先日行われた琉球戦では、熊谷がメンバー外に。
代わりに高橋が、中盤としては久々のスタメン出場を果たしました。
以下のFootball LABによると、高橋の中盤でのスタメン出場は、5月1日の新潟戦以来ということだそうで実に半年ぶり。
さらにこの時は5-3-2の右インサイドだったので、純粋なボランチとなると4月17日の栃木戦以来となり約7か月ぶりになります。
かなりの期間が空いたことになりますね。
なお、熊谷は試合後の尹監督のコメントによると、打撲による欠場だったようです。
ボランチに入った琉球戦での高橋は、しっかりとパス回しにも加わり、落ち着いたプレーを見せていたと思います。
ただし、ビルドアップ時には熊谷が最終ラインに下がって、左CB鈴木大輔を左前方に押し上げることの多い最近のジェフですが、琉球戦では田口が後方に下がることが多かった印象です。
後ろからの展開力を考えて、田口を下げる形となったのでしょうか。
高橋は47分に、ゴールを決めています。
高橋のゴールは今季3ゴール目で、昨年のゴール数に並んだことになります。
これがプロ通算10ゴール目にもなったそうです。
相手のパスミスからソロモンが右サイドをうまく抜けて、グラウンダーのクロス。
これがファーに流れて末吉が拾うと、末吉とマッチアップした金井が倒れます。
金井の転倒にって琉球守備陣の動きが止まってしまった印象もあり、後方にいた高橋がフリーになってシュートを決めたという流れでした。
高橋自身も「得意な形」と話しているように、十八番であるミドルシュートでのゴールでした。
今回は左足で決めていますが、左右両足でミドルシュートがうまいのが高橋の強みですね。
パワーも乗った上、コントロールも見事で、高橋の持ち味が出せたことになります。
ただ、一方で守備に関しては、もう1つなのかなといった印象も受けました。
琉球のパスワークに対してコースを消しきれない場面があり、琉球の1失点目も富所が浮き球の縦パスを出した際、対面の高橋の寄せが遅くなって防ぎきれなかった。
こういった細かな動きにおいて守備に課題があるため、ボランチでのスタメン起用が半年間も空いたところがあるのではないでしょうか。
ここ最近の高橋は、CBでのスタメンが2度ありました。
10月3日の松本戦では左CBとして出場するも、36分と早いタイミングで負傷交代。
そして、10月30日の山口戦ではチャンの欠場もあって、3バックの中央でスタメン出場を果たしています。
しかし、山口戦での高橋は前に潰しに行って交わされシュートを打たれるシーンもあり、相手のプレスを受けてクリアミスをしてしまう場面もありと、CBとして課題の方が目立ってしまいました。
後半序盤には草間に縦に抜かれかけ、何とか戻ってブロックする場面も見られましたが、あの守備対応もCBとしては軽率だったと思います。
ボランチならば縦を取られても後方にCBがいるからそこで対応ができるかもしれませんが、CBの後方にはGKしかいないわけですから、ともかく縦を切らなければいけなかったはずです。
それでも戻れて対応できたのは見事でそこが高橋のポテンシャルの高さではあるのでしょうが、動きとしてはまだCBになりきれていない印象で、ボランチの動きを最後尾でやっている状況に近いのではないでしょうか。
それでも尹監督がCBや左WBなどでも起用してきたのは、高橋に期待していろんなポジションを試しているという部分もあるのかもしれません。
ただ、高橋本人としてはCBやWBをモノにできているようには見えないですし、中盤に専念するために他チームで挑戦したいという気持ちが高まる可能性もあるのかもしれませんね。
高橋に関しては2列目などで見たいという意見も多いようですが、琉球戦を見てもやはり本来はボランチでの完成度を高めるべきではないかと感じました。
シュートがうまいと言ってもあくまでもミドルシュートがうまい選手ですし、むしろ琉球戦の66分にあった縦に抜け出してのシュートは決めきれなかった。
あそこでスピードある選手ならもっと前に出て良い状態で打てたと思うのですが、スピードがないことが2列目では使いにくい要因だと思います。
総合的に考えれば、ボランチで成長することが、一番ブレイクをイメージしやすい選手なのではないでしょうか。
そのためにもより展開力を上げていったり、守備での細かい寄せの判断やスペース管理、次への予測などを高めていかなければいけないのかもしれません。
最近は体も以前よりがっしりしてきたように思いますし、少しずつ経験も積んできているわけですから、そろそろ本格的な開花を期待したい時期になってきましたね。