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第21節 ジェフ 1-1 甲府 4バックで課題が浮き彫りになり連勝ストップ

 私事で恐縮ですが、ここ数日若干体調が怪しかったのですが、甲府戦直前に熱発してしまいました。
 鼻炎と熱のため大丈夫かとは思いましたが、念のため家にあった抗原検査を行ったところ陰性でした。
 それでも気を付けなければとは思いますが、ひとまずは様子を見たいと思います。
 今週の更新もお休みするかもしれないので、よろしくお願いします。


 さて、肝心の試合の方は、1‐1の引き分け。
 鈴木大輔が不在で4バックでスタートしたジェフですが、課題も出てしまった印象です。
 特に試合序盤の守備は、かなり拙いものだったと思います。
 しかし、試合前にも指摘したとおり、今年の甲府は決定力不足に悩まされてるイメージで、ジェフもそこに救われたようにも思います。

yukkuriikou.hatenablog.com

 それでも一発の攻撃でジェフが1点をリードをすると、守備のラインも下げて、攻撃も無理をしなくなってしまった。
 これにより守備の穴は埋まったことになりますが、今度は攻撃の勢いがなくなってしまう。
 その状態でもし同点に追いつかれてそこから反撃を図っても、簡単には巻き返せないのがサッカーですから、得点後の戦い方も悪くないように見えて、極端に守備に回り過ぎたのではないかとも思ってしまいます。

 前節仙台戦は途中から急遽4バックに変更してうまくいったジェフですが、やはり現実はそう甘くないということでしょうか。
 2トップのパワーで押し込んだゴールシーンなど、4バックのメリットも出たとは思いますが、課題の方が多かった試合ではないかと思います。

甲府がチャンスをものにできずジェフがリード

 リーグ戦3連勝中のジェフですが、前節負傷交代した鈴木大輔は不在で、レオンソとブワニカの2トップによる4-4-2に。
 秋山が左SBでスタメン復帰し、福満が右SBに移りました。

 リーグ戦で6試合勝ち星のない甲府は、小林が控えに回って荒木がスタメン。
 ベンチには元ジェフのベテラン山本英臣が復帰しています。
 ブルーノ・パライバなどが負傷中。


 13分、甲府のチャンス。
 中盤の山田陸から前線へスルーパス
 ジェフはチャンなどが釣られてラインが凸凹になってしまい、リラが抜け出してシュートを放ちますが、ゴールの右。

 15分にも甲府のチャンス。
 左サイドでリラがチャンに仕掛けて、グラウンダーのクロス。
 鳥海が切り返してシュートを放ちますが、枠の外。


 18分にも甲府の攻撃
 野澤陸からの縦パス。
 長谷川がバイタルエリアでうまく受けて、シュートを放ちますが枠を捉えきれず。

 19分にも甲府の攻撃
 左サイドで、リラからのパスを受けた荒木がクロス。
 鳥海が狙いますが、枠の外。


 立ち上がりは、完全に甲府のペース。
 ジェフは甲府のパスワークを捉えきれず、甘い守備が目立つ展開に。
 しかし、甲府はこの日も決定力に掛け、ゴールを奪えません。

 すると、21分にジェフが先制。
 熊谷の縦パスを受けたところから、風間が受けてゴール前が混戦状態に。
 レオンソと競ったブワニカが、押し込んで1-0。


 31分にはセットプレーからジェフのチャンス。
 右からのCK、田口が蹴るとファーの風間がフリーになってヘディングシュート。
 これをGK河田がはじくと、見木やブワニカが押し込みますが、GK河田がファインセーブ。

 1点をリードしたジェフは守備に意識を高めていきます。
 全体のラインも低くなり、ボールを持っても無理には急がず、甲府の攻撃回数が減っていきます。
 しかし、ジェフも押し返すのは難しい流れに。


 40分には甲府の攻撃。
 荒木が左サイドでパスを受けて、鳥海が仕掛けます。
 こぼれ球を長谷川がシュートを放ちますが、枠を捉えきれず
 
 45分にも甲府の攻撃。
 中盤の石川から鋭い縦パス。
 鳥海が間で受けて、長谷川がワンタッチで縦に繋ぐと、リラがシュートを放ちますが、これも枠を外れて1‐0で折り返します。

甲府に同点ゴールを浴び1‐1の引き分け

 49分にはジェフの攻撃。
 速攻からレオンソが右サイドを持ち上がり、切り返してそのままシュート。
 しかし、GK河田の正面。

 55分にはセットプレーから甲府のチャンス。
 中盤左からのFK。
 荒木が蹴るとこぼれたところ、関口が狙いますがGK新井の正面。


 後半から甲府の動きが若干重くなり、選手の距離感が広がっていきます。
 ジェフがボールを持つ時間も増えていきますが、ゴール前には侵入できない展開が続きます。
 すると55分頃からはジェフの動きも落ちて行って、再び守りの時間に。

