カタールW杯直前に行われた、日本代表対カナダ代表の親善試合。
日本は遠藤、冨安、森田、三苫などが、コンディション不良で欠場となりました。
中山の離脱もすでに決まっており、不安要素も残る状況となっています。
ただ、他国にも怪我人が出ているという情報が目立っており、日本だけの悩みではないのかもしれません。
以下のような話も出ています。
国際プロサッカー選手会(FIFPro)は15日、前例のない過密日程により、W杯カタール大会(2022 World Cup)に出場する選手はけがのリスクが非常に高まっていると警告した。
冬のW杯開催によって怪我人が増えるのではないかという不安の声は以前からありましたが、実際にその傾向にあるのでしょうか。
日本のみならず心配なところで、コンディション調整や選手のやりくりが、より一層大事な大会となるのかもしれません。
そんな中行われたカナダ戦ですが、日本は控え組とも思えるメンバーで臨みました。
板倉、田中、浅野などは怪我明けということで、調整も兼ねての起用ではないでしょうか。
多くの怪我人が出ているからこそ、この試合を調整に使うのは重要なことなのかもしれません。
ここで、無理に主力選手を使う必要はないという判断なのかもしれませんし、伊東などはあえて隠した可能性もあるのかもしれません。
左SBには伊藤が入りましたが、ここは急遽抜けた中山の穴に、しっかりと伊藤を試しておきたかったのではないかと思います。
昨夏まで磐田でJ2を戦っていた伊藤はドイツへの移籍直前にジェフとも対戦していましたし、そこから翌年にはW杯メンバー選出にまで至ったということで、J2の選手にとっても希望の光となるのかもしれません。
また、カナダ戦での日本は、右SHに相馬、左SHに久保を配置しました。
左右は逆の予想でしたが、レギュラーである伊東の代役として、スピードもある相馬をテスト。
本来右サイドの久保は左SHのレギュラー候補として、テストしたのでしょうか。
相馬は前線で飛び出してゴールを決めていますし、久保は18分にまたぎフェイントからシュートを放つなど、お互いに可能性は見せてくれたと思います。
また、柴崎、田中のボランチだとパスがしっかりと回る印象で、浅野のボールを引き出す動きも良かった。
試合の立ち上がりは日本が優勢に進め、9分に柴崎の裏へのパスから相馬が走り込んで、ゴールを決めています。
しかし、高さ、強さに関してはカナダに分があり、21分にCKから失点。
ここは相手のマークも外れていましたし、まだ板倉の試合勘が戻っていないところもあったのかもしれません。
そこからはカナダが大きなサイドチェンジを使って日本のプレスを掻い潜り、押し込まれていく時間帯になります。
けれども、35分には日本が高い位置で相手を追い回し、ボールを奪取。
久保がシュートを放つと、そこから流れを引き戻します。
これを強豪相手に出来るかどうかはわかりませんが、劣勢の状況下でもプレスからのボール奪取で、流れを変えられるというのは大きいですね。
後半からは、お互いに疲れも見え始め一進一退の展開に。
それでも後半から起用された1トップの上田は、やはり球際での強さを見せられていて、前線で起点になれる印象でした。
ただ、プレスは緩くなるので、W杯では点を取りたい時に起用するという流れとなるでしょうか。
65分過ぎには、鎌田をボランチに起用。
ボランチに負傷者が増えている問題もあって、テストしたのでしょうが、素晴らしい展開力を見せていました。
また、試合終盤の3バックのテストも、想ったよりもうまくいった印象でした。
ただ、残念ながら試合終盤に、山根がPKを与えて敗戦。
山根の決定機もチャンスもあっただけに、勿体ない試合となってしまいました。
内容的には勝ててもおかしくない試合だったと思いますが、そこで勝ち切る強さを見せて欲しかったところもあります。
あくまでもテストマッチでしたが、起用された選手はそれぞれに良さを出せていたと思いますし、敗れはしましたがそう悲観する内容でもないと思います。
柴崎の縦パスなどはかなりキレがありましたし、上田や浅野の動き出しも良く、狙っていたハイプレスからの攻撃もいくつか作れた。
あとは本番でセットプレーの隠し玉があるかどうか。
一方で守備においては、課題も多かったように思います。
遠藤、森田がいないこともあって中盤での強度が足りず、ボールを奪い切れない印象もあった。
また、SBはどうしても一対一を求められることが多いので、そこでの弱さも見えてしまったかなと思います。
それでも右SBには酒井がいますが、左サイドは本番でも狙われる不安があるのではないでしょうか。
そうなると左SHは守備で頑張れる相馬の方が無難なのかなとは思いますが、SHがSBのサポートに下がり過ぎるとプレスに行けなくなり、全体も下がってしまうのが難しいところ。
世界レベルでは強烈なサイドアタッカーが少なくないでしょうから、どのように対応するのか考えていかないといけないのかもしれません。
勝って弾みを付けられれば言うことはなかったですが、負けから学ぶことも多いはずで。
多くのテストは出来たし収穫も少なくなかったと思いますから、後は本番に集中できるかどうか。
W杯開幕はもう間もなくですね。