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第10節 ジェフ 1-2 大宮 ボールを持たされたジェフが大宮に初勝利を許す

 9試合勝ち星のなかった大宮。
 後がなくなったせいか、原博実氏の入閣効果もあったのか、気持ちのこもった試合だったように思います。
 逆にジェフはそれに飲まれたのか、ミスも多い締まりの悪い試合でした。

 ただ、気持ちがこもっていたとはいえ、大宮の試合内容は課題も多いものだったと思います。
 ボールを失った直後のプレスは激しく、サイドからの仕掛けにも鋭さはありましたが、リトリート時の守備が非常に甘い。
 あそこまでジェフのボランチが自由にボールを持てたのは今季初だったと思いますし、サイドでも2、3本パスを繋ぐと簡単にフリーな選手が出来てしまう。


 しかし、ジェフはその大宮の守備に対して、今日もゴール前でシュートに持ち込む場面が作れなかった。
 セットプレーから1点は返したものの、攻めあぐねる展開の方が長く、そこが明確な敗因でしょう。
 ここ数戦もその課題が見られましたが、レオンソをスタメン起用した今日も変わらなかったことになります。

 結局、ミドルシュートが多いのも、CFを変えて外国人選手に期待するのも、チームとしてどうゴールに迫るのか、具体的な道筋が作れていないからでしょう。
 そこがクリアできなければ、いくらプレスに行けてボールを持てても、昇格は厳しいと思います。
 これで3戦勝ちなしということにもなり、はっきりとその課題が突き付けられた形ではないでしょうか。

■ミスから失点し攻めあぐねる前半

 ジェフはレオンソがスタメンで、ソロモンが控えに。
 ベンチにも新加入のダニエル・アウベスが入って、佐々木が外れました。

 原博実氏が入閣した大宮は、元ジェフ田代や大橋がスタメン復帰。
 新里、三門が控えに回りました。
 ベンチから富山、奥抜が外れて菊地、中野が入りましたが、大きくは変わっていません。


 大宮はここまでの試合と同じように、立ち上がりから積極的なプレスをかけてきます。
 攻撃はロングボール主体で、徹底してサイド裏を狙ってきました。
 ジェフのプレスを嫌ってのことではないでしょうか。

 7分、ジェフのミスから大宮が先制。
 GK南からのロングキック。
 流れたボールを鈴木が受けると、これを河田が奪ってシュートを放ち0‐1。


 12分にはジェフの攻撃。
 中盤から田口が思い切ったロングシュート。
 しかし、大山にあたってゴールの左を逸れます。

 ビハインドになったジェフですが、ボールを持ってもゴール前に侵入できず。
 逆に大宮のサイドからの仕掛けに、苦労する展開も目立ちました。
 前半中頃からはジェフがボールを持つ時間が長くなりますが、シュートまではいけない状況に。


 31分には大宮のチャンス。
 右サイド深い位置からのFK。
 柴山が鋭いボールを蹴ると、高田が競りますが、ゴールの左。

 42分にはセットプレーからジェフのチャンス。
 ゴール前で得たFKを、田口が直接狙います。
 これをGK南が弾き、見木が繋いで最後はレオンソが狙いますが、シュートは大きく逸れ、0‐1で折り返します。

■流れは変わらずカウンターから失点し1‐2で終了

 追いかけるジェフは、HTに秋山、福満を下げて、末吉、米倉を投入。
 しかし、流れは変わらず、後半もジェフがセットプレーからゴールを狙うも、チャンスは作れない展開に。
 大宮も攻撃には移れず、ジェフのポゼッションが続きます。

 攻撃が停滞する中、ジェフは55分にレオンソを下げてサウダーニャを投入。
 63分には大宮の大山が負傷交代。
 代わりに三門が入りました。


 64分、ジェフの攻撃。
 チャンからのパスを受け、見木が持ち上がりますが、マイナスのパスを供給。
 田口がミドルで狙いますが、足を滑らせて大きく外します。

 65分、ジェフの攻撃。
 GK新井からのロングキック。
 見木が拾って末吉が受けてクロスを上げると、あわやオウンゴールかと思われましたが、ゴールの左。


 ジェフが攻め込むも、ゴールを奪えずにいると、67分に大宮が追加点。
 河田が粘って田口をいなすと、チャンもかわして持ち上がってシュート。
 これが決まって0‐2になります。

 76分にも大宮の攻撃。
 見木のパスミスから、河田が柴山へパス。
 柴山が長い距離を走ってシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。


 81分、大宮は足の釣った高田と矢島を下げ、中野と小島を投入。
 ジェフも高木を下げてソロモンを投入し、サウダーニャが右シャドーに回りました。
 86分、大宮は河田、柴山を下げて、菊地、新里を投入し3バックに変更。
 
