今週末から一気に暑くなってきて、試合をするにも厳しい環境になってきました。
その中でもジェフは、横浜FCのプレスをかわしてボールを回し、前線からのプレスも効いていました。
ただ、試合展開はラストプレーまで1点ビハインドと、かなり劣勢な流れでした。
特に後半途中からはセットプレー以外でゴールに迫れない、内容の乏しい状況だったと思います。
前々節新潟戦もラストプレーで先制して勝点3を得ていますが、正直この2試合は運も大きいでしょう。
それよりも気になるのは、そこまでの展開。
プレスにもいけて、ボールも持てた。
横浜FC相手に思った以上に、そこをやれたことは大きいとは思います。
しかし、昨年もプレスもポゼッションも出来てはいたけれど、そこからどうゴールを決めて、勝利に持ち込むかが大きな壁。
その壁を越えなければ成長とは言い難いと思いますし、そこに対する改善策が見えるかどうか。
前半も何度かゴールに迫っていたとはいえ、個人技からのミドルシュートが多かった。
結果的にシュート本数は増えますが、ゴールには迫れていないことも多いだけに、そこがやはり課題ですね。
■小川に裏を取られて横浜FCが先制
ジェフは風間がメンバー外で、高木がスタメン復帰。控えには、新加入のFWチアゴが入りました。
ここ数戦の横浜FCはコロナの影響もあるのか、主力の齋藤功佑、イセカ・ゼイン、フェリペ・ヴィゼウ、中村拓海が不在。
高橋秀人も欠場で、前節プロデビューを果たしたばかりの田部井が初先発。
スタメンには元ジェフ武田も入っており、クレーベもベンチスタート。
5分、ジェフの攻撃。
チャンからの縦パスを高木がワンタッチで、右サイドへ落とします。
新井一耀が持ち上がってクロスを上げますが、GKブローダーセンが前に飛び出してパンチング。
ここからジェフがプレスにいけるようになり、ボールを持つ時間が伸びていきます。
長いボールをソロモンが落として、サイドから攻め込んでいく。
序盤の横浜FCは無理をしない意図か、ロングボール多めでロストが目立つ展開に。
16分には、横浜FCの攻撃。
ガブリエウがピッチ中央からロングパス。
小川が走り込んで何とか触りますが、GK新井が対応。
前半中頃まではジェフがボールを持つも中は攻略できず、シュートまで持ち込めない展開に。
横浜FCもジェフのプレスに苦しんでいた印象です。
しかし、30分過ぎからお互いプレスが甘くなって、動きが多くなっていきます。
31分、ジェフの攻撃。
高い位置で見木がボールを拾ったところから、ソロモン、秋山と繋いで見木へ。
見木が仕掛けて抜き切らずにミドルシュートを狙いますが、バーの上。
34分には横浜FCのチャンス。
左サイドから長い距離のFK。
手塚が蹴るとゴール前の小川がフリーで合わせますが、GK新井の正面。
36分にはジェフのチャンス。
中盤での浮き球をソロモンが頭で繋ぐと、見木が4人に囲まれながらシュートまで持ち込みます。
しかし、GKブローダーセンがキャッチ。
39分にもジェフの決定機。
GKブローダーセンから繋ごうとしたところから、ジェフがボールを奪い見木がフリーで鋭いグラウンダークロス。
ソロモンが潰れて高木が狙いますが、手塚がシュートブロック。
ジェフが何度か良い攻撃を作りますが、43分、横浜FCが先制。
中盤で右から左にパスを繋がれ、長谷川が右足でアーリークロス。
小川がチャンの背後を取ってフリーになり、ヘディングで決めてゴールを上げ、1‐0で折り返します。
■ラストプレーで同点ゴールを決めて引き分けに
46分、ジェフの攻撃。高木のスルーパスを見木が受けて、グラウンダーのクロス。
ソロモンがキープして、福満がシュートを放ちますが武田がブロック。
後半からジェフはプレスが甘くなり、横浜FCが攻め込む展開も増えていきます。
66分には横浜FCの攻撃。
