ジェフ対群馬戦、ジェフとしては苦しい試合展開で勝点1に留まってしまいました。
状況からすれば、勝点3の欲しい試合だった試合ではないでしょうか。
苦しんだ要因の1つはコンディション。
過去2試合に比べると動きが重かった印象でしたが、ジェフはハイプレスを中心とした運動量をベースとしたスタイルになっていますので、コンディションの違いがもろに出てしまったかなと思います。
夏場なども同じような状況になりかねないですから、動けない試合での戦い方も考えていかなければいけません。
もう1つには群馬がしっかりと準備をしてきて、対策を取ってきたことやシステムの違いもあったと思います。
群馬はうまくジェフのプレスをかわす攻撃をしてきたし、ジェフのカウンターも警戒してきた印象です。
最後までしっかりと走れており、動きも良かったですね。
こういったジェフ対策は今後も増えてくると思いますし、好きなようにはやらせてくれなくなってくるでしょう。
その壁をいかに超えるかが重要で、ここからが大事な時期となってくるのだと思います。
新スタイルになって一気に勢いに乗れるか、それとも生みの苦しみを感じる展開となるのか、境目に来ているのかもしれません。
■試合の入りが悪かったジェフ
ジェフは椿がスタメンで左サイドに入り、矢口が控えに。出場停止明けの田中、GK鈴木、ブワニカがベンチに入り、GK近藤、新明、西久保が外れました。
相手のシステムもあって、攻撃時は3‐1‐4‐2ですが、守備時は3‐2‐4‐1か5‐3‐1になる試合となりました。
群馬のスタメンは変わらず。
先発の佐藤亮は椿と北九州のチームメイトで、長倉は大槻監督が浦和ユース時代に指導した教え子。
サブには風間宏希も入っています。
3分、早々に群馬が先制。
スローインから、左サイドの奥で長倉が前を向いてクロス。
末吉のクリアを天笠が拾ってミドルを放つと、GK新井が前に弾いてしまい武が詰めてゴール。
13分にも群馬の攻撃。
右サイドの岡本が、佐藤と入れ替わってクロス。
ニアで武が狙いますが、サイドネットの外。
ジェフは試合の入りが悪く、厳しい立ち上がりに。
群馬の出足が良くて、攻め込まれる展開が目立ちました。
しかし、15分頃から良いプレスをかけられるようになり、ジェフが攻め込んでいきます。
18分、ジェフの攻撃。
左サイドで、椿が仕掛けてクロス。
小森が頭で合わせますが、枠の外。
26分には群馬の決定機。
右サイド中盤からのFK。
一度は跳ね返しますが、中盤でミドルシュートを岡本が蹴ると、味方選手がさわって長倉が抜け出す形でシュートを放ちますが、GK新井がファインセーブ。
29分にはジェフの決定機。
相手のCKからカウンターで、椿が1人をかわしてラストパス。
見木がGKと1対1になりますが、櫛引がビックセーブ。
36分、ジェフが同点ゴール。
小林が中盤で縦パス。
小森が受けるも相手に奪われますが、粘って奪い返すと、切り返してGK櫛引の逆を突く形でゴール。
その後もジェフが攻め込みましたが、前半AT、群馬が勝ち越し点。
左サイドで得たFK。
佐藤が蹴ると畑尾が頭で合わせて、1‐2で折り返しとなります。
■群馬の足も止まらず2‐2の引き分け
47分、ジェフの攻撃。右サイドからのCK。
田口が蹴ると鈴木大輔が狙いますが、枠の外。
後半からジェフは運動量が落ちて、攻めあぐねる展開に。
57分には群馬の攻撃。
後方からのFKで、岡本が右サイドを抜け出しますが、シュートは枠の外。
61分、ジェフが同点。
左サイドで小林と椿が絡んでパスを回していき、一度は奪われますが、椿が奪い返します。
そのまま右足を振り抜き2‐2に。
その直後にも、ジェフの決定機。
GK新井からの縦パスを小森が落とすと、中盤を見木が持ち上がりスルーパス。
呉屋がGKと一対一になりますが、櫛引がファインセーブ。
66分、群馬は細貝を下げて内田を投入。
ジェフも椿、小林を下げて、田中、高橋を投入。
田口がアンカーに回り、田中が右、末吉が左へ。
73分、群馬のチャンス。
