2021年の見木は、飛躍の年となりました。
開幕戦こそ途中出場でしたが、それ以外の全試合でスタメン出場。
14ゴールとジェフ得点王にも輝きました。
見木は2020年にも33試合に出場していますが、途中出場が大半で出場時間で言えば1477分。
2021年は3518分に出場していますので、倍以上の伸びとなっています。
ゴール数ばかり目立ちますが、全42試合出場はジェフ単独トップで、出場時間も鈴木大輔に続く2番手となっています。
前年のまとめでも「将来のジェフを背負って立つ選手」にと期待していましたが、期待以上の活躍を見せてくれたと思います。
攻撃センスもあって鋭く仕掛けられる上、ロングパスなども出せるプレーに幅のある選手だと思いますので、個人的には将来のジェフを背負って立つ選手として期待したい選手ではないかと思います。
ただ、見木は2019年に強化指定選手でジェフに加入した時から、光るものを見せていたと思います。
チームが低迷していたこともあって、アタッカー陣の中では一番可能性のある仕掛けが出来ていた印象でしたし、ゴールという結果も残しています。
2020年にはボランチでのプレーも増えましたが、田口顔負けのロングパスでチャンスを作るなど、ボランチでも能力の高さを見せていたと思います。
2021年はシャドーというゴールに近い位置でのプレーが増えたこともあって、ゴールシーンが目立つ年となりました。
もともと見木はボールを持つとゴール方向に仕掛けるプレーがうまく、相手をいなしながら攻め込むことが出来る選手。
派手なパフォーマンスなどではなく、効果的なドリブルが出来る選手だと思いますが、そういった特徴をよりゴールに直結するプレーで見せることが出来る年だったと思います。
さらにメンタル的にも動じないものがあって、シュートシーンでも落ち着いてプレーしています。
本人としても、自分のプレーに自信があるのではないでしょうか。
テクニックもさることながら、プレーがぶれないですね。
加えて、見木はゴール前に入っていく、タイミングやポジショニングも素晴らしい。
ゴールへの嗅覚とも言えるのでしょうが、それだけ視野が広くゴール前を見えているということでしょうか。
日刊スポーツによると、見木のヘディングでのゴール数は4つもあり、これはJ2ゴールラインキングのトップ20で見ると得点王のルキアンに次ぐ2番手タイの成績となります。
171cmと小柄でフィジカルもそこまであるタイプではない見木が、これだけヘディングでゴールを決められているわけですから、足元の技術だけではないセンスがあるのでしょう。
狭いエリアでの仕掛けもうまいですが、それだけではなくスペースを見つける能力にも秀でた選手ではないかと思います。
さらに守備においても、CFソロモンを追い越して相手CBにプレスに行くなど貢献。
ファーストディフェンダーになることが多く、献身的な姿勢を見せていました。
特に昨シーズン終盤のジェフは前線のプレスがチームを支えていた印象ですから、見木の存在は攻守において大きかったと言えるでしょう。
これだけの活躍を見せた見木ですから、J1クラブへの個人昇格も十分あり得るだろうと思っていました。
しかし、メディアなどでもあまり話題になりませんでしたし、良いオファーはなかったのでしょうか。
契約の問題もあったのかもしれませんし、まだ活躍したとはいえ1年間ですので、様子を見られたのかもしれません。
ただ、個人的に少し気になるのは、何度かシーズン後半に話しましたが、チームの流れなどが悪いと見木自身も消えてしまう試合が多いこと。
守備やラストプレーに絡むことは多かったですが、ビルドアップなどに関わることは少ない。
そこが評価が上がり切らなかった要因の1つなのかなとも思います。
2021年に13ゴールを上げ岡山からC大阪への移籍が決まった上門は、ゴールセンスもさることながら、ボールを引き出す動きもうまい選手。
ゴール前が窮屈な状況だと思ったら、サイドから縦に飛び出してパスを呼び込むなどして、攻撃を活性化する動きが出来ていました。
そのあたりが、見木には少し足りないと判断されたのかもしれません。
その分、見木はゴール前でのプレーに集中したということかもしれませんし、それで14ゴールも上げたわけですから立派なことには変わりありません。
しかし、マークが厳しくなれば簡単にはゴールを狙えなくなるかもしれませんし、そうなると試合から消えてしまうことも増えてしまうかもしれない。
それを考えると、もっと攻撃作りに関与してもいいのではないかとも思います。
そのためにも、より見木が主導して攻撃を引っ張るプレーを、見せて欲しいところではないかなと思います。
主力にベテラン選手が多いためか、どこか遠慮しがちな印象もなくはないですが、今年は前年の実績もあるわけですから、見木が攻撃のリーダーとなってもおかしくないはず。
そこを見せることによって、攻撃面においてピッチに君臨する見木を見てみたいですね。