 すると61分、甲府が同点ゴール。
 右サイドからのCK。
 長谷川が蹴ると中央でリラが競り勝ち、こぼれたところを須貝が決めて1‐1。


 65分、甲府は関口を下げて小林を投入。
 同時にジェフは負傷した新井一耀を下げて、西久保を投入。
 西久保が左CBに入りました。

 68分、ジェフの決定機。
 カウンターから、ブワニカ、見木と持ち込んでクロス。
 レオンソがシュートを放ちますが、枠の外。


 その直後には甲府のチャンス。
 小林から左足でのクロス。
 鳥海が頭で飛び込みますが、GK新井が対応。

 74分にも甲府のチャンス。
 荒木の中央へのパスを鳥海、リラと細かく繋ぎます。
 鳥海が反転してシュートを放ちますが、ゴールならず。


 その後も攻撃の勢いは、甲府の方が強く感じる展開でした。
 79分、甲府はリラに代えて三平を投入。
 84分、ジェフはレオンソ、ブワニカを下げて、ソロモン、佐久間を投入。

 87分、鳥海、石川を下げて、飯島、山本、を投入。
 90分にも甲府のチャンス。
 後方からのロングボール、三平、飯島と粘って、三平が飛び出しシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。

 93分にはジェフのチャンス。
 中盤での相手のパスミスから風間がアーリークロスを上げ、ソロモンが頭から飛び込みますが、ゴールの右。
 最後は両チームとも足が止まる死闘となりましたが、1‐1の引き分けに終わりました。

■過去と同様の4バック時の課題

 4バックに変更したジェフですが、4バックの課題が出た試合だったと思います。
 勢いは3連勝中だったジェフの方が上回って負けはしませんでしたが、今後の試合まで考えると悩ましい状況となったのではないでしょうか。
 まず試合序盤は、相手の中盤を全く捕まえきれていませんでした。

 特に相手ボランチが簡単に前を向いてしまうことが多く、そこからバイタルエリアを取られてしまった。
 さらに中盤が止められないため、サイドチェンジも遅らせられず、左右のスライドも遅れてしまう。
 それによって、中央でもサイドでも後手後手の展開になってしまいました。


 そもそもフラットな4‐4‐2は全体を3ラインで守り、相手の3‐2‐4‐1は4ラインで戦う。
 そのため、そのまま守ってはラインの数にギャップが生まれるため、全体を圧縮してうまく守らなければいけない。
 しかし、組織的なプレスも出来ていなかったため、ジェフのボランチは相手ボランチを見るのか、シャドーを見るのか迷子状態だったと思います。

 加えて、攻撃時もカウンターの際に、2トップの一角がサイドに流れていた。
 これは尹監督就任1年目から見られる傾向ですが、2トップがどちらもCFタイプであろうとも1人は大外で受ける動きを求めるため、結局中央は残ったCF1枚になり薄くなるし、速攻を遅らせられてしまうことも多い。
 これでは2トップのメリットも損なわれてしまう上、CFにサイドの仕事を任せることになり、そこで無理が生じて潰されることも目立つ印象です。


 さらに、3バックと比べると、中盤のパスワークや構成力も弱くなりがちになっていたと思います。
 単純に3バックのシャドーとは違って、SHはサイドでも仕事をしなければいけなくなるし、この日はボランチの1枚が最終ラインまで下がってパスを回している動きも見せており中盤がさらに薄くなってしまう。
 ジェフは3バック時も左右CBが攻撃参加して前の人数を増やしていただけに、いつもよりも中盤の薄さを感じるところがありました。

 このあたりは、先週も指摘していてたところで、2トップで戦うのであればより中盤の構成力を上げていく必要があると思います。
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チームとしても、MFタイプの選手を1人外してFWタイプの選手を起用しても、パスワークなどを成立させることが出来るように、レベルを上げていく必要があるのでしょう。

 得点を決めたのは2トップのうまみが出た形であり、得点後は序盤ほど守備の穴を突かれることは少なくなった。
 ただ、それも守備のFWラインを相手ボランチに1列下げたからであって、その分甲府はDFラインからリズムを作ることが出来てしまった。
 1点リードで早々に早い段階から守りを固めた結果、反撃のキッカケも掴みづらい状況となってしまったのではないでしょうか。

 前節仙台戦での4バック変更は相手の方が戸惑っていた印象もありましたが、甲府は動揺せずしっかり準備してきたため苦労したところもあったのではないでしょうか。
 それでもこのまま4バックで戦い続ければ、また改善していく部分もあるかもしれません。
 3バックになってからCBの攻撃参加が徐々に効果を示していったように、4バックになってからも少しずつ向上する部分もあるでしょう。


 ただ、課題を思い返してみると、相手ボランチが捕まえきれないこと、引いて守ってもカウンターを作れないこと、3バックに比べると中盤に厚みを作れないことなどは、これまで4バック時で戦っていた時にも同じ問題を感じた部分。
 そう考えると、チームとしてはまた巻き戻った印象もなくはないし、ここから4バックが熟成するまではさらに時間がかかるかもしれない。
 監督3年目のチームとしては、大きな時間のロスになってしまうようにも思います。

 かといって、3バックに戻したとしても、攻撃時におけるゴール前の人数不足などは大きな問題となっていました。
 それをブワニカの起用で改善した部分もあるだけに、悩ましいところですね。
 ブワニカのシャドーも細かい部分において穴が目立ってしまったことがありますし、怪我人の問題ももちろんもありますが、今後の舵取りが問われる局面となっているのかなと思います。