FKの流れから、武田がミドルシュートを狙いますが、GK新井がセーブ。
その直後、ソロモン、高木、秋山を下げて、レオンソ、サウダーニャ、末吉を投入。
71分、横浜FCは足を釣った田部井、伊藤翔を下げて、安永、クレーベを投入。
小川がシャドーに移りました。
73分、ジェフは福満を下げて米倉を起用。
74分には横浜FCの攻撃。
中盤で安永、長谷川、武田と左に繋いでクロスを上げ、クレーベが落として安永が落とし、クレーベが足元で狙いますが、GK新井の正面。
75分、セットプレーからジェフの攻撃。
左サイドからのCK。
田口が蹴るとニアでチャンが合わせますが、枠を逸れます。
79分、横浜FCは長谷川、小川を下げて、松浦、サウロ・ミネイロを投入。
88分、ジェフの攻撃。
中盤右で得たFK、田口が蹴るとチャンがファーで狙いますが、大きく逸れます。
91分、横浜FCは和田に代えて中塩を投入。
94分、ラストプレーでジェフが同点。
末吉のクロスをチャンがファーで落とし、新井一耀がゴールを決めて1‐1で試合を終えました。
■ゲームを作れたジェフとゴールを狙える横浜FC
この日は立ち上がりから、ソロモンのポストプレーが効いていました。相手に押し込まれそうになってもロングボール一本でソロモンがキープし、そこを起点として押し返すことが出来ていた。
ガブリエウ相手に強さで勝ち、プレスでも貢献し、試合作りに大きく貢献していたと思います。
一方で横浜FCは前半序盤までロングボールを蹴り、前半途中からは楔のパスを狙っていった印象です。
楔のパスからの展開は横浜FCの狙いの1つ。
ジェフの守備陣はそこを理解してか、しっかりと前に出て潰しにいき、相手FWにポストプレーを指せませんでした。
言い方を変えれば、ソロモンはポストプレーで活躍でき、相手FW陣はそこで貢献できなかった。
その点で優れたことによって、ジェフが試合途中まで良い流れで戦えていたのだと思います。
しかし、ジェフはチームとして流れは作れたけれどチャンスまでは作れず、そこはFWだけの問題ではないでしょう。
一方で横浜FCの1トップ小川は裏への飛び出しで、何度もゴールに迫っていた。
ガブリエウからのロングパスやFK、そしてゴールシーンでもうまくジェフDFの裏を取って、一発を狙っていた。
チャンはやはり前には強く相手のポストプレーも潰していましたが、裏への対応やクロスへの対処は苦手な印象があります。
どちらのFWがいいかではなくタイプの違い。
さらに言えば、FWを活かせる攻撃を作れるかどうかでしょう。
ジェフはソロモンの高さを狙ったクロスなどはほとんどなかったし、ソロモンの落としからゴールに迫るスムーズな展開も作れてはいなかった。
一方で横浜FCは、チームとして小川の裏狙いを明確に狙っていたと思います。
ガブリエウからのロングパスも前半だけで2本あったし、中盤で右から左に繋いで武田と長谷川でクロスといった攻撃も意図的だったと思います。
ジェフサポなら知っているように武田のクロスも大きな武器になるし、選手の持ち味を出した攻撃作りが出来ているのではないでしょうか。
結果的にジェフは、プレスとポゼッションでゲームは作れた。
さらに相手のポスト潰しで、横浜FCのやりたいサッカーも封じることができた。
そこに関しては収穫だと思います。
しかし、横浜FCは明確にゴールに迫る形を持っていた。
ゲームは作れなくても、ゴールへ絵は明白に作れていた。
そこに差を感じた試合でもあり、ジェフの足りない部分を持っている印象も感じた試合でしたね。
とはいえ、ジェフも粘って引き分けには持ち込めました。
それを前向きに考えたいところではありますが、上位進出を考えるとあと一歩足りない印象もあります。
そのあと一歩を踏み出せるかどうかが、重大な差とも言えるのかもしれません。