 その直後、ジェフが1点を返します。
 左サイドからのCK。
 田口が蹴るとニアで軌道が変わり、ゴール前でフリーになった新井一耀が決めて1‐2。

 試合終盤、ジェフは前線へロングボールを供給します。
 96分、ジェフが右サイドからのCK。
 田口が蹴って新井一耀が狙いますが、ゴールの右にそれ大宮が逃げ切りました。

■守備に課題の大宮と攻撃に課題のジェフの逆鉾

 ここ数戦は良い流れで戦えていたジェフですが、この日は流れも悪かったですね。
 やはりジェフは相手がボールを持てれば、プレスからリズムを作ることが出来る。

 しかし、今回のように相手にボールを蹴られると、ジェフのプレスが回避されてしまう。
 特に大宮はサイドの裏に積極的にボールを蹴って、ラインを押し下げようとしてきた印象です。
 第1節岩手戦でもこれをやられましたが、大宮もジェフを研究してきたのか、そこから押し込んでサイドから仕掛けてきました。


 長いボールを蹴って失っても、ジェフはボールを持っても怖くないのでリスクが少ない。
 むしろジェフはボールを持たせた方が攻めあぐねて流れが悪くなるとも言え、持たせた方がいいという判断だったのではないでしょうか。
 前節横浜FCのように無理に繋いでくれた方が、ジェフの流れは良くなりますね。

 また、この日スタメン起用されたレオンソは、やはり今のところソロモンほどの強さがない。
 後方からのロングボールもことごとく競り負けていて、前節はソロモンが起点になっていただけに、そこを失ったことも大きかったと思います。
 冒頭で話した通り、攻撃が組織的に作れないからこそレオンソに掛けたのでしょうが、そう甘くはないですね。


 レオンソは守備に関してもある程度こなしていましたが、前節途中投入した時ほどのプレスは出来ていなかった。
 スタメンということでペース配分もあったのでしょうが、1失点目も基本的には鈴木のミスだったものの、その前にレオンソがプレスに行かずGK南にロングキックを蹴らせてしまった。
 ソロモンだったらより強くプレスに行っていたのではないかと思いますし、ジェフは攻撃が作れないからこそスタメン交代で変化を期待したわけですが、結果的にプレスなどを蔑ろにしツケが回ってしまったのではないかとも思います。

 また、大宮はサウダーニャが1トップで起用された頃から、大宮は積極的にラインを上げてきました。
 サウダーニャはレオンソ以上に強さがないタイプで、前さえ向かせなければ怖くないタイプですから、ラインを上げることで後ろを向かせたのでしょう。
 元ジェフ田代の奮闘も目立った試合でした。


 大宮もリードして自信を取り戻したのか、後半の守備は頑張っていたと思いますが、それでも基本的にはかなり拙い守備だったと思います。
 特にリトリート時はジェフのボランチに守備すらいけていなかったし、サイドでも簡単にフリーな選手を作ってしまった。
 さらに局面でのマークの受け渡しもうまくいっていないことが多く、基本的な守備に問題を抱えていた印象です。

 マークが曖昧でもそこから前へプレスにいければまだいいですが、それすらいけていなかった。
 多分ファーストプレスのルールもはっきりしていないので、ボールを失った直後にはプレスにいくことになっているのでしょうが、リトリートからプレスにいくタイミグが掴めていない。
 ゾーンで引いて守るということなのかもしれませんが、相手のCBにもボランチにも行けていないので、特に前半はズルズルと下がってしまっていました。


 それに対して、ジェフも流れからはチャンスをほとんど作れなかった。
 印象的だったのが、64分のシーン。
 見木がゴール方向に持ち上がってチャンスを作れるかと思いきや、中央へバックパスを選択し田口のミドルシュートのミスで終わってしまいました。

 ミドルシュートが多いのも、相手の守備をどう攻略しどうゴールへ向かうのか曖昧だから、そこへと逃げているように見えます。
 攻め込んでいれば相手のゴール前よりも、1つ後ろのミドルエリアが空くのは当然のこと。
 そこへ逃げ続けているわけですから、ゴールが遠くなるのも必然とも言えるでしょう。

 結果的に守備に難のある大宮と、攻撃に難のあるジェフ、逆鉾盾のような試合になってしまいました。
 相手にカンフル剤が投入された感もあるとはいえ、それでも相手の内容からすれば勝たなければいけない試合だったと思います。
 やはり上位に引き分けで喜んでいては厳しく、しっかりと課題に向き合って打開策を考えていかなければいけませんね。