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大分の呉屋大翔、横浜FMの椿直起を完全移籍で獲得

 ジェフが大分FW呉屋大翔、横浜FM所属で昨年は水戸で活躍した椿直起を獲得したと発表しました。
 監督を交代したというのも大きいのでしょうが、積極的なオフとなっていますね。

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 呉屋は流経柏から関西学院大に進学すると、関西学生リーグで3年連続得点王という大活躍を見せ、鳴り物入りG大阪に入団します。
 しかし、プロ入り後は怪我にも悩まされ、3年目にはJ2徳島にレンタル移籍するものの、そこでもまた負傷。
 ようやく、成果を残せたのはプロ入り4年目で、レンタル先のJ2長崎で36試合22ゴールとブレイクを果たします。

 けれども、その実績を引っ提げて翌年移籍したJ1柏では、オルンガなどの存在もあって活躍できず。
 オルンガが退団した2年目もスタメンに定着できず、夏にJ1大分へ移籍となってしまいました。
 その後、大分はJ2に降格し、今年は35試合出場7ゴールという結果に終わっています。


 呉屋はゴールへの意識が高い、ストライカーといったイメージです。
 身長は178cmですがヘディングシュートもうまく、足元でのシュートもある。
 DFとの駆け引きも得意で、背後を取る動きなどがうまい印象があります。

 ただ、ある意味でストライカーらしいのかもしれませんが、安定感には課題があるのかなと思います。
 実績を見ても二桁ゴールを上げたのは長崎時代の2019年のみで、怪我が多い印象もあります。
 今年も35試合に出場しているとはいえスタメンは22試合で、シーズン途中までは長沢とポジション争いをし、シーズン終盤はサムエルにポジションを奪われていました。


 個人的にはCFはソロモンやブワニカを育てて、セカンドトップの補強を優先すべきではないかと思っていました。
 前からのプレスを重視するのであれば、CFに守備と得点力の両方を期待するのは難しいでしょうし、ゴールは2列目に託すべきではないかと。
 実際、今年の新潟はクラブ得点王が9ゴールでFW谷口と、MF高木善朗、伊藤が並んでおり、山形も10ゴールのSHチアゴ・アウベスとなっており、ポジショナルサッカーは特定のFWに点を取らせるような発想ではないと思います。

 呉屋はプレスも行く時は行くけれど、ハードワークタイプではないでしょう。
 あるいは、パスサッカーを徹底するのであればポストプレーを補強するのもありかなとは思いましたが、呉屋はポストプレーヤーではなく大分では長沢やサムエルが得意でした。
 大分もパス意識の高いチームでしたから、ポストプレーヤーを前線に置きたいという意図もあって、呉屋が定着しなかったところがあると思います。


 それでもジェフが呉屋を補強したのは、単純に得点力を期待してのことなのかなと思います。
 チームのスタイルなどではなく、全体の構成から考えてゴールを狙える選手が欲しかったということでしょうか。
 まだソロモンは契約延長の発表がありませんが、確かにゴールに向かう動き出しに関しては課題も多く、ブワニカもスタメンで起用されると前へのパワーが足りなくなる部分があります。

 呉屋ならソロモンなどの成長を阻害することなく、ライバルになれるという狙いもあるのかもしれません。
 ただ、長期的に見ると、呉屋は1つのチームに定着しないことも若干気になるところ。
 こういった場合、代理人の影響も大きい場合がある印象ですが、呉屋の代理人は本田圭祐の兄にあたる本田弘幸が運営するHEROE(エロエ)

 ジェフも岡野や鈴木大輔、佐久間などに加え外国籍選手絡みでも一時お世話になった代理店ですが、いつの間にか町田移籍の報道も出ていたチャンも加わっており、移籍の準備をしているということでしょうか。
 ジェフとの関係も深い代理店ですから、呉屋の獲得はHEROEの協力もあったのかもしれません。
 代理人は毒に薬にもなる存在と言えるでしょうから、程よい関係でうまくやっていく必要がありますね。

 また、大分は来年がJ2で2年目で「予算のスリム化」を西山GM話しており、その影響もあっての移籍なのかもしれません。
 呉屋は来月29歳を迎えるとのこと。
 年齢的にも最後にブレイクできるのかという位置にいると思いますから、強い覚悟でジェフでの挑戦に臨んでほしいと思います。

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 続いて、横浜FMからMF椿を獲得。
 ユース代表にも選出経験のある椿は、横浜FMアカデミー出身で2019年にトップ昇格を果たすものの、その夏にはJ3北九州に移籍。
 北九州でも1年目は活躍できませんでしたが、翌年も北九州に残ると昇格したJ2で34試合2ゴールの活躍。

 すると、その年の年末にメルボルンシティにレンタル移籍を果たし、半年で15試合1ゴールの結果を残します。
 その年は北九州へレンタルで戻りますが、怪我もあって大きな成果は上げられず。
 それでも昨年は水戸にレンタル移籍して、37試合で3ゴールと主力として貢献しました。


 小柄でスピードのあるドリブラーといった印象で、狭いエリアでも仕掛けられるタイプ。
 特に左SHからのカットインが武器で、縦にも抜けられる選手ではないでしょうか。
 ただ、線は細い印象があるのでよりタフに戦えるようになって、ゴールに直結するプレーを増やすことが課題なのかもしれません。

 先ほども話したように、パスサッカーを展開するのであれば、2列目の選手が重要ではないかと思いますし、4バックなら2列目が昨年より必要になるでしょうから、良い補強ではないでしょうか。
 今年J2を優勝した新潟も2列目はタレント揃いでしたが、右SH松田は横浜FMユースで共にプレーした後輩にあたるようですし、松田の活躍を刺激として頑張ってほしいところ。
 また、カタールW杯でも引いて守るチームに苦戦するポゼッションチームは多いですから、そこに対して縦に仕掛けたり中央に侵入していったり、クロスやセットプレーで高さを見せたりといったオプションを持つことは非常に重要だと思います。


 椿はいろいろな経験を積んでいるので、もっと年齢が上かと思っていたのですがまだ22歳。
 レンタルが続いていましたが、今回は完全移籍という点でも、良い補強ではないでしょうか。
 どうしてもレンタルだと戻ってしまうケースも多く、落ち着かないところも残ります。

 ここまでのオフは加入が先行しているので、今後の退団が心配になるところもあります。
 ただ、クラブの方向性を変えるのであれば、多少の痛みは必要になるはず。
 しっかりと抑えるところは抑えつつ、良いオフを進めて欲しいですね。