めるだけでなく、そこに動き出す意識を持つことが大事になるはずです。
 図のシーンでも久保田、高木がジェフの中盤ラインの裏を取るように走っていっていますし、この場面以外でもこの動きが効いていましたね。

 それに反応して前線など他選手も動き出すことによって、連動した攻撃が出来るようになっていく。
 相手チームとしては早いタイミングで攻め込んでくるから守備をセットしにくいし、多くの選手が動き出してくるのでマークも捕まえにくい。
 近年はじっくりとしたパスワークが主流となっているようにも思うのですが、現在の群馬は素早いパスワークでのチャンスを狙っている印象です。


 上記の場面ではハーフカウンターとなりましたが、遅攻時にも同じようにボランチからバイタルエリアへの縦パスを積極的に突こうとしている印象です。
 オシム監督時代のジェフなどもそうでしたが、攻撃のポリシーが明確なチームは速攻でも遅攻でも、基本的な狙いは同じになるものだと思います。
 尹監督率いるジェフは、その攻撃のポリシーが見えてこないところが残念な部分ではありますね。

 ただ、群馬もジェフ戦では攻撃の回数が少なく、理想的な展開とまではいかなかったと思います。
 大分のようにジェフを引き出して疑似カウンターの形を作り出そうという思惑もあるのかもしれませんが、それにしても押し込まれすぎていた印象でしたし、守備に関しては課題も感じられました。
 そこが下位に苦しんでいる原因の1つでもあるのでしょう。

 また、試合の主導権争いは、単純な戦力差が出やすい部分でもあると思います。
 それによる苦労も大きいのでしょうが、徐々に負傷した選手たちも戻ってきているようですし、ジェフ戦でも大きく崩れることはなかった。
 第3者目線で見れば混戦のJ2残留争いは非常に面白い展開になっていると思いますし、その中で久藤監督体制になった群馬がどこまでやれるのか注目ではないでしょうか。