2月を終えて、新生ジェフはちばぎんカップを含め3試合を経過。
柏戦、長崎戦と勝利し、上々のスタートを切りましたが、先週末の山形には1‐3で敗戦。
現実を突きつけられた試合となりました。
ただ、ここまでのチーム作りには、非常に好感を持っています。
鈴木GMと小林監督が掲げた通り、チームには「一体感」を感じ、ハードワークをベースとした組織的なスタイルとなっている。
さらに、攻撃的で前への意識が高いことも、ポジティブに捉えています。
組織的なチームはチームの深みを増しますし、見ている側としても観察し甲斐があるチームになるのではないかと思います。
個人技主体だと1対1での勝負が全てとなりがちですが、本来サッカーは団体スポーツ。
もちろん個人のプレーも重要ではありますが、個人技だけでは限界も出てくるでしょうし、理論的なチーム作りは見ていて単純に楽しいと思います。
また、"老害"的な話になってしまいますが、欧州路線時代のジェフは運動量豊富で組織的なスタイルで成功を遂げていたこともあり、個人的には新チームの方向性は長らく待ち望んだものを感じます。
ただ、そこは単純な懐古趣味だけではなく、現在のジェフは予算も減少しており、J1とは予算規模も離れつつある。
その予算面の遅れを埋めるためにも、組織力やハードワークが必要になってくるのではないでしょうか。
さらに今年は懸命に走る、組織的にチームで戦うという意識が強いためか、ここ数年以上に気持ちを感じるチームにもなっているのではないでしょうか。
J2に降格してからのジェフは実績や予算規模などが邪魔をして、チャレンジャー側になれず受けて立つ側になってしまいがちだったところがある。
けれども、長年の低迷もあってか、今年は挑戦者として前向きに戦えている印象で、そこも強かった頃のジェフを思い出すところがあります。
向上心を持って、必死に戦う。
サッカーに熱意をもって、細部にもこだわる。
古い話が続きますが、これらはオシム監督時代にも強く感じた部分でした。
あのサッカーマニアである反町監督すらも、オシム監督を振り返る際にいかにサッカーに対して真剣であったかを熱弁しています。
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オシムさんの「熱」には僕も代表コーチになる前に実は触れたことがある
コラムではこれ以降、オシム監督がサッカーに対して非常に熱心で、練習などでも妥協を許さなかったことが長々と書かれていています。
反町監督にとっては、それがオシム監督のイメージであり、何よりもその情熱に惹かれたところがあったのかもしれません。
近年のジェフにはそういった部分が欠けていたのかもしれませんが、今年のジェフは久々に「熱」を感じますし、この気持ちをシーズンを通してキープしてほしいところです。
ただ、チャレンジャー精神で言えば、次の対戦相手である群馬も強い気持ちを持っているチームだと思います。
特に昨年大槻監督が就任してからは、攻守に真面目なチーム作りを行っているイメージです。
基礎を大事にして、組織的に戦うチームになっていますね。
ボールを持ったらサイドなどでトライアングルを作り、丁寧にミドルパスを回す。
裏や外が空いたら長いボールも織り交ぜ、テンポよく繋いで、パスを出したら動き出すといったサッカーの基本を感じる攻撃になっています。
守備でも4‐4‐2でコンパクトに戦うゾーンディフェンスで、チーム全体で守る形をとっています。
攻撃時には右SB岡本が高い位置を取り、左SB中塩が下がって3バックになる。
特に岡本は守備も出来て鋭い仕掛けも担える19歳で、昨年8月のジェフ戦でも活躍していました。
システムの変化も含めてジェフに似通ったものを感じる部分があり、岡本と矢口の若いSB対決にも注目ですね。
開幕となった秋田戦は0‐0で引き分け。
前節町田戦は良い流れで戦いつつも、セットプレー2発に沈み0‐2で敗れています。
良い展開は作れるものの、ゴール前に関しては個人技がものを言うところもあるので、そこで苦労するところがあるのかなと思います。
ジェフとしては先週に続いてホーム2連戦で、翌週からアウェイ2連戦ですから、この群馬戦はしっかりと勝ちたいところ。
ここまでのところ新チームは良いスタートと言えると思いますが、ハードワークや組織的な動きを求められるスタイルだからこそ、少しでもさぼる選手が出てきてはそこから綻びが出かねない。
勝利という結果を上げることで、今のスタイルに説得力を植え付ける必要があると思います。
群馬もハードワークと組織力がベースのチームだと思いますから、それに負けないように頑張ってほしいですね。
ジェフも良い流れが出来つつあるとは思いますが、決してそれだけではいけないはず。
しっかりも結果も出してこそ、良いチームと言えるはずですから、勝利へのこだわりも見せて行ってほしいと思います。