見木、末吉によるカウンターからのゴールとソロモンの苦戦

 5‐1での対象ということで、見どころの多い試合となった東京V戦。
 試合後にも話した通り、ジェフからすると前半終盤頃から前への姿勢を見せられたことが大きかったのではないかと思います。

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 軽く試合を振り返ると、6分という早い段階にジェフが先制。
 しかし、その後はジェフが押し込まれる時間が長くなる、苦しい展開となりました。

 5‐4‐1でうまく凌いでいたと言えば聞こえがいいですが、最前線のソロモンはハーフウェイラインよりも低い位置にいてプレスに行けていない状況。
 しかも、22分には失点まで同点にもなっています。
 相手からすればジェフを押し込んで司令塔でアンカーの佐藤優平から展開する形が作れており、そこからゴールも奪っているわけですから、むしろ東京Vペースだったとすら言えるのかもしれません。


 しかし、32分にジェフのカウンターからゴールが生まれて、流れが変わります。
 田口のスペシャルなゴールだったことには間違いないですが、この時の前へのスピードや人数のかけ方などが良かった。
 そこからさらに追加点も生まれて、後半は前への姿勢を取り戻して、防戦一方な状況を脱した展開だったと思います。

 尹監督が就任してからのジェフは、守備的なサッカーを展開してきました。
 しかし、カウンターが作れないこと、攻守に前への姿勢が見せられないことが大きな課題だったと思いますし、そこが変わったことが好調の要因ではないでしょうか。
 見方を変えると好調だからこそ、前に出ていけているとも言えるのかもしれません。


 2点目のシーンを振り返ると、右サイド後方で東京Vのプレスに合いますが、田口とパス交換をした福満がダイレクトで逆サイドに展開。
 この展開がまずは効いていて、東京Vの密集を回避し薄くなった逆サイドを突く形となりました。
 そこから末吉と見木が持ち上がって、末吉のクロスを後方から走り込んできた田口が素晴らしいボレーでゴールを決めています。

 40分にも右シャドーに移っていた見木は、ボールを拾ってうまく持ち上がり、左シャドーの船山にスルーパスを出しています。
 ここはGKマテウスに止められますが、こういった見木や末吉によるドリブルでの前進が、ジェフのポジションを回復し前への姿勢を高めていったように思えます。
 プレスだけでは押し返せていなかったし、2人のドリブルがキッカケで巻き返せた部分もあったのではないでしょうか。


 一方、苦戦したのがソロモンで、特に前半はジェフが後方で跳ね返してターゲットとしてソロモンに蹴り込むも、潰される展開が目立っていました。
 ただ、ソロモンは見木や末吉などと違って、自分でボールを持ち上がって、攻撃を作り上げるタイプではない。
 むしろ特定の位置で競り勝って、そこでサポートを待つタイプと言えるはずです。

 しかし、守備時に押し込まれてかなり低い位置にいるわけですから、その位置でターゲットとしてボールを蹴り込まれても苦しくなるのは必然。
 5‐4‐1で後方に人数のかかった状況ですから、サポートの人数も足りておらず、周囲には相手選手の方が多い環境。
 そこでターゲットになって1人でキープするというのは簡単なことではないし、だからこそ本来はあまり押し込まれたくはないはずです。


 もちろん細かなキープの技術などはあるとは思いますが、もともとそこまで器用な選手ではないでしょう。
 空中戦ではこの日も競り勝つ場面が見られましたし、それを周囲がうまく活かすかどうかが重要ではないかと思います。
 こういった押し込まれた苦しい状況では、後方で奪って前線に蹴り込むもボールを失ってしまい、前線の選手に批判が集まることも多いですが、劣勢の状況で前線のキープに頼っている時点で、チーム全体に問題があると言えると思います。

 ただ、もちろんソロモンにも、乗り越えなければいけない課題もあると思います。
 スタメンで起用された当初は運動量豊富に走れていましたが、2,3試合経つと失速しプレスも甘くなっていきました。
 そもそも昨年の段階であまりプレスには行けないタイプなのかなとは思っていたので、一時的に頑張っていただけなのかもしれません。


 それでも常時ポジションを修正してコースを切っているだけ、サウダーニャよりは守備で計算できるのでしょう。
 ただ、何よりも大事なのは、ソロモンが今後どういったタイプのFWになっていこうとしているのか。
 高さだけで活躍するのは難しいでしょうし、かといってすべてを期待するのも現実的ではないはずです。

 個人的に気になるのは、劣勢の状況でキープしきれないことよりも、シュートチャンスに関して。
 ソロモンはボールの持ち方も良く、うまく相手選手をブロックしながら逆足でシュートまでもっていくのがうまい選手だと思います。
 ただ、そこでワンタッチ足したり、半歩遅れてシュートを打とうとして、潰されてしまうことが目立っている印象です。


 より良い状態でシュートを打ちたいという意欲はわかるのですが、プロレベルだとその一瞬の遅れで相手に詰められてしまう。
 そこが現状で大きな課題となっているのではないかなといった印象です。
 ソロモンは足元でのシュートもうまい選手だと思うのですが、それをより早いタイミングで打てるようになり、かつ精度も落ちないようにしていくことで、高さ以外の武器を確立したいところではないでしょうか。

 昔のサッカーでは電柱FWなどと言われて、高さだけあれば戦力になることもありましたが、高さだけでなく走れて前にも飛び出せる巻などが登場した頃から状況は変わっていったと思います。
 ソロモンも高さに関しては十分見せてくれていると思うので、それ以外の強みを見せられるか。
 主力として試合に出始めて、このままプロの壁に屈してしまうのか、それともスッと壁を越えられるのか、大きな分岐点来ているようにも思うので、今は温かく見守ってあげたいところではないでしょうか。