当ブログはプロモーションを含みます

第1節 長崎 0-1 ジェフ 雨の長崎で「一体感」を見せ死闘を制す

 長いオフを経て、待ちに待った開幕戦。
 ジェフは1‐0で長崎に勝利し、幸先の良いスタートを切りました。

 試合後の雰囲気も良さそうで、監督が変わるとここまで変わるのかと改めて感じた試合でした。
 攻撃も守備も全員で戦おうという意識が見られましたし、試合内容も雰囲気も含めて「一体感」を体感できた開幕戦だったと思います。
 テーマを口に出すのは簡単ですが、それを実現するのは難しいはずで、ここまでは見事な立ち上がりですね。


 試合の細部に関してもプレスのかけ方、攻守の切り替え、距離感の良いパス回しと、組織立ったサッカーが出来ている印象です。
 フアンマとエジカルの2トップでスタートした長崎が大味なスタイルだったこともありますが、ジェフが細部で相手に勝てたと思えるのは何年ぶりでしょうか。
 去年までとは真逆の展開といった試合でしたが、これを他の試合でも実現することが重要ですね。

 また、ちばぎんカップでも感じた、細かなミスを減らすことも大きな課題だと思います。
 それでも良い方向に進んでいるのは事実だと思いますし、緩まずにこのままの姿勢を続けて欲しいですね。

■プレスから優位に立つジェフ

 ジェフはスタメンも控えも、ちばぎんカップと同じメンバー。
 選手を変えないところに、小林監督の意志の強さを感じます。

 長崎は守備時は5‐3‐2でGKが波多野、DFが左から増山、今津、櫛引、米田、澤田、中盤が阿部、鍬先、カイオで、フアンマとエジカルの2トップ。
 攻撃時は米田がSB、澤田がウイング気味に上がる4‐3‐3に。
 安部は長崎U-18出身の18歳です。


 ジェフはこの日も、積極的にプレスをかけていきます。
 攻守の切り替えも早く、長崎に自由を与えない展開に。
 しかし、長崎も2トップに強さがあるので、カウンターとサイド攻撃には怖さを感じました。

 8分、長崎の攻撃。
 左サイドで、増山が末吉をかわしてクロス。
 逆サイドに流れて米田がシュートを放ちますが、GK新井の正面。


 11分、長崎のチャンス。
 後方での鈴木大輔パスミスからエジカル、フアンマ、エジカルと繋いで、グラウンダーで中央へ。
 フアンマが狙いますが、松田が背後からブロック。

 その直後のプレーで、ジェフがカウンター。
 GK新井が素早く右サイドへスロー。
 末吉が縦に持ちこんでクロスを上げると、呉屋がニアに走り込みますが、櫛引がブロック。


 ボール保持時のジェフは、ボランチを中心に落ちついて繋ぐ形が作れていました。
 そこから右サイドの末吉や、呉屋、小森が右サイド裏へ流れる展開。
 しかし、30分過ぎからは運動量が落ち、押し込まれる展開も見られていきます。

 それでも、33分にはジェフの攻撃。
 中盤で見木がうまく前を向いて、ロングシュート。
 しかし、GK波多野がセーブ。


 37分、ジェフのチャンス。
 中盤で左から右へと繋いでいき、末吉が増山をかわしてクロス。
 呉屋が頭で合わせますが、ゴールの右。

 47分、長崎の決定機。
 末吉が狭いところへパスを出し、熊谷が囲まれてボールを奪われます。
 そのまま安部が持ち上がり左足でシュートを放ちますが、ポスト直撃で失点を免れ折り返します。

■退場者が出るも小森の先制点を守り切る

 後半から若干長崎の守備が緩くなり、51分にジェフが先制
 左サイドで鈴木大輔、矢口、田口などが絡んでパスを繋ぎ、熊谷からの横パスを小森が落とし、見木が繋いで呉屋が右へ。
 末吉のクロスは合いませんでしたが、見木が拾って田口がシュートを放つとポストに当たり、最後は小森が合わせて1‐0。

 この直後、ジェフは熊谷を下げて、小林を起用。
 61分、カイオ、エジカルを下げて、名倉、宮城を投入。
 宮城がSH、名倉がトップ下で安部がボランチに回る4‐2‐3‐1に。


