予約投稿がうまく出来ておらず、遅くなって申し訳ありません。
取り上げ切れていなかった、年末年始に発表されたジェフの移籍関係に関して、まとめていきます。
まず、ジェフU-18から昇格が決まっていたFW齋藤来飛が、JFLのFCティアモ枚方へ育成型期限付き移籍することになりました。
育成型期限付き移籍とは23歳以下の選手が対象で、下位カテゴリーへの移籍にのみ使用することが出来ます。
通常の期限付き移籍とは異なり移籍ウインドー期間外でも移籍ができ、移籍元の事情によって選手を戻すことが出来るのが特徴ですね。
FCティアモ枚方は稲本、新井場、播戸が、共同オーナーとなって設立されたことで有名です。
現在の監督は市船黄金期とも呼ばれる時代に、大久保、増嶋、佐藤優也などとプレーし、プロ入り後は名古屋などで活躍した小川佳純が指揮を執っているそうです。
2020年から小川監督と共に巻誠一郎の弟である巻佑樹がGMに就任したということで、元名古屋コンビで強化を進めているということなのでしょう。
齋藤来飛は佐久間太一と共に、昨年8月にトップ昇格が発表になっていました。
ジェフでトップ昇格直後に、レンタル移籍が決まるのは珍しいですね。
欧州ではよくあるパターンといった印象もありますが、今後日本でも増えていくのでしょうか。
ただ、ジェフは若い選手を武者修行に行かせても、なかなか大きく成功することが少ない状況です。
ジェフのトップチームでの育成もうまくいっていないところがありますから、残しておくくらいなら外で経験を積ませるという発想でしょうか。
いきなりのレンタル移籍で苦労も多いかもしれませんが、なんとか糧にして成長してほしいと思います。
続いて、堀米がJ1鳥栖に移籍することが決まりました。
堀米は昨年山形にレンタル移籍した段階で、片道切符なのかなとは思っていましたが、まさかの個人昇格を果たしたことになります。
昨年から山下、堀米、岩崎など、ジェフで主軸になっていない選手のJ1昇格が目立っていますね。
堀米は2019年に、長く在籍した甲府からジェフに加入。
右SHやシャドーの位置で27試合に出場すると、1年目から6アシストを決めるなど、チャンスメーカーとして活躍します。
2020年にも左SHで開幕スタメンを果たすと、シーズン終盤には右SHで主力としてプレーし、23試合の出場を果たしています。
何よりも左足でのキックが高質で、プレースキッカーとして優秀な選手ですね。
さらに持ち上がってからのラストパスにもセンスを感じ、攻撃にアクセントを付けられる選手だと思います。
シンプルなアタッカータイプが多かった近年のジェフにおいては、貴重なエキストラキッカーだったと言えるのではないでしょうか。
ただ、スタミナには不安もあって90分間持たない試合も多かったし、守備でも真面目にこなそうという意欲は感じたものの、フィジカル的な弱さがあった。
2020年もシーズン半ばはスタメンから長い期間外れており、終盤も左SHにアランを置いて攻守に体を張ってもらって、左右でバランスを取っていたところがありました。
それでも攻撃面には課題があっただけに、堀米の左足に可能性を感じましたが、尹監督としては物足りない部分があったのかもしれません。
昨年は堀米が愛媛、京都での恩師でもある、石丸監督が率いていた山形にレンタル移籍。
第4節栃木戦ではスタメン出場も果たしますが、その後は長らく怪我に悩まされた模様です。
しかも、4月中旬には石丸監督も解任となり、8試合の出場にとどまってしまいました。
山形への移籍も石丸監督の存在が大きかったのでしょうし、その石丸監督がいなくなって山形残留も潰えたのではないでしょうか。
昨年苦労したこのタイミングで個人昇格となったのはさすがに驚きですが、そこは鳥栖側の状況も大きかったんかもしれません。
今オフの鳥栖は主力の流出が激しく、どうにかしてその穴埋めをしなければいけない状況なのでしょう。
主力流出の背景には債務超過に陥っている経営問題もあるのかもしれませんし、先月正式に明らかになったパワハラ問題もあるのかもしれません。
詳細はともかくとしてクラブがごたごたしていることには変わりないと思いますから、いろいろと苦労するシーズンとなるかもしれませんが、何とかJ1に残れるように堀米も頑張ってほしいと思います。
最後に、伊東が大分に完全移籍することが決まりました。
伊東は若い頃から将来を担う右SBとして期待されていましたが、鹿島では主力にはなりきれず。
昨年ジェフに加入したものの、1年で退団となってしまいました。
ジェフもゲリアなどが退団し、昨年から右SBは大事な補強ポイントでした。
伊東は第4節松本戦でジェフ初出場初スタメンを達成すると、その後もコンスタントにスタメン出場を果たします。
しかし、第14節長崎戦以降はピタッと出場機会が止まり、そこからチャンスを得られず、6試合出場のみで終わっています。
ボールを持った時はさすがのセンスを発揮し、単純なテクニックだけでなくビルドアップ能力の高さを見せていました。
特に縦パスやスルーパスなどを出す能力が高く、味方の選手を走らせるロングスルーパスなど、視野の広さなども感じる選手だと思います。
パス出しの能力だけで言えば、ジェフでもトップのSBだったと思います。
しかし、フィジカル面においては非常に大きな課題を感じ、2戦目のスタメンとなった琉球戦でも対面の清水にあっさりと競り負けて、ヘディングで失点しています。
スピード面でも守備で後手に回ることが多く、攻撃でもオーバーラップからのクロスなどもほとんど見られませんでしたし、正直J2レベルのフィジカルに達していないのではないかとすら感じました。
ジェフ加入前の過去2年間で合計2試合にしか出場できていないのも、そういった問題を抱えていたからではないでしょうか。
ジェフは昨年途中で4バックから3バックに変更しており、スタイルやシステムの変更によって出場機会を失った選手もいたと思います。
しかし、今回の場合はむしろ伊東などがSBとして機能しなかったからこそ、3バックに変更せざるを得なかった部分もあったのではないでしょうか。
4バックのSBは高さなど総合的な守備力を求められることも多いですが、そこに対して伊東やその他のSB候補に不安があったということですね。
もちろんSBだけでなくCBにも物足りなさがあって3バックに変更したところもあったのではないかと思いますが、いずれにせよ昨年のSB補強は失敗に終わったという印象が強く残っていました。
その反省を受けての今季ですので、システムが変わったとはいえWBは積極的に補強しなければいけないと思うのですが、今オフは動きが少なかったですね。
現状だとむしろ人数は減っているような状況ですし、フルシーズンを考えると不安も残るのではないでしょうか。
移籍先の大分はJ2に降格しましたが、ともかく戦力維持を重視しているのか、ほぼ選手が引き抜かれていません。
しかし、その分補強もほとんどなく、マンネリ化も懸念される状況ではないでしょうか。
そこで、ジェフで戦力外だった伊東の獲得に、動いたのかなとも思います。
大分は昨年右WBが固定化されていませんでしたし、伊東なら4バックにも対応できることにはなりますが、伊東の場合はともかくコンディションを回復しなければ厳しいのではないでしょうか。
もともと怪我の多い選手で2018年には右膝前十字靭帯を損傷していますので、そこから苦労している可能性もあるのかもしれません。
昨年の状態から考えるといっそ中盤などにコンバートした方がいいのではないかとすら思いますが、いずれにしてもコンディション回復を最優先にして再び戦えるよう頑張ってほしいですね。