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原博実氏が入閣した開幕9戦未勝利の大宮と対戦

 今週はJ2で大きなニュースがありましたね。
 開幕してからここまでの9戦で3分6敗と未だ勝星がなく最下位に低迷している大宮が、前Jリーグ副理事長でもある原博実氏をフットボール本部長として招聘。
 ジェフはその大宮と、明日対戦することとなります。

 開幕前の一部予想では上位に名を連ねていた大宮ですが、J2を追っている方たちは概ね厳しく評価していた印象で、私も最下位ではないにせよ17位と予想していました。

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 この時にも話した通り、単純に戦力のバランスが良くないように見えました。
 矢島慎也、三幸、泉澤、大橋などボランチや2列目の選手を積極的に補強しましたが、馬渡、河面、山越、櫛引、翁長など多くのDFが退団。

 そこに対する補強は田代、茂木、新里くらいで、残留した選手では西村、山田将之しか実績のあるDFがいない状況でした。
 攻撃的なスタイルを目指すという意思表示なのかもしれませんが、そういったチームこそ後方がしっかりしていないと難しいですし、特にこのコロナ禍においてバランスの悪い選手構成はリスクが大きいでしょう。
 名の知れた攻撃的な選手ばかり補強してバランスを崩す傾向は、ジェフでも時折見られることがありますが、J2に降格した資金力のあるチームがやりがちな問題なのかなとも思います。


 また、霜田監督も一部では評価されている印象ですが、山口でも良かったのは就任当初のみ。
 そこからは右肩下がりで低迷し、2020年には22位と最下位に終わりましたが、コロナの影響で降格がなかったことで、目立たなかった印象もあります。
 ジェフも含めてコーチや強化部歴の長い方ですが、監督としてはまだ結果を残せていないと思います。

 大宮は前節甲府にも1‐3で敗れて9試合勝ちなしということで、さすがに監督交代の可能性もクラブ内で論じられたようです。

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 しかし、発表になったのは、監督交代ではなく原本部長の就任。
 霜田監督は直前まで原本部長の就任を知らなかったそうですが、2人はFC東京でも日本サッカー協会でも仕事をした間柄となります。

 予想外の選択を選んだ大宮ですが、なるほどなと感じる部分もあります。
 まず、先ほども話したように、大宮はオフの動向が怪しかった。
 霜田監督が強化も担っていたのかもしれませんが、クラブはシーズン中の補強も示唆しているようですし、強化面に不安があったのではないでしょうか。


 さらに、霜田監督はメソッドの面も、クラブに植え付けると期待されての招聘だった印象です。
 これは山口でも実施したからということなのでしょうが、実際には山口でどこまで根付いたのかわからない。
 さらに大宮規模のクラブで監督をこなしながらクラブ全体のコーディネートを行うのは重すぎるのではないかと思いますし、そこを原氏に任せたいといことかもしれません。

 また、原氏は監督時代から選手に近いタイプの指導者でしたし、特にメンタル面の部分において、直接的な変化も期待できるのかもしれない。
 ただ、そうは言っても、監督交代ほど直接的ではないでしょう。
 個人的にはFC東京時代の堅守速攻も好きだったのですが、さすがに監督としてはブランクが長すぎるでしょうか。


 今回の動きにおいて、一番のポイントは大宮の場合、残留すればOKというわけではないということ。
 J2でも下位予算のクラブであれば、1年毎に残留できれば成功と言えるでしょう。
 しかし、大宮の場合はそれ以降の浮上も狙っていかなければいけない立場ですから、短期的だけでなく長期的な視野を持たなければいけない。

 ジェフもここ数年はJ2残留争いに巻き込まれかねない位置にいましたが、残留できたからよしとはいかなかったはずです。
 残留した上で翌年以降、いかに成長しJ1昇格へ昇り詰めていくかがテーマとなる。
 そう捉えると監督より先に強化部トップを変更するというのは理にかなっているとも言えるのでしょうし、原氏にすべてを任せて強化を期待するという発想は面白いアイディアなのではないでしょうか。


 もちろん、明日のジェフ戦だけを考えれば、どこまで変化を期待できるかはわからない。
 ただ、まだ4月中旬で焦る段階ではないですし、それでもダメなら原氏主導で監督を変えればいい。
 結果的に2度カンフル剤を打てる可能性もあるかもしれないわけですね。

 大宮のスタイルは昨年後半と変わらず。
 ボールを奪い切るハイプレスと、サイド攻撃が持ち味。
 パスを繋いでサイドチェンジをしてからハーフスペースを狙ったり、大外で裏を狙ったりといった攻撃を狙っている印象です。

 しかし、リトリート守備に大きな課題があり、ラインがずるずると下がってパスの出し手を止められず、スペースも埋めきれていない。
 マークも曖昧なことが多く、前節のミスからの失点が目立っていました。
 自信を失っているのか流れが悪く、降格するチームに起こるような混乱も感じます。


 原氏の入閣でさすがに気を引き締めてくるとは思いますが、引き分けが続いているジェフとしては勝たなければいけない相手となりますね。
 ジェフは特に得点面が課題で、ここまでの総得点6は総得点8の大宮よりも下の成績となります。
 全体的な調子が上がっていることは良いことですが、その状況でもゴールは奪えていないとも言えるでしょう。

 大宮は守備だけでなくビルドアップ面でもミスが目立つ印象ですから、相手のミスを待ってゴールを狙うのが現実的かもしれません。
 ここ数戦のジェフは細かく繋いでくる相手に強い印象ですが、大宮も後方から繋いでくるチーム。
 ハイプレスからのショートカウンターを狙って、ゴールを奪いたいところ。


 町田、横浜FCと上位相手に、良い試合をしたことは素晴らしいと思います。
 プレスも効いていたし、ポゼッションも出来た。
 しかし、アタッキングサードでの質は課題で、前節の劇的なゴールも運が味方に付いていた印象でした。

 引き分けでは勝点1しかあげられないわけで、勝点1平均では上位進出は不可能。
 ということは、引き分けという結果は決して望ましい成果ではないわけで、そこからどう勝利に導くかが問われるところ。
 ジェフは昨年も引き分け数15とJ2最多で、守備が改善したことで引き分けが増えたのではないかと思いますが、その分勝ちきれていないとも言えることになります。


 昨年のまとめでも話したように、中位のメンタリティから脱することが今のジェフには必要だと思います。
 上位相手に引き分けで喜んでいるようではダメで、もっと上を目指さなければいけない。
 特に今年は尹監督3年目で結果が問われる年だと思いますし、良い試合をしたというだけでなく、勝ち切る強さも見せて欲しいですね。

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