左サイドでボールを失ったところから、武が中盤で縦パス。
長倉がシュートを放ちますが、高橋がナイスブロック。
81分、群馬は佐藤、川本を下げて奥村、風間宏希を投入。
86分、ジェフは小森に代えてブワニカを起用。
89分、群馬は武、長倉を下げて平松、白石を投入。
後半途中からはオープンな展開になり、95分、ジェフの攻撃。
中盤からのFK、田口が蹴ってブワニカが落とし、鈴木、高橋と繋いで、田口がミドルシュート。
しかし、GK櫛引がセーブして2‐2で終了となりました。
■守備に課題も遅攻には収穫も
ここまでとは異なり、プレスがあまりハマらず、苦労した展開となった印象です。前著した通り、ジェフはここまでの試合と違って守備時は3‐4‐2‐1か、押し込まれれば5‐4‐1で守る展開となりました。
これは現在の群馬が、攻撃時に4‐4‐2から3‐4‐2‐1に変化するシステムを取っているからでしょう。
先週も話した通り、ジェフは相手の攻撃陣の人数で、DFラインの枚数を変える戦い方を取っているのではないかと思われます。
相手が4バックの場合、相手SBが前に出ると、前線2枚と左右SBで前が5枚になるので、その場合は5バックで人数を合わせる。
しかし、相手が3‐4‐2‐1の場合は、1トップ2シャドーと左右WBが高い位置を取るチームが多いので、前5枚が自然と出来上がる。
そのため、初めから5バックで守ろうという発想だったのではないでしょうか。
しかし、3‐2‐4‐1だと前線は1枚だし、5‐4‐1に押し込まれてしまうことも多い。
そのため、4‐4‐2の2トップでプレスに行けていたこれまでの試合ほど、うまく追い込めなかった部分はあるのではないでしょうか。
WBが前に出て守備に行ける時間帯は良かったですが、常時プレスに行ける感じではなかったと思います。
さらに群馬はジェフ対策という意味もあってか、サイドの裏を狙ってそこを起点にすることが多かった。
これによってジェフのラインを押し下げてきた上、ジェフはサイドの守備に不安がある。
前節もサイドから攻め込まれていますし、ここをどう改善するのかは今後の大きな課題ですね。
また、守備においてはセットプレーの守備に不安がある印象で、前節山形戦もCKからショートコーナーで角度を変えられて失点してしまいましたが、群馬も同じ狙いのパターンを仕掛けてきました。
ジェフはゾーン気味の守る意識が強いので、ラインの裏を取るために、角度を変えたのでしょう。
逆に攻撃ではまだセットプレーから得点が奪えていないですし、高さのある選手が少なくなったこともあり、セットプレーの改善が攻守に必要ではないかと思います。
さらに、この日はコンディションももう1つで、試合の入りも悪かった。
いろいろな課題の出た試合だったかなと思います。
ここから勝てるチームになって勢いが付けられるのか、逆に悩みの増える展開になるのか。
苦しい試合でしたが、収穫もあったと思います。
ここまではカウンターから攻撃の作る試合が多かったですが、群馬の戻りが早いこともあって結果的に遅攻の回数も増えた。
それによっていくつか、遅攻の狙いが感じられました。
うまくアンカーに前を向かせて、インサイドが縦パスを受けて起点になる。
そうして中央からの仕掛けを狙ったり、そこが駄目なら大きく左右に展開したり。
その形を実現するためにも、左右に仕掛けられるWBが必要なのでしょう。
椿はその中でも十分に可能性を見せてくれました。
ただ、椿を頭から使ってしまうと、交代カードが薄くなる悩みもありますね。
そこは田中や矢口、ブワニカなども含めて、若い選手の成長にも期待したいところです。
新チームのスタートだからといって勝点を逃してあいわけはなく、勝利にはこだわってほしいところ。
この日もチャンスは作れましたし、失点の方が気になるかなとも思います。
安い失点を減らることが、目下の課題なのかもしれません。
ただ、ゴールに関してももっと早く点を奪えていれば、チームに余裕が生まれたはず。
悔しい結果でしたが、攻守に歩みを止めずに、頑張ってほしいと思います。