当ブログはプロモーションを含みます

プレスを諦め逆サイドをWBが埋める5×4の守備

 ここ数戦のジェフは、がっつりと引いて守る時間が長くなっています。
 その中でも連戦初戦の町田戦は相手にパスを通されて1‐2の敗戦、続く甲府戦でも防戦の時間が長く危険なシーンも作られてしまいました。
 しかし、徳島戦では狙い通りの守備が出来たのかもしれません。

 試合後にも話しましたが、徳島戦では選手たちが動けていたし、球際でも激しく行けていた。
 そして、何より中盤がしっかりとスライドして、相手のパスワークを止められていたと思います。
 選手と選手の横の距離間が狭くなったことで、相手のコースが狭くなり、パスカットも狙いやすくなった試合だったと思います。


 相手がパスを通せそうなところで、相手のミスを誘いパスカットを狙う。
 これがリトリート時における守備の狙いの1つと言えるのでしょうが、町田戦などでは選手の距離が開くことも多かった。
 町田戦1失点目などは、その形から崩された展開でした。

 けれども、徳島戦では運動量も増したことで、中盤の守備の距離感が近くなった印象でした。
 ただ、極端にスライドしただけでは、逆サイドが空いてしまう危険性がある。
 そこを埋めていたのがWBで、WBを置く5‐4‐1だからこそ成立していた守備組織だったと思います。


 例えば34分のシーン。

 徳島は黒円で表示した右の1トップ脇から攻め込んでいき、外に流れた児玉と内田でパスを回していました。

 しかし、黄色い線で示したように、ジェフの中盤は同サイドにスライドして、左右にコンパクトに守れていたため、縦のコースがなかった。
 そのため、内田は後方へとパスを回します。
 そこから石尾は逆サイドにつけてサイドチェンジを図りますが、浜下が受けたところで末吉が前に出て対応しました。


 黄色いエリアで示した通り、WBがいることによって、逆サイドのスペースを埋めることが出来る。
 4×4によるボックスの脇に、もう1人を置くような形で対応しているとも言えるでしょう。
 以下の通り、4バック時は逆サイドを狙われることも多かったですから、それをWBで穴埋めしているような感じですね。

yukkuriikou.hatenablog.com

 ただ、5‐4‐1にしたことによって、どうしても相手に深い位置まで侵入されてしまう課題もある。
 4‐4‐2なら2トップと左右SHでプレスにいけますが、5‐4‐1だと前の人数は減ってしまうし、ここ最近は引いた5×4で守っているような状態なのでシャドーが前に出ていかない。
 ボール支配率も徳島の67%だったそうで、いくら守備的とはいえさすがに苦しい印象も受けます。

soccer.yahoo.co.jp

 また、サイドチェンジに対してWBが対応できるのは良いですが、WB一枚なのでそこで崩される不安もある。
 さらに末吉は最終ラインから前に出ていくので、どうしても若干遅れる問題もあり、そのあたりはよりうまくサポートする必要もあるのかもしれません。
 取り上げたシーンでも結局浜下にパスを出されて杉森が落とし、再び杉森が受けてシュートまでもっていかれていますから、決して完璧な守備とまではいかなかったと思います。

 今後このあたりが分析されて、狙われる可能性もあるのではないでしょうか。
 それでも現在の5‐4‐1で守りたい理想の形は見えてきた。
 ただ、この状況でボールを奪えても前線は1トップのみで、中盤以降はかなり深く守っているだけに、そこから攻撃には移りにくい。
 攻撃に移れず得点できなければ勝てないわけで、そこがやはり大きな壁といった印象です。