 その後もジェフは変わらず、積極的なプレスと仕掛けを展開していきます。
 しかし、71分には、ジェフのミスからピンチ。
 田口が中央へ繋いだところ、見木と小林が相手に囲まれボールを奪われ、最後は宮城がシュートを放ちますが、見木がブロック。

 このプレーで長崎が得たCK。
 ジェフが一度は跳ね返しますが、中盤で拾われ宮城がミドルシュート
 しかし、ゴールの右を逸れます。

 73分、澤田を下げて、大竹を投入。
 ジェフも呉屋、矢口を下げて、椿、田中を投入。
 今回は椿が左サイドに入って、田中が前線に。


 79分、鍬先に代わって都倉を投入。
 大竹がボランチに回り、名倉がSHに。
 81分、田中が守備に行く際、足を滑らせて相手に突っ込む形となり、レッドカード。

 1人退場になり、5‐3‐1となったジェフ。
 86分、見木、田口を下げて、田邉、風間を投入し、椿が中盤の左に入り、田邉が左SBに。
 最後は守りの展開になりますが、粘り強く守り1‐0で逃げ切りました。

■ビルドアップやプレスなど細部で勝てた開幕戦

 立ち上がりから、攻守にテンポよく動けていましたし、良い試合だったのではないでしょうか。
 ちばぎんカップから本気モードだったことで、あまり堅さを感じない開幕戦になったのかなと思います。
 ここまでうまくちばぎんカップを使えたのも、珍しいのではないでしょうか。

 そのちばぎんカップ以上に、中盤でのパスワークがうまく作れていたと思います。
 相手のシステムの違いもあるのでしょうが、攻撃時は見木が中央に寄って、田口が前に出る逆三角形になる。
 これによって相手のギャップをパスを受けることで、リズムを作れていたと思います。


 さらに後半からは、鈴木大輔が開いてパスを出す役割も果たしていた。
 これによって、前半は右に偏りがちだった攻撃が、左からも作れるようになっていきました。
 得点もその左から攻撃を作った展開でしたし、落ち着いたパス出しをできるのが、鈴木の良さでもあるのでしょう。

 また、この日は攻守の切り替えが非常に早く、そこからペースを握っていきました。
 11分のGK新井のスローからのカウンターも見事で、昨年は速攻が作れていなかっただけに、可能性を感じましたね。
 ただ、ビルドアップ時に中盤のギャップにつけるという意識が強いで、相手に囲まれてロストする展開が多いことが課題ではないでしょうか。


 守備においても、大きく破城することはなかったと思います。
 昨年とは大きく異なり、人について行く意識の高い守備で、粘り強く守れていました。
 マンマーク気味ゆえにサイドでの一対一などで劣勢になることもありますが、そこは個々の能力を高めることと、カバー意識で対応していくべきなのでしょう。

 長崎に関しては、スタメンでフアンマとエジカルの2トップだったことからも、かなり大味な印象を受けました。
 去年までのジェフにも近いイメージで、前線にはロングボールやサイドからクロスを上げれば、何かを起こせるような強さがあった。
 とはいえ、中央からの攻撃はほぼなかったし、細かい形作りには課題を感じました。


 それだけに、トップ下に名倉が入っていた時間帯の方が、怖かったように思います。
 名倉が中央突破を仕掛けることで、左右からも中央からも攻撃が作れたし、プレスにも厚みが出来た。
 嫌な時間帯だなと感じていたのですが、最後に都倉を入れたことでまた元に戻ってしまいましたね。

 ジェフは基本的に4バックから3バックへ変更し、長崎も5バックから4バックに展開。
 可変が当たり前の時代になっていますし、試合中のシステム変更なども含めて、いかに柔軟に戦えるかが重要なのかもしれません。
 その時代に対してマンマーク守備は適しているのかもしれませんが、よりポリバレントな選手が求められるのかなとも思います。

 試合終盤のジェフは1人少ない状況となってしまいましたが、粘り強く対応できていたと思います。
 もう少しチャンスを作りたかったですが、トータルで言えば内容通り勝てた試合だったと言えるのではないでしょうか。
 ただ、次は昇格候補の一角である山形ですから山形相手にどこまでやれるかが、シーズン序盤の大きな試金石となるのかもしれません。