岡山戦で風間と田中が、今季初スタメンを果たしました。
田中のリーグ戦でのスタメンは、プロ入り後初となるはずです。
この二人の起用の効果が出て、岡山戦は有利に試合を進められたのではないかと思います。
風間は4‐4‐1‐1のトップ下気味の位置に入り、フリーマンのような仕事をこなしていました。
前線に近い位置を取ったり、相手の間で受けてポイントになったり。
左右に流れることもあり、流動的にプレーしていました。
特に間で受ける動きが素晴らしく、味方選手からうまくボールを引き出したのが印象的です。
細かいところですが、例えば46分のシーン。
まず岡山が、中盤右サイドからのスローインで前方へと供給。
これに新井一耀が対応し、ヘディングで近くの田口へ落とします。
田口は大外の日高へと繋ぎますが、周辺には相手選手が多く、苦しい状況になっていました。
しかし、ここでバイタルエリアにいた風間が、相手ボランチ背後でスッと横に出て、日高のコースを増やします。
ここで風間は、自身の前方に指を刺してパスを要求。
これによって日高は迷わずパスを選択し、潰されずに前へと繋ぐことが出来ました。
そこから小森へと繋いで、ボールを保持したジェフは、逆サイドへと展開。
右サイドからの仕掛けは不発に終わりましたが、左サイドでの展開は風間の引き出し方もうまく、相手のプレスをいなしたことになります。
風間が一度バイタルエリアで受けることで、サイドでの苦しいボール運びにもならず、中央も覗いたパスワークになったことも注目だと思います。
ここまでのジェフはこういったバイタルエリアでパスを受ける、引き出すといった動きが少なかっただけに、風間の動きはポイントが高いと思います。
サイドだけでなくバイタルエリアも狙えるとわかれば、相手の守備も的が絞りにくくなる。
また、風間はそこまで空中戦に強いわけではないですが、180cmと身長もあるため小柄な選手が増えたジェフにとっては、その効果も期待できるかもしれません。
スタメンで右サイドに入った田中も、良い効果を生み出していたと思います。
積極的にサイドをアップダウンして、スピードある縦へのスプリントを見せていました。
開幕戦ではいきなり退場してしまいましたし、左SBとしてのプレーには覚束ないところも見られましたが、右SHで途中起用されてからは可能性を見せていたと思います。
末吉とは違って足元で勝負といった感じではないのかもしれませんが、パワフルな縦への動き出しが目立っている印象です。
田中がどんどん裏へと走ることによって、右サイドでボールを引き出すことができる。
テクニカルな選手が多いだけに、ハードワークが出来るタイプの田中は、水を運ぶ選手として効果的な役割を果たしていたと思います。
そこからのクロスの精度や細かなパスワークなどに関しては、田中も課題があると思います。
ただ、パワー系のクロスにも可能性は感じましたし、左に持ち替えてのシュートもあった。
細かなミスは減らしていかなければいけないと思いますが、岡山戦では十分に貢献出来ていたと思います。
右サイドで田中がアップダウンをして、左サイドでは日高がチャンスメイクを狙う。
それだけでは秋田戦や大分戦のようにサイドばかりになってしまいますが、左右に広げた上で風間が中央でポイントになる。
さらに流動的に小森が動き回り、田口も前に出るなどしたことで、良い形でボールが運べたのではないでしょうか。
遠回りした部分もあったかもしれませんが、岡山戦で1つの形は見えたのかなとも思います。
決してそこまでの試合も無駄ではなかったとは思いますが、岡山戦ではより自然に狙った形を追求できたと言えるのではないでしょうか。
とはいえ、その岡山戦でも勝点1止まりとなってしまいましたし、ここからはいかに自分たちのサッカーで勝てる術を身に着けられるかが問われますね。