鈴木大輔の負傷もあって、4バックでのスタートに変更となったのが6月11日の甲府戦からでしたので、約1ヶ月が経過したことになります。
徐々に相手チームも4バックのジェフに対する対策が、取られるようになってきたように思います。
目立つのがジェフのSB外を狙ったロングボールで、特に西久保の外を狙われることが多い印象です。
尹監督はゴール前を人数で固める傾向が強いので、SBに絞る意識を強く求めているように思います。
4バックになってから西久保がスタメン起用されているのも、中央で跳ね返す能力を期待しているのでしょうが、その外を狙われることが増えている印象です。
横浜FCも基本的にはボランチからのパスワークを狙いながら、西久保の外を狙った攻撃を幾度か作っていきました。
例えば16分にも、その展開で攻撃を作っています。
流れが変わったのは25分頃からでしたが、この攻撃前後から徐々に横浜FCは攻撃の糸口を見つけつつあったように思います。
左サイドに開いたハイネル、和田、ガブリエウと繋いでいき、右サイドに流れた岩武がボールを受けて、逆サイド前方へロングパス。
西久保が処理を誤り武田に拾われ、長谷川がボールを受けて小川に楔のパスを通します。
この後、小川のポストプレーは少しボールがずれますが、長谷川が受けて後方からサポートに来たハイネルへ。
ハイネルは再び、左サイド前方の武田へと繋ぎます。
武田がクロスを上げるも中央であわず、イセカが前方の渡邉に繋ごうとしますが、新井一耀が対応して攻撃が終わります。
まず、大きく逆サイドに展開されたところで、岩武に対してのブワニカの守備が若干甘かったと思います。
サイドがスライドして全体がボールサイドに寄る守備をするのであれば、サイドチェンジを簡単にさせては厳しくなる。
昨日話した3ラインに関しても同じですが、それだけの守備の強度が長時間維持できるかどうかが、重要になってくるでしょう。
また、大きなサイドチェンジに対する守備だけでなく、その後にクロスを上げられたシーンにおいても不安があったと思います。
クロスを上げた武田に対して対応したのは、右SH風間でした。
西久保は絞ってペナルティエリア角にいたため、武田と風間が一対一になったことで、楽にクロスを上げられてしまった印象です。
図でも示したように、相手が3‐4‐2‐1のシステムで、ジェフは相手ボランチに見方ボランチが対応していった。
そうなると相手シャドーにはSBがつくしかなく、西久保が絞る形になっていた部分があったと思います。
そのため、相手が大きなサイドチェンジを仕掛けた時に逆サイドがぽっかりと空いていたし、その後の武田への対応も風間1人になってしまったのだと思います。
SBが絞ることはそこまで珍しくもないとは思いますが、大きなサイドチェンジを展開されるとそこで後手を踏むことが多い。
また、風間が下がって武田に対応しなければいけなかったこともあって、DFラインも徐々に下がっていったし、風間などが前へプレスに行きにくくなっていった。
それらがボディブローのように効いてきて、25分あたりから守備が緩くなっていってしまった部分があるのではないかと思います。
こういったサイドチェンジやSHが押し下げられる状態を嫌って、尹監督は3バックを諦めきれない部分があるのではないかと思います。
5‐4‐1なら最終ラインが横に並んでいても、中央には3バックが構えているからWBも外に出ていきやすく、大外が空くことも少ない。
大外が空かなければシャドーがDFライン近くまで押し下げられることも少ないわけですが、その分2トップは形成しづらく前線のパワーが不足がちになるし、プレスもかけにくい部分があるとも言えるのかもしれません。
夏の暑さによる影響も出つつありますし、完璧な守備を90分間続けるのは難しいでしょう。
しかし、どこを諦めて、どこは譲れない部分とするのか。
そこがはっきりとしないと、中途半端な守備になりがちなのかなと思います。